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音楽番組当日、私と梛月は少し呆れたような・・・正直面倒くさい。という感情で楽屋でゲネプロを終わらせて本番まで休憩をしていた。
原因はノスタルジアの4人。まともな子もいるのだろうけど、なんとなく上下関係ができてるだろうなと思っている。
あのグループで力を持っているのは櫻井すず。
「ステラとフロンティア、ルミナスのグループは仲がいいのにね~。」
「相性って大事だと俺、思ったわ。混合グループじゃなくて本当によかったよね~。」
「それ、怖っ。」
「俺らも混合グループというか、バディだよ?それにシーリオも仲良しじゃん」
「え?私達仲が悪いの?」
「いいや?仲が悪いなら、今も一緒に住んでないよ。」
あはははと笑っていれば、顔を出したのはステラ。
「何まったりしてんの、お二人さん。」
「あ、お疲れ~。どうしたの、4人ともぐったりしてるじゃん。30過ぎるとやっぱりきついの?」
「ちげーよ、俺らの体力は全然余裕だよ。」
「気力がないわけだ。」
「気力は、好きなもので癒されなよ。」
と私と咲弥が突っ込むと、楽屋のドアを閉めた。
「だっからここに来たんだよ?梛月ちゃん。」
「琥珀くん、ご機嫌斜めじゃん。」
「とりあえず2人ともハグしていい?」
「ん?」
「え?」
琥珀くんの言葉から、私と咲弥は驚いたけれどそれからのルテラの行動は早く、4人に抱きしめられる。
「俺らはマスコットか何かか。」
「うちの子達はいい子だな~って再確認中。」
「今度、シーリオとルミナスの子達もハグする予定。」
「ルミナスと唯にはちゃんと、事前に聞いて絵返事を聞いてからしないと、嫌がられるよ。」
と代わる代わるハグをされて楽屋にあった椅子に4人が座る。
ちなみに私と咲弥はソファに座っている。
なんとなく、ノスタルジアが関わってるんだろうなと察した私たちは、何も言わず兄達の話を聞く。
とりあえず、フロンティアが牽制をして周りに被害が出ないようにしているらしい。
「今日のトーク恐怖しかないんだけど。」
別に櫻井さんが仕事をしないわけでもない。スタッフさんに迷惑をかけているわけでもない。
ただ、問題なのは共演者(メンズに限る)に対しての接し方が万人受けではないというだけで、それぞれのファンの対立とかしなければいいなと、他人事のように考える。
私に対しては、敵対心バリバリだけどそれはおそらく桜我が絡んでるからだろうな。
とは思っている。
恋のライバルって邪魔だよね。若い子、10代からするとそうなのかな?と思う。
私は、まずは桜我と仲直りというか、距離を戻すところから始めたいんだけど、咲弥が珍しく根に持ってるからね、私からは動いてもいいけど今のところ全ての提案は却下されている。
天音ちゃんが楽屋にやってきて、そろそろ時間だよー。と呼びにくるまでは全く別の話をして、次の遺伝子達の動画の企画何やりたい?とか、今度のオフは何する?とかドラマの感想とか演技に関しての話をしていた。
スタジオに、ルテラ、ライラとして入ると、フロンティアとノスタルジアと視線が合うので当たり障りなく、よろしくお願いしまーす。と言って所定の位置に立った。
生放送なので、多少の機材トラブルとかはあるけど、順調に進んでいった。
歌唱前のトークで聞かれたのは、ドラマについて。
「初めましてー。ライラです。」
「俺たちは、現在放送中の“ビタースウィートバディ”から生まれた期間限定のユニットです。よろしくお願いいたします。」
〈二人は、ドラマでは夫婦役なんでしょう?従兄弟で夫婦役って照れくさかったりしない?〉
「照れくささ?ある?」
「ないね。」
〈二人リアルでも付き合ってる?〉
「あはぁ!付き合う!!無いです有り得ないです!」
「俺ら、恋バナとかするけど、付き合うとかないね。兄妹だもん。今回のドラマ決まった時他のメンバーの方が酷かったよな。」
「その場合、私が妹か!私たち従兄弟でグループがあるんですけど、毎回毎回ドラマの感想が送られてきたりするんですけど、今回は琥珀くんとのドラマの時よりは、超平和です。」
〈平和?小鳥遊くん何があったの?〉
「僕の役と梛月ちゃんの役で、ラブシーンが放送された後メンバーからめちゃくちゃ尋問に会いました。キスならともかくあれは、なんだ!と。」
〈何?過保護なの君たち。〉
「妹のそういうシーン恥ずかしくて、見たくないじゃないですか。」
「もう、父親の気持ちで。」
「お父さんからは、特に何もなかったよ?」
「母さんから、超複雑な表情をしてたって、俺に連絡が来た。」
「そうなんだ。」
と、特に気にせずトークに戻る。
〈今回夫婦役だから、そういうシーンの予定は?その時どうしてるの?〉
「それに関してはネタバレになるから、秘密です。」
「基本的に俺ら、演技に関してはお互いでしっかり話し合って、どう演じたら視聴者の皆さんに伝わるかってめちゃくちゃ会議しています。梛月、声での演技が本業だから、声だけでも引き込まれるのにそれに表情がついてくるから、負けてられない。って、毎回演技させていただいてます。」
「それが、本業ですからね。」
〈ありがとうございます。それでは歌の準備をお願いいたします。〉
「「ありがとうございます。」」
と、お礼を伝えてステージへと向かった。




