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メイク直しをして、衣装をしっかり着込んで3人で現在いるのはステージ脇。3人で肩を組んでいる。その様子をシーリオの海斗と円陣の中心には唯がいて撮影してくれている。
「Hey、メンバー。調子はどうですか?」
「お腹が空きました。」
「いや、さっきあれだけ食べたじゃん!どうなってんの?!」
「ステージ終了後、次のステージまでの合間に桜我は食べてくださーい。」
「はーい。」
「お母さん?!」
「お母さんじゃなくて今日は、リーダーです。」
「いつもはお母さんなの?」
「ちょ、咲。ツッコむのやめて。ツボる。」
「ボケるのはこのくらいでね、学生最後3人で立つラストステージです。怪我には気をつけて。それだけ本当に気をつけて、後は存分に暴れてください。いいですか?暴れてください。」
「「ウェーイ」」
「ファンサも思う存分してください。」
「「ウェーイ。」」
「いくぞー!!!」
「「っしゃー!!!!」」
ダン!!と足踏みをして声を上げる。
3人でそれぞれ軽くハグをしてスマホのカメラに向かって、ファンサをした後ステージへ向かった。
持ち時間は、今年が最後ということで40分。もちろんMCタイムもある。
披露する曲は6曲。今年の6曲はミディアムバラードが含まれているけど、6曲ともアップテンポで体力を使う。
アクロは3人ともだから、だけど慎重に頑張ろうと思う。
「いくぞ、桜華祭ーーーー!!!」
ステージに上がって会場を煽ると同時に一曲目、ルテラの“インパルス”のイントロが流れる。一曲目から激し目だし、ふりはヒップホップの要素が多い。
アイソレもあるし、足のリズム取り戻すある。4人の曲を3人で歌割りをするっていうのも大変だけど、楽しい。
2曲目は、フロンティアの“僕らの“。この曲はロックテイストで、力強く、ヒットもしっかり決める。最後は3人でスタン宙を決める。
3曲は、私の“ふわり恋心”。ヒップホップだけどちょっぴりキュート系の振りがある。所々でハートを作ったり、投げキスをしたり歌ってないときはステージいっぱい動いてファンサをする。
4曲目はフロンティアの“My Dear”。
3人でセンターステージに移動してきて一息つく。この曲はミディアムバラードで、コンテンポラリーで表現をする。コンテンポラリーは私の得意分野だったりする。自分のライブではコンテンポラリーを踊らないから少し嬉しかったりする。最後まで笑顔で踊り切れば1度目のMCタイムになる。
取材スペースに見慣れた4人がいたけどそこは綺麗に無視を決め込むとした。どうやって許可どりしたんだ?と首を傾げなっがらも、お客さんに声をかける。
「桜華祭、盛り上がってますかー?」
と桜我が聞けば“イエーイ!”と大きな声が返ってくる。
「どーもー、チェリームーンです!」
「そんな名前だったね。」
「お互いの事務所名から取ってたよね。」
「そして、今日解散です。」
「待って待って待って?急に?」
「いや、3人でパフォーマンスするのは確かに今日が最後だな。」
「なんか、やーだー」
「やだじゃないよ。事実だよ。」
「皆様ご存知かもしれませんが、一応自己紹介しとく?」
「え?顔パスじゃやないの?」
「顔が自己紹介になるの?え?顔にお名前書いてるの?桜我くん??よくわかんないからお名前書いてあげようか?」
「書いてあげようかっって、ん、はははははははははは!!!」
とドツボにハマったのは、咲弥。
「チェリームーンリーダー、梛月です!」
「・・・・チェリームーン、桜我です。」
「はーあー、あはははは。」
「こちら笑いのツボにハマっている、咲弥くんでーす。」
「ごめ、ちょ、んふ。」
「これ、次の曲歌えるか?大丈夫??」
「今年の衣装は3人お揃いです!!咲弥と桜我は、ブラウスの色が色違いだよね。」
「そうそう。俺、思ったんだけどなっちゃんのそのブラウスどうなってんの?」
「これはねー、こうです。オフショルです。」
とジャケットを脱いでオフショルブラウスを見せる。オフショルだけど、肩にストラップはしっかりついてるので下に落ちることはない。
「このヒラヒラは、3人のイメージカラーだよな。」
と、笑いがおさまった咲弥が腰につけている布を見せる。
「そうなの?!」
「え?私説明したじゃん。桜我がメンカラ赤だから、赤と咲弥の桜ピンク、私のくすみピンクだよって。」
「桜我ってその辺り人の話聞いてないよな。」
教室でしているようなMCになってしまったが、水分を補給しながら話す。
主に話すのは私。打てば響くのが桜我、ツッコむのが咲弥。
お客さんも笑ってくれるからこちらも、会話が弾んだ。




