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年明けまで残り3分を切った今、私はバックステージを自転車で爆走していた。
今日は毎年恒例のサクラエンターテイメント所属のパフォーマーで年末のカウントダウンコンサートを行なっている。
18歳から出演可能で、今年は初の参加である。基本的に私の事務所は全員歌もダンスもできるので、18歳以上の人間はバックダンサーなども含め参加している人が多い。
所定の場所に到着をして、自転車を降りればヘッドマイクをつけてステージに上がる。
センターステージには伊集院3兄弟が全員今日出演した時の衣装を着て、Luminousのパフォーマンスを観ている。
その3人に一緒に合流をすれば、笑う。
「さあ、さあ、残り30秒切りました!みなさん今年も大変お世話になりました。来年も、サクラエンターテイメントの家族の応援をよろしくお願いいたします!」
“5ー、4ー、3ー、2ー、1!!!Happy New Year!!!!!“
パン!パン!パン!!
とステージ上で花火が上がった。
「年明け一発目はこの4人で、新曲“ジュリエッタ”!」
と先輩のMCで曲振りをされた。咲弥と柊弥くんが背中合わせに立っていて、その両サイドに私と恭弥くんが2人を挟むように背中を向けて立っている。
「“Kiss You”」
咲弥のセリフと共にイントロが流れ踊り出す。
大体この4人で踊る時1番身長の小さい私はめちゃくちゃ大きく動かないと、バランスが悪い。3人の平均身長は180センチ後半。私は167センチ。20センチは身長差があるのだ。
フォーメーションの移動をしたり、担当の歌詞を歌って、ファンサをして自分1人のステージよりも全力で楽しんんだ。
スタン宙を全員で決めて最後のポーズを決めた。
「どーもー桜組です。」
「桜組です。」
「桜組。間違いではない」
「いや、説明しようか、メンズ共。」
「桜組でしょう?」
「・・・・・。はい、伊集院3兄弟と私長谷川梛月の4人で桜組と呼んでいただければ嬉しいです。」
「このあとすぐ、僕たち桜組の動画チャンネルが開設されます!」
「メンバーは俺たち含めて7人!」
「残り3人は誰なのか?どういった関係性なのか、ぜひ動画でチェックしてね。」
“チャンネル名は、【最強遺伝子達】です。よろしくお願いしまーす!”
私が黙って説明を始めたあとすぐ三兄弟はそれぞれ紹介のコメントをする。
そのままの流れで事務所全員でのシャッフルメドレーで、残りのパフォーマンスをして歌いきった後ファンに手を振りながらカメラマンにファンサをして舞台袖にはけて、カウントダウンコンサートは無事に終了した。
その後舞台裏で、再度コメントを残すと、桜組で何枚か写真を撮って帰宅準備をしてロビーで再度集合した。




