雑誌のお仕事
「おはようございまーす。よろしくお願いしまーす。」
イベントも、ライブもドラマも気合と根性で乗り切った私は、本日ハロウィンパーティ企画の撮影に来ていた。
メンバーは私と咲弥と桜我の3人。卒業後何かとテレビやSNSや動画チャンネルで絡みの多かったこともあり、学生時代限定のチェリームーンというグループ名が世に浸透し、学生時代の同級生ということからも、イベントごとの雑誌などには、よく呼ばれるようになった。
ほんとにジャンルが違う3人だから、スケジュールもギリギリだったりする。
現場に着けば、まだ2人は到着をしていなくて先に私だけ衣装に着替えてソロの撮影から始めることになった。
今回私が着用するのは、定番の魔女。咲弥がキョンシーで、桜我が狼男だったかな?
衣装に着替えてメイクをして、ソロで撮影をしていると、やってきたのは、咲弥。
「お疲れー。前の現場押したの?」
「お疲れ。いや、巻いてきた。」
「え?珍しい。桜我は押してるのかな?」
「フロンティアは今忙しいからねー。」
「確かに。」
「梛月は、少しはゆっくり出来そうなの?」
「それ、スケジュール共有している相手に聞くもんじゃないよね?」
「ふは。ごめんごめん。夏までめっちゃ忙しかったじゃん。だからそろそろ連休が存在したかな?と気になっただけ。」
スタジオのブースで私と入れ替わる時に、少し冗談話をしながら入れ替わる。
しかしなんというか、これはファンが歓喜するだろうな。なんて思いながら、メイクを直してもらいつつ、水分補給をする。
咲弥のソロの撮影が行われている間、1番最後に現場入りをしたのは桜我。
フロンティアは、フェスとかにも参加しているし、桜我は高校卒業してから俳優業も挑戦を始めているので、何かと忙しいだろうな。昴くんもそういや10月放送開始のドラマクランクインした。とは言っていた。
となると、体調面が心配なのだがそこは一緒に住んでいる桃に任せよう。
無理な時はすぐ連絡が来るだろうし。
「お疲れ、桜我。似合ってんね、狼男。」
「お疲れ。ありがとう。なっちゃんも可愛い魔女さんだね。」
「ふふ。でもね、色気ダダ漏れのキョンシーがあそこに存在するのよ。」
と撮影中の咲弥を指さす。
「あれは、映像化していいのか?」
「映像は咲弥のマネちゃんがとってるんじゃない?ちなみにこの会話は私のマネちゃんが撮影しています。」
「は?!まじで、そういうのはちゃんと言いましょうって言ってたじゃん。」
「はぁ~?学生時代無断撮影していた桜我には言われたくありません。」
「無断撮影はしてない。ちゃんと許可取りはしてましたー。」
「誰に?」
「保護者の咲弥に。」
「え?俺そんな確実に怒られる許可なんて出してないけど。」
ソロの撮影が終わった咲弥が私たちの会話に合流する。
「咲弥が出してないって言ってるんだから、無許可じゃん。それより早くソロ撮影してきなよ。」
「・・・・行ってきます。」
「「行ってらっしゃい。」」
咲弥と2人で桜我を送り出せば、無許可撮影の実態はどうだったのか?
という会話をメイク直しをしている咲弥と話す。
基本的に無許可だったよね?って話したら、「梛月と俺が歌っている時に勝手にカメラ回すこと多かったよね」
なんて学生時代どうだったか2人で思い出しながら、話していた。
桜我のソロの撮影もスムーズに終わり、背景チェンジがされている間に先ほどの話を掘り返したりしながら待機する。
背景のチェンジが終われば、まずは私と咲弥、その後に私と桜我、最後に咲弥と桜我のペアで撮影を行った。




