女の子の日と体調不良。
年末年始の超多忙スケジュールをなんとか乗り切って帰宅した私は、朝から誤魔化し続けてきた体調の悪さに一度玄関に座り込んだ。
座り込んだが、とにかく今日も朝から忙しく汗もしっかりかいているのも気になって先にどうにかお風呂に入ってしまおうと、コートをハンガーにかけ鞄をリビングのソファーまで持っていくと暖房をつけた。
そしてそのままノロノロとお風呂に入った。
お風呂に入れば体調不良の一部の原因が分かった。
あー、そういえばそろそろか。と理解すれば痛みは余計に増す。
今回の体調不良はコレだけではなさそうだなとなんとなく、湯船に浸かりながら体を温める。
お風呂から上がり、髪の毛を乾かし、ぬくぬくした状態でリビングのソファに転げ込む。
加湿器もつけて、お昼寝用の毛布に包まれ横になる。
しばらくして、
玄関の鍵が開く音と、人の気配に意識が浮上する。
どうやら、横になった後そのまま寝落ちをしてしまったらしい。
「梛月ー?大丈夫??」
おでこに触れる咲弥の手が冷たくて気持ちがいい。
少ししてから、ピピっと電子音が鳴る。
「あー、梛月ちょっと起きれる??」
「・・・・ん。おかえり」
「体調悪いでしょう?熱あるよ。」
「えー、月一だからかな?」
「そっちもか。食欲はある?ないなら俺アイスとか買いに行ってくるけど。」
「食欲ないー。食べたくない。」
「あー、うんわかった。とりあえず寝てて。俺買い物行ってくるから。」
「んー」
ぐしゃっと頭を撫でられて、咲弥が再び外に出ていく。
出て行ってすぐにやってきたのは、柊弥くん。
咲弥に事情を聞いてすぐにきてくれたのだろう。
「梛月ちゃん、お風呂には頑張って入ったんだね。ちょっとベッドに運びたいけど、先にお手洗いに行く?」
「んー、行きたい。」
「わかった。」
柊弥くんはそう返事をするとヒョイっと私を抱き上げて、お手洗いまで連れてきてくれた。
「廊下で待ってるから、やばかったら呼んでね。」
「うん。ありがとう。」
そう返事をして、トイレに行くも一気に血の気が引く。
「うーん、激重回だわ・・・・。」
なんて考えながら、トイレから出てく。手を洗って鏡で顔を見れば真っ青で貧血確定。
脱衣所のドアを開ければ柊弥くんが待っていてくれて、歩くの禁止ですと言わんばかりに抱き抱えて私の部屋に入ると、強制的にベッドに連行された。
自室の加湿器もつけられて、今日しようとしていたお仕事も禁止令が出された。
その後リビングに行っていた柊弥くんは、咲弥が帰宅するまでリビングで待っていてくれた。
「梛月ー入るよー。」
しばらくして咲弥が帰ってきたらしくて、柊弥くんと一緒に入ってきた。
「まずは、お腹にカイロってって言いたいけど湯たんぽ。鉄剤入りのゼリーは飲んで。熱もあるから熱冷まし。その後ココアを飲む。」
「でも、梛月ちゃん毎月ケアしているけど今回は、仕事が忙しすぎたせいもあるかなー。今年は去年に比べてめちゃくちゃ仕事詰まってたもんね。頑張っててえらい。」
咲弥に言われるがまま、お布団に湯たんぽを入れてゼリーを飲んで、その後解熱鎮痛剤を飲んだ。ココアはゆっくり飲めよーと言われて、頭を撫でられて2人はリビングに戻った。‘
この事は何かのインタビューで話そうかなーなんて考えながら、スマホで天音ちゃんに熱を出したこと、月一がかなり酷いことを伝えた。
帰ってきた返事は、明日朝イチで病院に一緒に行くと言われたのでただの疲れかもしれないが原因がわかるだろうと、咲弥が入れてくれたココアをちびちび飲みながらふーと息をつく。
数年ぶりの体調不良に驚いた程度、ちゃんと調整してたんだけどなーと思っていた。
翌日病院に行って、疲労からの熱ということでスケジュール調整をして年末のライブに向けて仕事をこなした。




