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泣く事が予想外だったらしく、それってリアコのファン並みじゃん。
と言われてしまった。
「リアコ・・・え?私が2人の事大好きだってこと?」
「じゃなきゃ、驚いて泣いたりしなくない?」
「それなら、私二股してるやつじゃん。」
「確かに・・・。」
「そんな事はないのよ。んー、普段の距離が近いからか?」
「咲弥くんとはめっちゃ距離近いよね。梛月ちゃん。」
「それは自覚あるし、もう双子ですか?って言いたいくらい一緒にいる幼馴染。」
「伊集院咲弥とずっと一緒の幼馴染も貴重だよねー。」
「貴重なのか?それよか、愛美ちゃんは昴くん好きなんでしょう?今回の映画は?どう受け止めたの?」
「相手の女優さんめっちゃ羨ましい!と思った。」
「それは、愛美ちゃんは昴くんのリアコなの?」
「違うかなー、愛は重めだけど“熱愛”とか“結婚します”って言われてもお祝いできるって思えるから、リアコ寄りのファンかな?同担拒否とかはしないし。推しの嬉しいことは自分のことのように嬉しいし、全部に全力で応援したい。」
という話を聞いて、そういう推し方もあるんだと感心する。
「愛美ちゃん、めっちゃいいファンじゃん。」
「えぇ、ファンてそういうものじゃないの?」
「一部過激なファンは誰にでもいるから。」
そう零せば、ひどく驚かれた。
「そんなのさ、推しが悲しむだけじゃん。」
「そうなのよ。だからそのあたり分別できている愛美ちゃんはファンの鏡だねってお話。」
欲しかった本や洋服を買うことができた私たちは、待ち合わせをした駅で愛美ちゃんをしっかり見送って、私はそのまま寮へ向かって歩き出した。
途中、スマホから愛美ちゃんにお礼のメッセージを送って、歩き出した。
ただいま〜と寮の自宅に帰宅すれば、珍しく返事が無く手洗いうがいを済ませた後リビングにやってくれば、ソファで台本を抱えて熟睡している咲弥の姿があった。
俳優として人気がではじめてから、どのシーズンのドラマでも咲弥は出演をしている。
その合間で映画の撮影も行なっているので、覚えるセリフや目を通さないといけない資料は多いのも知っている。
とりあえず、タオルケットをかけてやり、静かに晩御飯の準備をはじめた。
今日はさっぱりガッツリ食べられるようなものを作ろうかなーなんて考えつつ、冷蔵庫の在庫を確認。
あるもので晩御飯を作ってしまう。
ご飯を作ってる音があっても起きないあたり、かなりお疲れモードということがわかる。
作り終わった後、起こそうかと思ったけど自然に起きるのを待とうと思って、買ってきたものを片付けつつ私自身も仕事の資料に目を通しながら起きるのを待つことにした。
寝れる時にはしっかり寝る。んでしっかりご飯を食べてお風呂に浸かってゆっくり休む。
これが、伊集院家のルールである。
でも、咲良ママ曰く長谷川家のルールでもあるらしく、そういえばお父さんもお母さんも同じような事を言っていたなという事を先日思い出した。
しばらくして、咲弥も目が覚めたのでご飯を食べながら、今日一日中何をしたのかを話した。
全然スマホを見ていなかったので、ご飯を食べて片付けた後通知を確認したら昴くんからグループの方へ連絡が入っていた。
内容は今日の舞台挨拶で、来てたよね?というものだった。
他の従兄弟達は、そんな事ない。なんていって私の舞台挨拶観覧否定ばっかりだったが、そこに“友達に誘われて行った。”と送信すれば、すぐに動き出して質問攻めになっていたが、そこは華麗にスルーして映画の感想を送った。