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35話

2学期編、開始です。

2学期が始まってしまった。

前世的には夏休み明けの学校といえば地獄、苦しみ、放心した生徒ばかりだったが、養成校ではそうでもない。

食堂で仲のいい友人同士、改めて夏休みに何をしていたか話している。

武勇伝だったりとか、珍しいモンスターに会えただとか、そう言った話がメインだ。


ゴウ、ナツミ、ミユキの3人と話しているが、3人とも特訓をしてスキルレベルが3に上がったものができたとか。


周りの声に耳を傾けてみれば、ちょくちょくそう言った自慢も聞こえる。半分くらいか?


「でも2学期ね。どうなるのかしら、ここから★3をソロで3匹とか言われたら、やれるか分からないかも」


「ツェルニ先生の事だしあり得ないとは言い切れないが……2学期は優しくするみたいな事言ってなかったか?」


「どうなのでしょう。先生の基準では厳しくないという事かもしれませんし……」


「ミユキ、怖いこと言わないで……」


ご飯を食べながら、わいわいと教室に向かう。入った所で大きな変化に気づく。


「机が長机になってる……?」


「ハルキ君、隣にしません……あら?」


ミユキが黒板を見る。

なになに。


『机にシールを貼っておいたので、名前が貼ってある席に座ってください ツェルニ』


肩を落とすミユキや、ゴウとナツミと分かれて自分の席を探す。


「ココノエハルキ……おっ、あった」


ちょうど長机の真ん中か。こういう席って端のが気持ち楽だよな……。

前世の授業風景を思い出しつつ、既に席にいる隣席の2人に挨拶する。


「おはよう。よろしくね」


「ええ。よろしく」


「………く……」


1人は銀の髪を腰まで伸ばした青目の少女。西洋風の軍服のようなものを着ている事から、若き王子様、それか冷たい軍人のような印象を受ける。

確か「ルージュ・メルファリオ」という名前だったか?西大陸出身である事が、名前からも見た目からも分かる。


もう1人は……こんな子いたっけ?

黒ロリとでも言うのだろうか。黒を基調としたゴシックロリータな服を着ている。傘も横に置いてあるし。

片目が前髪に隠れてよく分からないが、もう片方の目は下を向いており、萎縮しているのがわかる……。

目線を下に合わせたらこれまた人形が履いているような可愛らしい靴が。これで戦えるのか?


「あ………あの……席……」


「あ、ごめんね」


ちらと席に入る際に名前を見れば「イデ・ヒヲリ」と書かれている。

そんな名前いたような気もするが、思い出せない……でもこんな見た目の子いたら覚えてるはずだけどな。


そんな風に隣席の2人について考えていると、


「おはようございます〜」


いつものツェルニ先生がニコニコと微笑んでいた。


「皆さんの元気そうな顔が見れて〜、先生嬉しいです〜」


入学してすぐはこの話ぶりに教室も弛緩していたのだが、もう今は全員が次に何を言われるのか僅かに緊張している。

1学期はこの口調であのノルマだったからな……。


「では〜、皆さんもう興味津々という感じみたいなので、2学期の説明をしていきます〜」


にこり。

花開くような笑顔で、彼女は黒板に「ハンターについて知ろう」と書き込んだ。


「1学期は言わば足切りと言いますか〜、ついていけそうにない人を切っていったので〜、ここから3学期の終わり頃までは地道に学んでいきます〜」


確かに1学期は最低限スキルについての授業、そして殆どが近辺の狩場浅層についてだった。


「皆さんには、テーブル毎に並んだ3人組でパーティーを組んでもらいます〜。大体同じくらいの実力で組みましたので〜」


という事は、両隣の2人は少なくとも俺くらいは強いのか……!

ヒヲリさんはちらりとこちらを、ルージュさんは僅かに驚いたような表情を浮かべている。


「2週間に一度、私がパーティー毎に課題を出していきます〜、4人1組にしてないのは〜、場合によってはギルドから先生役を出すからですね〜」


なるほど。

俺の場合はサモナーで4にも出来る。3なのはそういう意図もあるのだろうか。


「それまでは地道に授業です〜、1学期と違ってパーティーで行動するので〜、私的に無茶をする時はパーティー単位でしてくださいね〜」


どういう注意だそれは。

ともかく月曜から金曜までは授業、及び半日授業。

土曜日は2週間に1度ギルド依頼。

私的に狩りに行く場合は半日授業の日か、日曜日に行くしかない……が、ツェルニ先生が「ちゃんと休まないとパーティーに迷惑がかかりますからね〜」と言っていた以上、下手に中層あたりにチャレンジしにいくのはまずいか。


「ギルドの依頼なので〜、失敗したら勿論減点ですが……1回失敗したくらいでは退学にはなりません」


「と言いたい所ですが〜、どう失敗したかでも評価が変わります〜。どちらにせよ成果も責任もパーティーごとに評価しますから〜、気を付けてくださいね〜」


そして最後に、班ごとに面談を行うと言うことで俺達3人はツェルニ先生に呼ばれる事となった。






「はい、よく来てくれましたね〜」


「はい」「はい」「……ぃ……」


3人で並んで座る。

最初に呼ばれたのは、俺達3人だった。


「まず最初に言うと〜、あなた達3人が第1班となります〜。強い順に班を決めたので〜、あなた達がこの学年のトップ3ですね、現段階では〜」


なるほど。

本当に同じくらいの実力で組んだのか。前世の学校とかなら、運動会とかも出来る人と出来ない人で班を組ませてバランスを取るものだが。


「スキルは後で互いに見て貰えばいいのですが〜、皆さんにはやや厳しめの依頼をお願いする時もあるかもしれません……本当にきついレベルのものではないので、安心してくださいね〜」


「は、はい」


同じ班になる2人を見る。

ルージュさんはやる気満々。というか鬼気迫るくらいの勢いだ。

ヒヲリさんは、なんというかずっと俯いている。少なくともツェルニ先生が厳しいと言っても何も動揺していないのは確かだ。


「2年生からは首席争いがありますが〜、1年生の内にパーティーの連携とかも覚えておくといいですよ、ということは教えてあげます〜」


俺達3人にそう言うと、先生はほんわかとした笑みを崩さないまま退出を促した。

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