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放課後私は事務所で待ち合わせをしていた、声優仲間九条和樹と緒方紬と待ち合わせをしていた。
和樹くんは先輩、紬ちゃんは後輩という関係性。
2人とも年齢は私より年上なんだけれど、うちの事務所は年齢関係なしに入所順で先輩後輩という関係性になる。
そして2人は外部オーディション組なので、初めから声優部門志望でうちの事務所に入所してきているのだ。
そんな2人を呼び出して、事務所の共有スペースであったかいコーヒーを飲みながら今日あったことを話す。
話せば、2人ともニヨニヨとした笑みを浮かべていた
「え?私、何か変な事言った?」
「いいや?青春してんなーとは、思ってる。」
「梛月ちゃんもそんな年齢か〜。」
なんて言われれば、私の頭の上に、クエスチョンマークがたくさん浮かぶ。
どういう事?と言った表情をしていれば2人は顔を見合わせる。
この2人、私と咲弥が親族だとは薄々感じてはいる。出なければ寮で同室なんて基本的にありえないからである。
「え?だから、咲弥くんと桜我くんの事好きなんでしょう?」
「もちろん、2人とも好きだよ?」
「他の女子と話したりしているとイライラしたり、モヤモヤしたりするんだよな?」
「うん、する。」
「ちなみに、咲弥はドラマでキスシーンとかしているけどそれは平気なのか?」
「それは別に、お話として見てるから全然なんとも思わない。」
「自分が相手役だったらーとかも考えたりしないの?」
「咲弥の?それは、ないな。」
「でも、学校で他の女子から呼び出されたりするのは嫌なんだ。」
「うーん。嫌なのかな?2人一緒にってところが特に嫌。」
なんて素直に感想を述べれば、年長者2人からはため息をつかれた。
「それ、独占欲じゃん。」
「独占欲?」
「咲弥と桜我くんは梛月の。って無意識に思ってんじゃないの?」
「えぇ?」
「私以外と話さないで!とかは思わないの?」
「それは、あんまり。友達増えるの楽しいだろうしとは、思う。」
「でも、呼び出しは嫌なんだ。」
「それは、嫌。」
「ちなみに、梛月は同じような呼び出しあるの?」
「んーあるけど、行く前に咲弥が断りに行く?追い返す。」
「咲弥も中々・・・。」
「でも、咲夜のその行動は昔からだから別に気にしてないし、咲弥が呼び出されるのもまぁまぁ今まで見てきたけど、今みたいにイライラすることはなかったかなぁ?」
「彼氏が欲しいとかは、梛月ちゃん思わないの?」
「彼氏?今はお仕事が楽しいから、いらないかな〜?両親みたいな一途な恋愛はして見たいとは憧れるけど。」
「恋愛の基準がご両親なのね。」
結局、2人が出した答えは“独占欲”。それが、恋愛的なものなのか、いつも一緒にいる相手がいなくなる事に対しての不安から7日は分からないけれど、しばらく様子を見て感情の変化を自分なりに観察をしてみるといいと、アドバイスをされた。
現状の対応策は、2人が呼び出されたもしくは異性と話している時の私の気持ちの変化の違いを知ること。
らしい。
経過観察と言われ、私の話は終了した。
2人からはまずは目の前のテスト頑張れよーと応援された。




