イベント
高校1年生の冬、咲弥と桜我に対してのモヤモヤ事件から早いもので1年半。
私、長谷川梛月は高校最後の夏休みを謳歌・・・・・、お仕事を沢山詰め込んで過ごしていた。
今日は、“恋するヴィーナス“のイベントで、今年第3シーズンの放送が始まる。
通称“恋ヴィ”のイベントは今年が初めてて、チケットが即完売ということでとても驚いた。
私は座長として開演時間を直前に行く控えた舞台袖で今日のイベントの流れの最終確認をしていた。
今回はシークレットゲストとしてルテラが出演をする。
それを知っているのは、私だけだ。
確認終了後一度楽屋に戻り、本番の衣装に着替える。今回の衣装は主人公のシャルロッテらしい、シンプルだけど可愛らしいデザインのドレスだ。
そう、ドレス。前スカートが膝上、後ろは長いが床ギリギリつくかつかないくらいかの長さでパニエにレースを重ねて履くからスカートは広がるし、正直思い。
作中ではこの格好で、シャルロッテは戦闘ができるよねと思う。
ヘアメイクが終わって楽屋から、水を持って待機場所に移動する。
「梛月ー。」
と声を掛けてきたのは、和樹くんがでマホを片手にやってきた。
「お水は?」
「ここ。」
とジャケットの内ポケットに入れてた。
「写真撮ろうよ。」
「唐突。いいよ。私のでも撮ろー」
とスマホを出しお互いのスマホでツーショ写真を撮る。
そしてそのまま2人して待機場所に移動して、私用のマイクを持てピースをした左手を写真の撮り“いってきます”とコメントして、去年から許可が降りたSNSに投稿をした。
出演者とのツーショやリハーサルの写真は後からまとめて投稿しようと思う。
イベントのオープニングは、私が1番最後。
出演者はアニメの主要メンバー。
宰相閣下、国軍の将軍に、婚約者候補の侯爵子息と同じく婚約者候補の隣国の第3王子、シャルロッテの専属騎士に侍女。
キャラクターの紹介と共に自己紹介をするようになっている。
イベント自体はミニゲームだったり、クイズだったり私を除くメンバーでお茶会などもある。
まぁ、私はそのお茶会をしている間に衣装チェンジをするのだ。
キャラクター紹介が進むたび、みんな一度私にハグをしてから階段を登ってステージへ出ていく。
成功するイメージをして、深呼吸をする。
ドラマやアニメの収録前にするように、自分自身がその役に入り込むように言い聞かせる。大きく息を吐いて目を開け私の名前が呼ばれるのが聞こえ、階段を登っていった。
私がステージに降りてきて、最初の位置に立つとそれぞれ挨拶が始まる。
「こんにちは!アルフレッド=フォン=リード役、後藤遥真です。よろしく位お願いいたします。」
「どーも!ジョージ=クリストフ役の三神龍樹です。」
「レディ達、初めまして。カルロス=ウィル=エスタブリッシュ役神狩春陽です。」
「はじめまして。ウィリアム=ディ=シルヴァ=エスターリャ役の寺岡勝利です。」
「皇女殿下専属騎士、ヴァン=エスカー役九条和樹です。」
「シャルロッテ様付きの侍女、アナスタシア=フォン=ヴァレンタインでございます。みなさまどうぞよろしくお願いいたします。緒方紬です。」
「あら、皆さまお揃いでいかがなさいましたの?アナ、ヴァンここにいたのね。こんにちは、お久しぶりです。シャルロッテ=ウィル=ヴィッツ=フィルモア役長谷川梛月です。今日はみなさまごゆるりと楽しまれてくれ下さい。」
ゆっくりと階段を降りながら晩がエスコートをしに来てくれてメインステージの中央へとやってくる。
ここで一礼をすると、イベントが開始した。




