1話 オバちゃん誕生
2022年8月
1人のオバちゃんが蒼き星「地球」に降り立った。
オバちゃんは「幸野 愛子」と言う人間に「なって」
地球での活動を開始した。
1話 オバちゃん誕生
少子高齢化が進むこの社会では、子どもに料理を提供する「子ども食堂」というものがある。
とある小さな町で、まるで以前からあったかのようにその店は佇んでいた。
ガラララ…
シャッターを開ける音が町を微かに通り抜けた。
「声は…このくらいか。性格はどうしようか…」
シャッターを開けながら、女はぼそぼそと独り言を話していた。そこに登校中の園児が通りかかる。園の先生も一緒だ。
「オバちゃん!おはよう」
園児は元気よく挨拶した。
オバちゃんも笑顔で
「おはよう!」
と挨拶をした。
「幸野さん、今日はよろしくお願いしますね♪」
「あぁ!子ども達に自慢の料理を提供するよ!」
「楽しみにしています♪」
先生ともそつなく会話をこなす。
今日は幼稚園の子ども達にご飯を作る日にしている。
「あんな所に食堂なんてありましたっけ…」
他の先生がオバちゃんを見てそう言った。
オバちゃんはニコッと笑う。
「あら、私ったら何を言ってるのかしら。きっと昨日のお酒が原因ね…」
「もう!東先生。この前もお酒で問題起こしたんだから気をつけてくださいよ?」
「ごめんごめん!それじゃお邪魔しました!」
園児と先生は食堂を後にした。
オバちゃんは手を振ってそれを見送る。
「記憶操作に不備があったか。本国に報告せねばな」
オバちゃんは手を耳に当て、通信を開始。
ままなくして通信を終えた。
「これでこのような事も無くなるだろう」
「このようなことって、先生の記憶を変えたこと?」
「なっ!?」
先ほどの園児の1人だろう。
赤い瞳の女の子がこちらを見上げていた。
「分かった!オバちゃん「宇宙人」なんだ!」
「記憶操作」
私は直ぐに児童の記憶を改変した。
児童は何が起こったのか分からない様だが、幼稚園に向かって走り去った。
食堂のオバちゃんこと、「幸野 愛子」正体宇宙人。
彼女の長い長い「地球調査」が始まった。