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桃とバレンタインケーキを作った翌日、私は大阪の劇場で朗読劇のゲネプロを終わらせて、動画スタッフと共にバレンタイン企画出張版を撮影していた。
「はい、こんにちは梛月でーす。私は明日から始まる朗読劇“異世界で紡ぐ、星降る恋物語”の会場に来てます。イン大阪です。ご来場される皆様、会場でお会いできるの楽しみにしてます!はい。という事でまずはココ!スタッフさん他の共演者様宛の、私からのバレンタインコーナーです。スタッフさん、共演者さんみんな持っていってねー!」
両手であるよー途中アピールした後、身内の楽屋へ向かった。
「まずは、私の事務所の先輩小鳥遊 和樹くんの楽屋に来ましたー。私は普通に和樹くんって呼ぶけど共演者の皆様からは“小鳥”って呼ばれてます。へーい、和樹くんいるよねー?」
とドアを勢いよく開ける。
「ノックくらいしろて言ってんじゃん!」
「それ、女の子のセリフね。例えパンイチだったとしてもそれはファンに対してのサービスショットということでよし!そんなことより、はいハッピーバレンタイン!さぁ今年もありがたく食べるよ良いよ。」
「今年もどうもありがとう。これ、ちゃんと樹たちと一緒の内容だよな?」
受け取った箱を覗きながら質問された。
「みんな一緒だよ。うちの事務所はね。従兄弟達は14日にあげないともう国道が面倒だから、今年は昨日渡して来たから大丈夫。」
「それなら、大丈夫だな。ありがとう。いただきまーす。」
と、大きな口でチョコレートケーキにかぶりつく。
「ん、うまい。いやー上手くなったよな。」
「お褒めの言葉ありがとう。」
和樹くんのモグモグ動画を撮り、次の楽屋へ向かう。
3口で食べるとかびっくりだよねー。味わって食べてよ。って思っちゃった。
続いてやってきたのは紬ちゃんの楽屋。今度はちゃんとノックをしてから楽屋の中に入る。
「紬ちゃん、お疲れ様ー」
「梛月ちゃん、お疲れ様。どうしたの?」
「動画チャンネルのバレンタイん企画です!2人目は、事務所の後輩緒方 紬ちゃんでーす。今回のお話ではライバルなんだよねー。」
「ねー。ライバルは初めてだよね。」
「いや、本当に。明日からよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
と挨拶をする。
「ということで、企画のはい、ハッピーバレンタイン。」
「やった!今年は手作りだ!!」
とケーキの箱を見て喜んだ紬ちゃんは、箱を開ける。
「これは後で食べて感想送る形でいい?」
「ん、もちろん。喜んで貰えてなにより。あ、見てくださっている方々に説明をいたしますと、基本的に身内、仲良しのメンバーにしか手作りのものは渡してません。バレンタイン前後でお仕事一緒にしててアレルギーがない人というルールにそって毎年渡してます。ちなみに仲良くてアレルギー持ちの方へは、ちゃんとアレルギーを外したものをあげてます。バレンタインって感謝を伝える機会でもあるからね。と、いうことで、出張版の動画は終了でーす。恭弥くん達の動画は昨日私の仕事用のスマホで撮影したのをスタッフさんに提出済みなので、上手に編集して投稿してくれると思います!それじゃ、次回もよろしくお願いしまーす。」
と最後の挨拶を紬ちゃんと一緒にしてサブのお仕事を終えた。




