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史弥父さんから呼び出された翌日細かいスケジュールが送られてきた。
そのスケジュールは桜組で共有されており、柊弥くんから“ランウェイ”の練習についてのスケジュールも送られてきた。
本番は3月8日の日曜日。明日から1週間は学年末テスト。次の週から朗読劇の稽古が始まる。
2月11日〜15日が大阪公演、19日〜23日までが東京公演で[異世界で紡ぐ、星降る恋物語]のヒロインを演じる。そして初の座長としての朗読劇で緊張もする。
その朗読劇の千秋楽が2月23日。翌週が高校の卒業式。そしてその次の週がファッションショーの本番となっている。
なるべくショーの練習が優先されるけど、レギュラーのアニメの収録もあるので結構鬼スケジュールだったりする。
4月は事務所の桜祭りのライブがあるし、ドラマの撮影も始まる。
「ねぇ、これ私大丈夫かな?」
「朗読劇は、俺も一緒だからフォローするし手伝う。それに他の収録も大体一緒だろう?」
事務所で打ち合わせがあって共用スペースのソファーにズルズルとダラけるような体制で自分のスケジュールを確認していた所に、声優デビュー当時から仲良しの先輩小鳥遊和樹が飲み物を持って隣に座ってきた。
なので、私のスケジュール表を見せれば“うわ”と声が漏れたのは聞き逃してないが、フォローに関しては非常に心強いので、嬉しかったりする。
「仕事よりも、まずは学年末テストに集中しろよ。そっちは大丈夫なわけ?」
「ホントそれ。と言いたいけれど、私これでも成績上位者なのよ。なんのでよっぽどの事がない限り大丈夫だと思う。」
「それならいいだろうけど、ドラマの撮影も始まるし3月末は恋ヴィのイベントがあるだろう?四月は事務所のライブだし。今年ツアーの予定は?」
「うーん、ツアーはわからないけど、ルテラとルミナスのバックは東京公演に特別参加で付く予定。」
「相変わらずダンサーとしても人気だね。」
「おかげさまで。」
と笑いながら、3、4ヶ月分の大きな仕事の話をする。
「まずは、テスト頑張って!」
「ありがとー。」
「どーいたしまして。」
飲みかけていたカフェオレに口をつけて残りを飲み干してゴミ箱に捨てると、そのまま事務所を後にして買い物をして帰宅をした。
勉強は夜咲弥が帰ってきてから、テスト範囲の見直しをする。
それまではご飯を作ったり、お風呂に入ったり、台本の見直しや資料に目を通した。




