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翌日、咲弥と二人で学校へ登校すると教室がざわついた。
昨日もこんな感じだったのかな?なんて思いながら自分の席に座る。
電場ジャック、広告ジャックなどデビュー組としては普通だろう。
そんな中私に声を掛けてきたのは、前の席に座る葉山 桜我。入学式の翌日から挨拶をしてくれて、色々な話をしてくれる、高校生になって初めてできた友人だ。
そんな彼は、今度グループ結成の話が持ち上がっていてほぼ確定だと言っていた。
メンバーにはもちろん兄の月都の名前と予想外に従兄弟の名前も含まれていた。
「なっちゃん、咲おはよう!先週の歌番組も昨日の電波ジャックも凄かったね!そして歌手デビューおめでとう。」
パパーン!とクラッカーを鳴らしてお祝いをしてくれた。
「桜我くん、クラッカーはやりすぎ。だけどありがとう。」
「ソロはめちゃくちゃ可愛かった。でもその後のルテラのバックで咲と一緒に踊っていたのはめちゃくちゃカッコ良かったし!ギャップに不覚にもキュンとした。あー俺も早く音楽番組に出れるようになりたい!」
と自身の希望もこぼしていた。
「ありがとう、わかりやすかったでしょう?」
「あれでなっちゃんだと気づかない方が難しくない?咲が踊れると言う事に俺は驚いた。俳優だからダンスは踊れないと思っていたから。」
「残念だな、桜我。うちの事務所ダンスと歌は必須科目なんだ。」
「そうなんんだ!じゃあ今年の学祭でさ、事務所の許可が降りたら一緒にステージ立たない?」
なんて満面なの笑みを浮かべて桜我は提案をしてくる。
「事務所の許可をとれたらもちろん一緒に踊ろう。他の事務所の人とダンスするのは、自身の弱点を見つけることができるしね。」
「それも楽しそうだな。問題はスケジュールと事務所の許可だけ。だろうけど、うちの事務所相談さえすれば学生生活中のイベント参加って結構ゆるいよな。」
「何事も相談が大事だからね。」
「やった!俺も事務所にはちゃんと相談しておく!」
「それがいい。」
会話をしていれば、周りのクラスメイトがチラチラこちらを気にしながら話を聞いている事に気がつく。
桜我たちと話していると、自分たちの色々な可能性や表現などのアイディアとかも会話をしている内に気づいたりできる。
他のクラスメイトとも仲良くなりたいと思うし、何より芸能コースは一般科の子達と一緒に授業を受けることもあるから、そっちでも友達ができればいいなと、私は密かに思っている。
1年生の入学したてのこの時期に、私と咲弥は仕事が多いデビュー組になるそうだ。
私が休んでいる間に、授業であったことを別の視点で話を聞くのも楽しいし何より桜我きっかけで周りのクラスメイトがあっとから話しかけてくれたりするから、私的には助かってるしいい友達ができたな。
と、学校に来るのが楽しみになっている理由の一つになった。




