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カフェでご飯を食べて、ウキウキ気分で帰宅してお風呂に入って〜っていつもの夜のルーティンを終えた後、咲弥と2人リビングのソファに座り、お水を準備してドラマを一緒に見る。

今期は、咲弥と桜我、恭弥くんもドラマに出演していてそれを2人一緒に鑑賞すると言うのが、今年に入ってからの暗黙のルールと化した。

今日は久々にリアタイができるねなんて、話ながらドラマを鑑賞する。


咲弥と桜我はラブコメ系のドラマが多い。恭弥くんは刑事モノ。

やっぱり印象からかな?と考える。

私自身は、原作アニメのドラマまたは映画化の際には呼ばれたりするけど、原作を大事にしたい私としてはイメージが企画書で実際にそのキャラクターのメイクなどをして、“違う”と感じてしまうと申し訳ないが出演を断ったりしている。


桜我が出演しているドラマは、高校生の恋愛モノ。主演でないにしろ、キャラクターの位置としては主人公のライバルの役だ。

ライバルだから、キスシーンなどないだろうとこの時の私は油断をしていた。

身内のキスシーンは驚くから注意喚起をしてね。と以前行ったのだけれど、咲弥なんてその反応を見て揶揄うのが楽しいらしく、最近は言わなくなった。

揶揄われた後、私に八つ当たりをされる所まで込みでその行動をしているので厄介である。

ちなみに動画をたまーに撮っていたりして、それを従兄弟たちのグループに流したりするので非常に厄介と思う時もある。


今回は、ニヤニヤしたりチラチラこちらの反応を確認していないので、桜我からも事前情報をもらっていない、と思う。

でも最近、男2人でコソコソ話してたりする時があったから、それはそれで気になるけれど“仕事についての相談”と言われてしまえば、何も言えない。

得にお芝居の相談だと言われてしまえば適任者は、俳優である咲弥だ。

大きめのクッションを腕に抱いて、その上に顎を乗せている状態でドラマを見ていたのだけれど、桜我とヒロインの女優さんのキスシーンがアップで表示された。


「うわ!まじか。」


と、隣で咲弥が驚いているが、それ以上に映像の処理が脳内で追いつかない。

キスしてるフリではなく、真横からの画角なのでがっつりキスをしているシーンで、その後桜我がヒロインに告白をして、その場からヒロインが逃げ出すというところでドラマは、エンディングが流れる。

モヤモヤとした気持ちと、演技だと分かっていても“嫌だ”と感じた胸の痛みと身内のキスシーンという衝撃で頭が混乱する。


「梛月ー、だい・・・・・丈夫じゃないな。ほら、こっち向いて。」


と顔を咲弥の方に向けられ、ティッシュで目元を拭われる。

そこで自分が泣いている事に気がついた。


「何?恭弥くんの時も、俺の時も顔を真っ赤にして、恥ずかしくて見れない!って状態だったのに、桜我だと泣いちゃうの?」

「・・・びっくりした。」

「そりゃあ、俺もびっくりしたよ。相談されなかったし。」

「でも、学校でお芝居の相談よくされてたじゃん。」

「それでも、キスシーンについてはされてません。ほらほら、泣き止む。大っ好きな桜我のキスシーンなんて見たらそりゃ驚くし、ビックリして泣いちゃうわ。」

「・・・・・咲弥と恭弥くんの時は泣かなかった。」

「いや、泣いてたよ?どっちも。ここまでボロボロ涙は溢れてなかったけれど。」


咲弥と話しているうちに、徐々に落ちついてきて涙が止まる。


「まずは顔を洗って、目元冷やそう。明日雑誌の撮影でしょう?」

「・・・咲弥がお母さんみたい。」

「優しく俺が言っている間にサクサク動いて?」

「はーい。」


と返事胃をして、洗面台で顔を洗う。

演技以外でここまで目を赤くしたのは久しぶりだなーと思いながら、リビングに戻れば咲弥が目が腫れないようにするための準備をして待っていてくれた。

大人しく、咲弥の言われるがまま行動して気がついたら寝落ちをしたのだろう。

翌日自分のベットの上で目を覚ました。






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