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箱庭  作者: 黒十二色
箱庭
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第0話 別れの言葉

 ――もう繰り返さなくていい。

 ――もう見守らなくていい。

 そう悟ったとき、すぐに気分が晴れ晴れした。なんとも清々しいと思った。

 けれども、すぐに悲しくなった。

 私の愛した世界との別れを意味するからだ。

 小さな舟が、小さな舟に拾われた。

 私は新しい世界が繋がれた光景を見届けて、全てを終わらせ眠りにつく。

 願わくは、私に願った風の神のように、私ではない誰かになり、どこかの世界を歩く人間になりたい。


 私は見届けた者。

 彷徨い、導き、見守り、叶え、裁き、創造した者。

 長い役目を終えた者。

 この箱庭に、別れを告げる者。


 気になるのなら、どうぞ見て行って。

 私にとっては大事でも、あなたにとってはそうでもないかもしれないけれど。


 ……それじゃあ、どこから話を始めようかしら。


 私にとっては、もはや、どこからだって、良いのだけれど。



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