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ステージでパフォーマンスをして、雛壇に戻ってきてその後のトークは、話を振られない限りニコニコして会話に参加する。

基本的には身内から話を振られることが多いけど、ここで全く関係のない話題なのか最近の気になることを聞かれたノスタルジアの四人は、それぞれ最近の流行だったりドラマだったり食べ物の話をしていたのに、最後の櫻井さんは全く違う、私的な話題をぶっ込んできた。


「私は、ライラのお二人と、おーちゃんがすっごい仲良しだと聞いていたのですが、ドラマの現場でも今日も本当に仲良しなのかな?って個人的に気になってます。」


その話題が出た時に空気がピリッとした。

本人は純粋に気になっている事だろうけど、ドラマでの話題ならまだしも私達3人の仲良し具合とか今、この場では全く関係ない。

メンバーも超焦ってるじゃん。


〈ライラの二人とフロンティアの葉山は学生時代からの付き合いだから仲良しだよね?〉


「そうですね。オフが被ったらで3人で出かけたりしています。」

「前回のオフが被った時、俺となっちゃんはドライブで遠出して遊んできました。」

「その時の梛月からのお土産、3人でお揃いって聞いてたから俺も梛月もプライベート用のスマホケースに挟んでます。」

「水族館のね。可愛かったでしょう?シャチのステッカー。」

「あれ、桜我と出かけた時のだったんだ。桃とおそろのシャチのぬいぐるみ。」

「そうそう。なので、基本的には仲良しですよ?」

「たまにはね、意見の相違で喧嘩したりするよなー。今回の件は、俺が許してないから、桜我に絶賛反省させてます。」

「あー、そうだね。グループは動いてるけど仕事の話しかしてないってのもあるし、単純に3人とも仕事ありがたいことに忙しいからね。我が家のメンズの中で1番温厚な人間の地雷踏み抜いたみたいだから、昴くんとお兄ちゃんにどのくらいか、お話を聞いてください。」

「なのでチェリームーン組は、桜我が俺を怒らせたから、反省させてます。けど、別に嫌いになったとかそんな子供っぽい事はないので、安心してください。好きだからこその、意見のすり合わせ中です。」

「梛月、レベルは?」

「レベルマックスだよ。咲弥のあの大事件と同じレベルです。」

「あー・・・・」

「桜我、まじでやらかしたな。」


どうするかという声を上げたのは我が家の兄達。


〈ちょっと喧嘩中って事?〉


「簡単に言えばそんな感じです。まぁプライベートの事なんでね。俺たちチェリームーン組だけが理解していればいい案件です。」


〈葉山、頑張って仲直りできるといいね。〉


「・・・はい。頑張ります。」


ヘニョとした表情をした桜我の頭を昴くんと月都の2人が両脇からわしゃわしゃと撫でて慰めていた。

その後もトークもパフォーマンスも続き、最後は私と咲弥と桜我、櫻井さんの4人で番宣をして終了をした。

放送終了後、はぁーと大きくため息をついた。

疲れた。


「咲弥、帰ろー。」

「んー。今日は流石に俺も疲れた。」


テレビ局の廊下を歩いて楽屋に咲弥と2人で話しながら戻っていると、ノスタルジアの3人が私達に謝罪をしてきた。

謝罪内容はフリートーク中の話題について。

うん、やっぱりこの3人はまともなのかなって思う。間違ったことをタイミングをみて謝罪してくるのは良い事だ。事務所の人間やお父さんに話を聞かれたらちゃんと事実を伝えようと思う。


「3人で対応が出来なさそうなら、先輩とか事務所の大人に相談するんだよ?」

「はい。本当に申し訳ございませんでした。」


楽屋で着替えて、今日の番組についてどう対応しようか?と思うが、本当に私情なので会社は関係ない。


「梛月、話した?どうする?」

「主語をいただけないかい?」

「ノスタルジアについて」

「ノスタルジアの事も、桜我反省中の内容も天音ちゃんに全部報告をするよ。生放送で言われたからね。あー投稿とか、ネットニュースが怖い。」

「迷惑だよねー。」


楽屋を出て、階段の踊り場で今日は同行ができなかった天音ちゃんに電話をする。

今日の付き添いは、咲弥のマネージャーの晴くん。晴くんは今ノスタルジア、フロンティアのマネージャーさんに情報の現在の共有をしに行っている。

咲弥は飲み物買ってくるというか行って階下にある自販機まで飲み物を買いに行っている。


「ざっくり話せばそんな感じで、詳しい内容は本当に私情なんだよね。まじ仕事関係ない。・・・そう。ん、ナギさんとカジさんに報告よろしくぅ?!」


咲弥の姿が見えて、階段の下り口の方に移動した私は、天音ちゃんに報告よろしく。と伝えた瞬間、背中に衝撃を受けて身体が宙に浮く。


「梛月!!!」


咄嗟に頭だけ庇って身体を空中で捩り、階段の上を見上げる。

ズダダダダっという靴が階段に当たる音と、衝撃が身体に伝わり、一瞬息が詰まる。


「っ!!!!!!!!」

「梛月!!どこ打った?!」


声は出せなかったが視線が咲弥と合った後、咲弥の声が階段に響き渡る。

その声を聞いて、まだ残っていたルテラ、フロンティアがやってきた。

が、私を突き落とした本人は、何かを言うまでもなくその場を逃げていった。





「咲弥!!!!梛月!!!!!」


その騒ぎの中すぐに俺たちの元へやって来たのは、ルテラ、フロンティア。


「今、救急車呼んだ。」

「咲弥、何があった?」

「俺飲み物2人分買いに行ってて、梛月は天音ちゃんに電話で報告すると言って階段の踊り場の隅っこで電話してて、上から梛月が手を振ったから、俺も振り返したら梛月が落ちてきた。」

「突き落とされたって事?」

「おそらく。」

「ここ、防犯カメラあったよね?僕、防犯カメラ確認して貰えないか警備室行ってくるよ。」

「2人の荷物は、楽屋?」

「いや、荷物は晴くんが持ってる。」

「なら、晴くんに俺はこの事を報告してくるよ。」

「梛月の電話使ったスマホは?」

「これだね。割れちゃってるけど。」


樹くんが救急車を呼んで、昴くんが事情を聞いてくれる、琥珀くんと聖くんが警備室に話を聞きに行って、月都は叔父さんに電話をしていて津田くんと大和くんが話し合いをしているマネージャー達を呼びに行って、階段上で固まっていたのは、桜我と明らかに怒気を含んでいてそれを抑えていたのは、昴くんと恭弥くんだった。


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