表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/81

4

「今日も、2曲披露してもらえるんだよね?」

「はい!私がヒロインを務めてますアニメのエンディングテーマ“君と僕のエンドロール”と、同期の咲弥が主演を務めてますドラマの主題歌“スキ・キライ・スキ”の2曲を歌わせていただきます。今回のダンスはいつもと違ってアレンジがしっかり入っているので、ぜひ違いを探してみてください。」


両手を合わせてお辞儀をすると歌のスタンバイをするために一度セットからです。

シーリオの4人のスタンバイも確認する。


「天音ちゃん、予想通り。」

「本当?スタッフの方は私も。」

「スタジオセット入る前に言ってたやつOK出た?」

「もちろん。」

「ありがとう。」


お水を持ってきてくれた天音ちゃんと少し話しながら、一口水を含む。

ヘッドマイクをつけるとシーリオにサプライズの指示をだす。


「君僕の間奏私がアクロしたあと、名前呼ぶから唯と雅史フリーダンス。海斗と瑆はスキキライの間奏ね。どちらもアクロ入れてもいい。自分というものをアピールしておいで。さぁ、いこうか。」


私の激励に4人は大きく返事をする。

ステージに私を中心に立ち準備をして目を瞑る。イントロが流れ始めるとカメラに両手でハートを作り、ルテラ流のキレッキレダンスで踊りだす。

声はブレる事なくしっかり歌い切ると間奏に入る前に、スタン宙を決め、“唯!!”と呼べばロンダートからのバク宙を飛びカメラに笑顔でアピールをする、“雅史!!”と呼べばウィンドミルを決める。

いいね!と親指を立てれば2人とハイタッチをしてサビを歌い上げ一度立ち位置を変えて、2曲目を踊りだす。

2曲目はカメラに指を刺しウィンクをすると、バッキュンと撃ち抜く仕草をして歌い出す。

スキキライはわざとキーを低くして男の子寄りの声で歌う。

この曲の間奏で海斗と瑆はヒップホップとバレエの要素を入れて踊り最後は、バク宙を決める。

私自身も、ロンダートからバク転バク宙をしたあと、センターに戻ってきてスタン宙を再度決め最後の決めポーズは恭弥くんの真似をした。

ニヤリと笑うと、いつもの笑顔を浮かべ両手でピースをして収録を終えた。


歌の世界ではまだ新人だし本業は声優。

そんな人間が国民的アイドルのルテラと仲が良くて可愛がられているということがわかれば、一部ムカつく人間は出てくるだろう。

私も万人に認めてもらいたいとは思わない。

そんなことよりも、応援してくれる人達の為に仕事を頑張る方が断然面白い。

スタッフ側に一度戻ってくれば、恭弥くんが言ってた通り樹くんと聖くんがスタジオのすみっこで様子を見てくれていた。

小さく手を振って、シーリオの四人を存分に褒めたあとセットの隅っこに戻った。


この番組で、私と恭弥くんが()()()だと言うことは伝えた。

ルテラ側特に、恭弥くんは“妹”と言うだろう。

まぁそれでもそれぞれのファンにとってどう写るか、思われるかは未知数だがそんな小さなことでは負けられないし、負けたくもない。

伊集院三兄弟はタイミングを見計らって、兄弟だとは公表するらしいので自然と全員が私と幼馴染だと言うことに世間は気づくだろうな。と思っている。

そんなことを頭の隅で考えながら、他の出演者の人達ともトークをして無事に収録を終わらせた。


「お疲れ様ー。」

「お疲れ、梛月。ずいぶん張り切ってたな。」

「盛り上げ方も上手かったな。」


と豪快に樹くんと聖くんの二人からわしゃわしゃと頭を撫でられる。

ぼさっとなったのでゴムを解いて手櫛で髪の毛を整えると緩く結ぶ。


「仕事終わったの?」

「もうちょいだな。」

「恭弥と琥珀から話を聞いてたから、様子見に来ただけ。」

「それはわざわざ、ありがとうございます。シーリオの四人の事も伝えておいてね。」

「それはもち。これから一緒に仕事するのが楽しみだな」


なんて笑いながら話して、スタッフに挨拶をするとみんなで楽屋に戻る。

私が使った衣装は樹くん達に返却してもらうように頼んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ