ライバル?
桜我のことを好きだと自覚をしてからはや5年。私は23歳になった。
相変わらずお仕事はたくさん頂いているし、従兄弟たち全員各分野で大活躍だ。
ただ、ドラマと歌手のお仕事の量は減らして、声優業に集中をしている。
まぁ、安定のオーディションは落ちるもの!で気に入った作品や、お声がけをしていただいた作品のオーディションを受けまくっている。
歌手活動も全くゼロではなく、以前みたいにワンシーズン毎にCDをリリースしなくなっただけで、年1のアルバムとツアーと、タイアップが決まればシングルをリリースさせていただいている。
さて、この5年間の中で何か変化があったかと言うと、大きな変化はない。
大きな変化はないけれど、お母さんの記憶が私が成人した年に急に全部戻って家族4人で大泣きしたくらいだ。
ちなみに、その後私はオフの度に実家へと顔を出しお母さんとの時間を最優先にしている。
それに対して、お父さんは少し不貞腐れてはいるが、お父さんもお父さんでお仕事たくさん抱えているので、長期間家を空けることもある。
そういった時は、私や月都くんが泊まりに行って3人で一緒に過ごしている。
3人でお泊まりすれば、過去の作品だって一緒に見たりする。
相変わらず、キスシーンとか見ると驚いて泣くという事は回数を増やせば耐性がつく事がわかった。
桜我以外の人間のキスシーンなどは、大丈夫。
桜我だけは、未だにダメだと自覚をしているが毎回感想をお互いに送ると言う事が恒例になっているので、急に辞める事はできないので、事前に申告する制度をもうけた。
これに関しては、咲弥からも桜我に話しているので、絶対ルールみたいな感じになっている。
「なっちゃんは、最近歌は歌ってないの?」
「あーお話は来てるよ?レコーディングを済ましたのもあるし。ただ、活動は減らしてるかな?」
「どーして?」
「えー、ちょっと・・・、ねぇ?」
「俺さ、ずっと気になってたんだけどさ、恭弥くん達とはめちゃくちゃ共演するくせに俺らとはあまり共演してくれないよね?なんで?」
「フロンティアのファンは怖いから!」
「どう言うこと?」
「え?まんまだけど。」
「それなら、ルテラも咲弥も一緒じゃん。」
「違うもん。ルテラも朔弥のファンも私の事基本威嚇しないもん。嫌がらせしてくる人も少なく共同じ業界では少ないもん!」
「つまり、俺らの業界内のファンの人間に嫌がらせをされていると。」
「脳内消去して。」
「で?どこのどいつ?」
「今すぐ忘れてくれる?これはこちらの事務所で対策中だから。」
「なっちゃん、手を出されたら存分にやり返してくるのよ?」
「物理?!」
「母さんって、意外に武闘派だよね。」
「蒼吾はねー、昔からモテたから。その隣にいる私が気に入らない人間の嫌がらせは多かったからやられたらやり返してたの。」
「全然イメージつかない。」
「実は、母さんが1番怖い?」
「怖くないわよー。だから、何かあれば私に相談するのよ?」
「あい。それは、すぐ相談する。」
3人でお父さんが出ているドラマを見ながら、そんな物騒な話をしていたが翌日には最強遺伝子達にその情報が拡散されていた。
恭弥くんたちには軽くしか話してないけど、咲弥はがっつり事情を知っているので、メンズ会とかされたらかなりめんどくさいな。私が桜我を好きだという事がバレるじゃないか。
と、思ってしまった。




