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学園祭当日、天気は快晴。昨日の学内だけのミニライブでは少しフォーメーションの乱れがあったので先ほどのゲネで再確認をした。
「ゲネで気になった所、他にあった?」
「特になし。」
「俺もないかな?」
私達ように準備された教室でジャケトを脱ぐ。シーリオのリハも問題なさそうだったので一安心をしている。
「それで、フロンティアのゲネは何時から?」
「30分後。だから、俺は今からメンバーのと所に行ってきます。」
「はい、気をつけて。」
「いってら。じゃあ、俺たちは少し校内見て回らね?」
「いいね。」
桜我が教室を出るタイミングで私たちも戸締りをして廊下に出た。
「んじゃ、桜我頑張ってー。」
「桜我がんばー。」
「頑張ってくるー。」
桜我と別れた後私と咲弥は、校内を見て回ることにした。
今日は一般公開日なので、生徒の兄弟、友達、両親だったりがきている。なので人が昨日よりも多い。
各クラスの出し物は、模擬店だったり部活の発表スペースなど様々なものがある。
「どこ行きたい?今日も井上さんのクラス?」
「愛美ちゃんのクラスは行きたいよねー。食料調達。」
「食料調達!そうだね、動く前に少しはカロリー摂取してないとね。お腹空くもんね。」
「ねぇ、バカにしてる?」
「いや?今年のセトリからして、俺も軽めに食べてないと持たなそう。」
「でしょう?」
「でも、俺の軽くは梛月からしたらちょびっとじゃん。」
「お、その喧嘩買おうか?」
「冗談だって。」
なんて会話をしているうちに、目的地の3ーAの教室に到着した。ら、昨日とは比べ物にならないくらい列ができていた。
「繁盛しているねー。」
「これ、時間大丈夫か?」
「ちょっと、確認してくる。」
「え?俺置いてかれる?」
「え?」
「え?」
2人して顔を見合わせていると、周りのお客さんがきゃあきゃあ言ってる。という事は、咲弥のファンだな。と思った。教室の入り口で案内をしている生徒に声をかけて愛美ちゃんを呼んでもらう。
「やっほー。これどれくらい待ち?」
「え?今日も来れたんだ。」
「え?嫌だった?ライブ前のエネルギー補給をしようと思ったのだけれど。」
「時間的に無理だと思った。」
「それは、桜我な。んで、井上さんどのくらい?無理なら他の模擬店でテイクアウトでもしようかと思うんだけど。」
「ちょっと待ってて。先生聞いてくる。」
と一度教室の中に戻っていった。なので私と、咲弥は邪魔にならない様に廊下の端による。
しばらくして出てきたの、3ーAの担任の浜やん。
「やほー、浜やん盛況してるね。」
「やほーじゃねんだわ。昨日長谷川達があげたネットの投稿で朝から大忙し。」
「それは、浜ちゃんのクラスの人に言ってよ。ハッシュタグ付きで投稿してって言ったのは、浜ちゃんのクラスの子達なんだから。」
「そこはな。学年一位も望めそうだわ。んで、メシ食いたいって?」
「そー。ライブ前にエネルギー補給したい。」
「今だと3、40分待ちだぞ?」
「あそこのゲネが後20分位後でしょう?んで、実際通して、えーかき込めば並べる。」
「俺嫌なんだけど。浜ちゃん、テイクアウトさせてよ特別に。」
「お前達出番までどのくらいあるんだ?」
「えーっと、予定通り進めば、1時間半後。流石の私でも30分前は水分しか取らないから、1時間ないくらい。」
スマホで時間を確認しながら浜やんの質問に答える。
「食べるのって昨日食べたやつか?」
「のつもり。」
「できるまで入店案内で、テイクアウト特別に受けようじゃないか。」
「浜ちゃん、先生やめて商売始めた方がいいんじゃない?」
「いいよー。その間にご飯作ってくれるなら。」
「おし、それで決定だな。」
ということで、咲弥と2人で店頭で店内に案内を始める。入店するお客様達のほとんどが、私達3人のファン。残念ながら桜我はいないけれど、お客さんを店内に案内をしていく。
そんなに時間がかからない間に、浜やんが袋に入れてご飯を持ってきてくれた。
「浜やんありがとー。」
「ありがとうございます。」
料理分のお金を支払って、列に並んでいるファンの子達に手を振って食堂の自販機に飲み物を買いに行く。
「3人分買ったけど、桜我他食べたいのあるかな?」
「ん?ゲネ終わったから今からこっち来るって。」
「なら、ここで待ってようか。」
「そうだな。海斗達は何か食ったのかな?」
「あそこは、唯がいるから大丈夫じゃない?何かあれば連絡がくるよ。」
水分補給をしながら、話していると桜我がタオルを頭に被った状態で登場した。
「お疲れー。汗びっしょりだね。」
「お疲れ!あっちにクレープ売ってた!」
「ご飯の前に、デザート食べるの?」
「いや、先に水分補給する。」
と自販機で何本か水を購入して飲んでいた。
水分をしっかり補給した桜我は、デザートも買っていこう!とやっぱりいうので、桜我のいうクレープ屋さんに向かって、クレープ屋さんの前でクレープを3人分買い、クレープの写真とスリーショットを撮影する。
そしてそのまま控え室になっている教室に戻って、3人でご飯を食べた。




