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猫カフェに到着して店内に入った私たちはまず、アルコール消毒をする。


「っかっわ!」


大きな声を出すと猫ちゃんがびっくりするので、小声で隣の桜我の袖を引っ張りながら話しかける。

桜我は動物系は大丈夫なはずなんだけど、驚くくらい固まっている。


「桜我?」

「っあ、うん。可愛すぎってどうしようかと思ってた。」

「とりあえず、座ろー」


と店内の隅っこの床に座ると、近くにいる猫ちゃんたちがすぐに来てくれて、あっという間に私の周りは猫だらけ。


「なっちゃん、またたびかなにか隠し持ってる?」

「そんな事あるはずないよ。だって今日香水系の匂いのするのつけてないもん。」

「だよね?」


ニャァ~


「なぁに?どうしたの?遊んで欲しいの?」


といつもより声の高い声色で、お膝に乗ってきたにゃんこに話しかける。

頭からお尻にかけて優しく撫でる。

はぁー、癒される。

なんて思っていれば、隣に座っている桜我も桜我なりに楽しんでくれているみたいで、よかったなという感じだ。

これは、咲弥とも今度来ようと思う。

動画の企画で来たりしないかな?なんて、遊びに来てるのに仕事の事を考えているあたり私お仕事大好きじゃん。

なんて自覚した。


「桜我、楽しんでる?」

「めっちゃ、癒されてる。」

「お互いお仕事忙しいからね。モフモフは正義だよね~。」

「うん。」


猫カフェで1時間ほど楽しんだ後、再びドライブ開始をする。私が運転するよ~、と言ったけれど今日は禁止らしい。

禁止と言われればそのまま、大人しくそれに従う。

水族館に行く前にランチを食べて、次の目的地の水族館に向かう。

この水族館入る前に桜我に一言断りを入れる。


「移動、めちゃくちゃ遅いけどごめんね?」

「じっくり観る派?」

「めっちゃ見る。なんなら大水槽とかずっと見てられちゃう。」

「いいよ、今日はオフだし、ゆっくり見よう」

「んふ、ありがとう。」


満面の笑みを浮かべて、桜我の腕を引いて水族館に入館する。

イルカとシャチのショーの時間を確認して、アザラシの餌やりタイムも確認して館内を見て行く。

醍醐味は大水槽!


「かっこいいね、キミ。」


など水槽を眺めながら、そんなコメントを漏らしていれば、隣の桜我は笑いを堪えている。


「なっちゃんって、動物に対してのコメントがナンパしているみたい。」

「ナンパしてないよ。事実を言っているだけじゃん。」

「咲もそんな感じなの?」

「水族館は、私と咲弥のテンションは同じ。ねぇ、そんな事より次行こ~。」


と次の展示ブースに移動する。


アザラシの餌やりタイムはやっぱり人が多いけれど、なんとか見ることができた。

こういう時、月都くんくらい身長欲しいよね。

とぼやけば、なっちゃんが男の子ならね。と即答された。

そして最後にやってきたのは1番楽しみにしていた、シャチショー!

ここの水族館はイルカショーとシャチショーが見られるからすっごい楽しみにしていた。

先に見たイルカショーは楽しかったし、シャチのショーなんて初めて見るからすごくワクワクしている。

もうね、子供と同じくらいのテンション。

できれば最前列のびしょ濡れコーナーとかに行きたいのだけれど、今日は勝負の日だしファンにバレるとこういうところでは他のお客様にご迷惑をおかけするので、大人しくする。

家族で来た時は、最前列確定なんだけどね。

後ろから見ていても、充分楽しめる距離でシャチショーを楽しむ。

シャチショーを全力で楽しんで、その後また館内を見て回って最後にお土産コーナーに立ち寄る。

そして、現在悩んでるのは咲弥と桃へのお土産。私は、大きなシャチのぬいぐるみを抱えている。

桃はお揃いが好きだから、同じシャチのぬいぐるみでいいかな?と両脇にシャチのぬいぐるみを抱えている状態で、咲弥へのお土産に悩む。


「ねぇ、桜我、咲弥へのおみ・・・・・。」


隣にいると思っていた桜我の姿が見えず、周囲を見渡せばファンと思われる子達に囲まれている。

うん、これはそっとしておこう。

咲弥へのお土産は桜我、私と3人でお揃いのステッカーを購入。スマホケースの間に入れれるようにしようと、言えばみんなでお揃いになる。

お会計をして、そのまま出口付近に移動する。

桜我のスマホに“先に外出てるね”とメッセージを送り、外のベンチで桜我を待つことにする。

ファンを大切にすることは、私たちの仕事では一番大事なんだけど、そのファンに対してもモヤモヤするあたり私実は独占欲が酷い?

と逆に悩んでしまう。

咲弥に現状をメッセージで報告すれば、“いまさら?”と返事が返ってきた。

今更とは?と思うが客観的に見てそうなのなら、独占欲の塊なんだろうなと素直に受け入れる。

飲み物を買って、ベンチで咲弥とやりとりをしつつ、仕事の確認をする。

今週は少しのんびりできるかな~何しよう?と考えていれば、桜我が館内から出てきて合流した。


「ごめん、なっちゃん。」

「ううん。いいよ。ファンへの対応は最優先事項だよね。」


と、買っていた飲み物を桜我に渡して車へ移動する。

この後は、晩御飯を食べるかどうか、というところ。さて、車に乗ったところで、今日一番の爆弾を落とそうかと思う。


「はい、これ今日の記念に。咲弥と3人でおそろ。スマホケースの中に入れよー。」


とスマホの後ろに入れたステッカーを見せて、お揃いのステッカーを渡せば、喜んでくれた。




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