3
「ルテラのファンのファンの犯行と考えて、ちょっとこの格好で存分にカマして来い。その格好でもアクロは余裕だろう?」
「まぁ、余裕だね。2人ともありがとう。」
「どういたしまして。反応が楽しみだね。」
「何かあれば連絡しろ。」
「了解。」
2人と話している所にプロデューサーやスタッフと話をつけてきた、天音ちゃんが戻ってきた。
「梛月ちゃん、衣装の件なんだけど・・・・。あれ?伊集院達ここのスタジオだったの?」
「そう。ルテラ4人とも。梛月から連絡貰ったから、衣装とヘアメイク俺らでプロデュースしておいた。」
「これならカッコ可愛い感じでいいでしょう?」
恭弥くんと琥珀くんに言われて、天音ちゃんは同意をする。
「もちろん、アクロ増やしても大丈夫だよ。」
「わーい。ということで、貴重品はシーリオの分も含めて天音ちゃん管理お願いしまーす。」
「もちろんよ。番組側は大慌てだけれど予定通り収録は開始するみたい。」
「そうなんだ。」
「じゃあ、僕達戻ります。天音ちゃんも梛月ちゃんもシーリオの4人も十分気をつけてね。」
「俺たち上の階にいるから、すぐ連絡するように。まぁ多分樹と聖が降りてきそうだけど。」
そう言って恭弥くんと琥珀くんは自分たちのスタジオに戻って行った。
表舞台に出る時ルテラと咲弥とは絡むことや共演することがこれからもっと増えてくる。
それに比例してアンチも増えそうだなとは想定内で、歌手として今回デビューする時にお兄ちゃん達と、事務所と話し合って対処法も連絡方法もバッチリである。
そして、私がいない時の楽屋に入れる人間なんて限られてくるし、私自身耳はとても良いのでヒソヒソ話でも綺麗に拾うことができる。
リハの時にやたらニヤニヤしながら見てくる人たちやアイドルグループもいたから、まぁ共犯者多数ってことだろう。
私に対してアンチが増えるということは、ルテラと咲弥の人気が高いということでそれはそれで自慢したくなるよねー。
そんな事を考えながらスタジオに入れば、プロデューサーなど責任にある立場の人間から謝罪をされた。
私自身歌手デビューとして日は浅いけれど所属事務所が大手。
そうじゃなくてもネット社会だからっていうのもある。
シーリオの4人は安全の為に私と一緒にスタジオに入り、パフォーマンスの勉強を天音ちゃんの側でできるように先ほど話し合いに出た時に、責任者とは話をつけてきてたらしい。
シーリオの安全を確実に確保できた時点で番組の収録が始まった。
今日の歌番組は3組くらいのアーティストが呼ばれてトークが割と多めの歌番組である。
「梛月ちゃん、今日の衣装は少しボーイッシュだね。カッコ可愛いっていうんでしょう?」
「ありがとうございます。今回は近くのスタジオで収録していたお兄ちゃん達に遊ばれました。アニメの方の世界観に合わせるんじゃなくて、たまにはドラマの方の世界観に合わせてみたら?って」
「ん?遊ばれたっていうのは?」
と司会者が質問を返したところで、モニターに楽屋で琥珀くんにヘアメイクされている写真が表示された。
その写真が出た瞬間、一瞬だけど表情が変わった子達がいた。
リハーサルの時にニヤニヤしていた子達だ。
「ルテラの小鳥遊じゃん。小鳥遊だけが来たの?」
「いいえ。恭弥くんも来てくれました。このキャップとかブレスレットとかも貸してもらって。」
「伊集院もいたんだ。やっぱり仲がいいの?」
「仲はいいです。直の先輩ですし、恭弥くんのママと私の母が幼馴染で、産まれた頃から可愛がってくれてた。って母から聞いていますし、小さい頃の写真には写っているので。」
「それは直の先輩より、リアル幼馴染じゃん。親子揃って。仲がいいはずだ。」
「そうなんですよ。私2個上にお兄ちゃんがいるんですけど、もう1人のお兄ちゃんって思ってます。」
司会者の人と私とルテラ、特に恭弥くんとの仲良しの度合いに関してアピールする。




