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おじいちゃんの家に集まったのは、ルテラの4人とフロンティアの5人と最強遺伝子のメンバー。
両親達大人組は、父蒼吾を残して別室で呑み会をするらしい。
昴くんと桃の両親である、桃吾伯父さんと奏伯母さん達はすでに誕生日当日に桃の誕生日お祝いをしているから今回はいいらしい。
それに、お母さんもリハビリがてら今回は参加しているという話をお父さんから話を聞いた。
そんな父は今私と一緒に料理を作っている。
「お母さん連れてきて大丈夫なの?」
「それは大丈夫。一緒にいるメンバーが結婚して子供がいることは思い出しているし、僕とも結婚をして子供がいるという事は思い出したから。ただ記憶の2人と実際の年齢が違うからそれはもう少し様子見かな?本人が会いたいと言うまで勇気もいるだろしね。」
「そうか。でも、時間がかかったけど、少しずつ心に負担がかからない状態で思い出せているのは、いいことだよね。」
なんて話しながら料理を作る。
待っている組は、ゲームをしている所を動画に撮影をしていたりしてまたSNSが賑やかになりそうだなと考えている。
メニューは鶏むねのおかずサラダ、明日ガーリックトーストとピザトーストトマトのブルスケッタ、カプレーゼ、スパニッシュオムレツ、チーズオムライス、大人組のつまみにちくわのチーズ肉巻き、昨日の内から仕込んでいたきゅうりとわかめの酢の物なども一緒に作ってしまう。
「ねぇーそろそろできるからテーブル片付けてー。」
とキッチンから声を掛ければ、いい返事が返ってきて片付け班とできた食材を運ぶ班に分かれてやってきたようだ。
「梛月テーブル消毒した後何から運んだらいい?」
「どれからでもいいよ。全部仕上げてるから。どうせみんな今日疲れているから食べ切ってしまうでしょう?」
「確かに。」
「最強組さっさと仕事してくださーい。お客さんを動かさない、桃はお誕生日席で待機!わかった?」
「梛月ちゃんが下から2番目だなんて思えない、指示の出し方。」
「え?みんな伝えてたら素直に動いてくれるし協力してくれるから、楽だし使えるものは使わないといけないんだよ?お父さん。」
「うーん、強か」
テーブルの消毒を終えた咲弥がやってきた後、1番初めに私の所へやってきたのは咲弥で、その後は恭弥くん、昴くん、柊弥くん、月都くんと順番に料理のお皿を撮りにきてくれてテーブルに並べてくれる。
咲弥はグラスを全員分持って行って、私はお父さんと片付けをしながらその様子をみる。
今日はアルコール禁止だから、何種類かのソフトドリンクを買っている。
お父さんも片付けが終わったら料理を、大人たちの呑み会会場へと運んでいた。
「あれ?もしかして定点でずっと撮影してたの?」
みんなの所に合流した私は。定点カメラが3箇所とキッチンの方を向いているカメラが一台。
「してた。これもしっかりチャンネルで使う。」
「いいけど、私とお父さんの会話はカットね。使っちゃダメ。理由は後で話す。」
「なんとなく理解した。」
と察しの良い恭弥くんが反応をした。
フロンティアのメンバーは事務所の大先輩である長谷川蒼吾がご飯を作ってくれた事にまず固まっていた。なんならこの家の飾り付けで家にやってきて、この部屋に顔をまず出したのが私たちではなく、お父さんでしばらく放心状態だったらしい。
いや、今日一緒に仕事したじゃん。と内心突っ込みながら定位置に座る。
安定の咲弥と桜我の間に座ると、乾杯の音頭を取ったのは昴くん。
みんなで乾杯をした後、普通にもぐもぐタイムを撮影した。
あれだけ大量に作った料理はものの数十分で全てなくなり、現在は、咲弥が食後のコーヒーを淹れてくれている。
その撮影をしにきたのが、桜我で随分ご機嫌のようだ。
「桜我、ご機嫌だね。」
「いやだって今日めちゃくちゃ楽しかった。そして桃ちゃんのお誕生日会に呼ばれたのも嬉しい。嬉しいけど、長谷川さんがきたのが心臓に悪かった。」
「いやー、お父さんだからね。桃からしたら叔父さんだからね。そりゃこういうお祝い事の時はスケジュール調整して参加してますわ。」
「だから、叔父さんいた時おとなしかったんだ。」
人数分のコーヒーを丁寧に入れていく。
さて、我が従兄弟たちの中でブラックが飲めないのは桃だけ。
私も苦手だけれど、咲弥の入れてくれるコーヒーはブラックでも飲める。
食器の片付けは、料理を作らなかった組の従兄弟たちが分担してやったので後片付け話す本当に助かっている。
テーブルも再度消毒して、砂糖とミルクを運んで、ケーキを取り分けるお皿を準備をする。
ケーキのお皿は申し訳ないが、紙皿だ。
ケーキは10号サイズのイチゴのケーキ。ルテラとフロンティアの従兄弟以外のメンバーが甘いもの得意かどうかはわからないが、少ししか食べられないのなら甘いのは別腹と考えている従兄弟たちが食べ切ってしまうだろう。
入れ終わったコーヒーを順番に回していって、全員にいき届いた所で“17”という蝋燭をケーキに刺してまずは撮影タイム。
写真をたくさん撮り、蝋燭に火をつけてハッピーバースデーの歌を全員で歌う。
その後桃が蝋燭を吹き消し、琥珀くんが均等にケーキを切り分けてくれた。
ケーキもみんなで美味しく食べ、プレゼントを私桃のリアクションをしっかりカメラにおさめたところで、カメラのスイッチを切った。
その日はいつもより遅くはなったけれど、恭弥くんと昴くんがメンバーを家まで送って私は柊弥くんの運転で咲弥と一緒に寮に帰宅した。
後日、全5回で投稿された桃のお誕生日会の動画は、参加メンバーが豪華や、長谷川蒼吾がエプロンをつけてご飯を作っている。や、兄弟や従兄弟、メンバー仲が良くて微笑ましいなど好評なコメントが多かった。




