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「春の裾」  作者: 宇地流ゆう
第1話 ユアン・トレバート
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プロローグ

ページに飛んでくださりありがとうございます!世界観を作り込んでいるのでスロースタートですが、第一話「ユアン・トレバート」を読んでいただけたら引き込む自信があります!笑


⚠︎軽度のSM表現・性的描写あり


————「つまり、『背徳』とは、一種の知的好奇心だよ、姉さん」


 優雅に語る悪魔。優しい指先は、私を試すかのようにゆっくりと肌をなぞっていく。


「や、やめっ……」


 身を捩って抵抗しようとしても、手首はきつく縛られていて、逃げることも敵わない。


 どうしてこんな罠にかかってしまったの、と自問してももう遅い。


 彼の瞳は、獲物を捕らえた蛇のように妖しく輝き、その奥には私だけを見つめる静かな炎が燃えている。


「もう遅いよ、姉さん」


 耳元で囁かれた意地悪な低い声が、ゾクゾクと身体の奥に響く。

 彼の熱い唇が首筋に触れる。ビクリと反応する私を、まるで面白がるかのように落とされる口づけ。


 ダメなのに、と思えば思うほど抗えなくなっていく熱が、じわじわと全身を犯していく。

 

 私がこの邸に嫁いでこなければ、彼に出会わなければ、彼の本性を知らずにいれば————私はこの信じがたい感覚に陥ることもなかったのだろうか?


 恐ろしさに震える身体が、単なる恐ろしさに震えているだけではないということ。

 そして、一瞬でも、こう思ってしまったこと。


 この先を、私は知ってみたいのかもしれない。この優雅な悪魔と堕ちていく先を……



====================



18世紀、啓蒙革命間近のイギリス。


 故郷デンマークから、ロンドンの名門トレバート公爵家へ嫁いで来たジゼル。


 欺瞞と皮肉に溢れた英国社交界で、なんとか生き抜くと決めたジゼルの前に、義理の弟、ユアン・トレバートが長旅から帰還する。


 観察力に長けたジゼルでさえ、本性を見抜けない詐欺師のような男ユアンに困惑しながらも、いつしか彼の持つ妖しい魅力と優雅な手管に絡め取られていく。


優雅で耽美な世界観、陰謀絡み合う貴族社会、

スリリングな禁断のラブゲームがここに始まる...


 読んでくださりありがとうございます!


 一緒にドキドキしていただけたら嬉しいです^^ 是非1話からどうぞ...

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― 新着の感想 ―
優雅な悪魔と義弟という禁断の関係とやばい方向へ堕ちていく予感にゾクゾクしました。18世紀の貴族社会という設定もマニアックです
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