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32:旧友を求めて



「よぉハウリン、ここにいたのか」


『やぁエレンか。ひさしぶりだねぇ』


 俺が次に向かったのは、城内にある図書館だ。

 なんで魔王城に図書館なんて……って感じだが、なんとそれには魔人ゴブリーフが関与しているらしい。

 初代魔王のレイア曰く、『ある日、ゴブリーフはこう言ったんですよ。“いつか我らが人間に代わって星を支配するようになった時、彼らよりも知識で劣っていていいのでしょうか”って。それで人間の街の図書館を襲撃して丸ごと本を奪ってきました!』とのこと。


 ……今ではほわほわメイドの彼女だが、魔王時代はかなりファンキーだったらしい。怒らせないように気を付けたほうがいいかもな。


 まぁともかく、そのような経緯でこの図書館は生まれることになったわけだ。


「聞いたぞハウリン。ここ数日はずっと図書館に引きこもってるんだってな」


『あぁ、ここはまさに知識の宝庫だからね! 読んでも読んでも読み足りないよぉ~!

ぉ~!』


 幸せそうに笑いながら本をめくっていく『ブラックハウンド』のハウリン。まるで御馳走を前にしているかのように表情が緩み切っている。

 昔から彼女は知識欲が旺盛だったからな。本の山に好きなだけ埋もれることのできるこの場所は、ハウリンにとって天国なのだろう。


『ただやっぱり、手が肉球だとページがめくりづらくてねぇ。私も進化できるようになったら、シルバーウルフの彼女みたいにヒト型になろうかな?』


「ははっ、そんな理由で魔人になろうだなんてハウリンらしいな。

 あぁそうだ。シルバーウルフといえば、前にハウリンから教わった狼系モンスターの治療薬の知識が役に立ったよ」


『おぉそうかい。そりゃ教えた甲斐があったねぇ』


 そう、なにげにハウリンは銀狼たちにとって救世主だったりするんだよなぁ。

 彼女から薬の作り方を聞いていなければ、感染症に苦しんでいたシルたちを救うことはできなかっただろう。


「本当にありがとうな、ハウリン」


『フフ、どういたしまして。

 ――ならばお礼として、ご飯を口に運んでくれるかい? あと身体も拭いてくれたまえ。そうしてキミが私の身体のお世話をしてくれている間に私は本を読んでいれば、効率よく知識を増やせるという寸法さ』


「ってお前なぁ……」


 ……知的でクールな彼女だが、こういう(たい)()というかネジが外れているというか、そんな一面があるのが玉に(きず)だ。

 元来『ブラックハウンド』というのは闘争本能に溢れた猟犬モンスターのはずなんだが、ハウリンは生まれた時からこんな感じらしい。

 そのため売り手が『半額セール』の値札を彼女にかけたところで、ギルドマスターのケイズが買い取ったというわけだ。


 ……思い返せばケチっぽいよなぁ~アイツ。それなりにデカいテイマーギルドのボスであることに加え、魔法使いってことで国から俸給をもらえてるはずなのに。

 ま、そのケチ臭さのおかげでみんなと出会えたんだけどさ。


『はっはっは。ギルドにいたころは非効率な重労働を強いられていたが、ここに来てからは毎日ハッピーだよ。

 ――ありがとうエレン、全てはキミに出会えたおかげさ。愛してるよ』


「……ステキなセリフをありがとうハウリン。でも、そういうことを言うんなら本から目を離して言ってくれよな?」


 相変わらずな彼女の頭をクシャクシャと撫でる。

 シルバーウルフたちとはまた違った、くせっ毛気味の感触が心地いい。


「そーれわしゃわしゃわしゃわしゃ~~~っ!」


『こら~やめたまえ~っ!』


「はははっ、引きこもり娘にはワシャワシャの刑だ!」


 今ではモフモフ=シルたちシルバーウルフ軍団になってしまったが、やっぱり俺にとっての元祖モフモフはコイツだよ。


「本当に、みんなと出会えてよかったよかった……」


 こうして俺は、久々にギルド時代の仲間との旧交を温めたのだった。





『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『こんな展開が見たい!!!』『これなんやねん!』『こんなキャラ出せ!』

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