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GAME  作者: 普久原 なみ
16/24

第14章 再会

「健ッ!大丈夫か!」






「大丈夫だ・・・ちょっと腕をかすめただけだって。お前は大袈裟過ぎんだよ!」






「悪ぃ、でも・・・」





誠は、健を撃った奴を睨んだ。






「お前!なんで健を撃ったんだ!」






「わ、私・・・・ごめんなさい!」






そこにいる女は、かなり動揺していた「






「謝って済むかよ!たまたま腕、かすったぐらいで済んだけど、一歩間違えたら取り返しのつかない事になってたんだぞ!」






「私・・・急に声がして、ドアが開いた瞬間びっくりして、いつの間にか引き金を引いてて・・・・本当にごめんなさい!!」






「それでもなぁ!・・・」





「もういいって!」





「健・・・」






「でも、あんまり弾の無駄使いは極力避けた方がいい。少なくとも俺達は、敵じゃない」






健は優しい態度で接する。






「君、名前は?というより俺達より歳上だよな?」






「私、野上 晴奈。歳は、18よ」


「俺は、城戸(きど) 健治(けんじ)。で、こっちが・・・」






鬼村(おにむら) (まこと)






「2人共歳は17だ。それにしても誠、もういいだろ?彼女も故意にした事じゃねぇんだ。こんな小屋に1人でいて、急に外から身に覚えのない声がしたら、お前だって焦るだろ!?」






「そうだよな。ごめん!俺、健が撃たれて気が動転して・・・」






「いや、謝んないでよ。悪い事したの、私なんだから・・・」






「別に俺は気にしてないぜ。だから、もう気にしないでくれ!」







「うん」







「それにしても、どうしてこんな所に?」








晴奈は翔太の事、仁の事、京介の事、朝から今までの事を話した。





「・・・やっぱみんな同じか・・・」


健治は、一言つぶやく。






「なんか参考になった?」






「いや、謎が増えただけってゆうか、わかったのは その風戸 仁ってゆう奴は、このゲームの事、何か知ってるって事だ・・・」






「じゃあそいつに聞けば、この島から出る方法も!?」



健「いや、そこまでは分かっていないと思う。分かっていたら、このゲームに参加せずに、脱出のことを考えているだろうぜ。まぁ、性格もあるんだろうけどな」






「おそらくこのゲームは、何種類かの(キャラ)にわかれているんだ」






(キャラ)?」






「ああ、・・・まずは、野上さんのメモに書いてある【鍵人(キーマン】そして、翔太君や、門垣さんみたいな、武器を持っている役・・・仁みたいに他のプレイヤーを襲う役か、このゲームの内容を知る役・・・そして分らないのが、野上さんと、昼間にいたその変態野郎、そんで俺達・・・まだ、このゲームで何をするか分らないプレイヤーだ・・・」





「じゃあ、早く仁って奴に聞きに行こうぜ!このゲームのこと・・・」






「それは、無理だろうぜ」





「なんでだよ!」






「お前、野上さんの話しちゃんと聞いてなかったのか?話しじゃ、門垣さんが血相変えて飛び出して行ったんだ。おそらく仁を殺しに・・・」






「殺しに!?なんでそこまでわかるんだ?」






「知らねぇのか?その仁って奴、5年前に捕まった、大量殺人鬼だぜ。おそらく、なんらかの恨みがある思う。

だってそうだろ?名前を聞いた途端に飛び出して行ったんだったら、野上さんを助けた時、そいつが仁だって事を知らなかった事になる。わざわざ とどめをさしに行くなんて、復讐ぐらいしかないんじゃないか?」






「そうか・・・」






「私、止めた方が良かったかな?・・・」






「その人の復讐を他人はそう簡単に止められるもんじゃない」






健治は、少し表情を曇らせた。





「でも、どうする?これから?」






「お前は寝るんじゃなかったのかよ(笑)」






「バ、バカ、眠気なんかもうとっくに吹っ飛んだっつうの!」






「ハハハッ。まぁでも、門垣さんが来るまでここにいてもいいんじゃねぇか?俺達だけ出て怪我してる野上さんを1人にするなんて出来ねぇし」






「ごめんなさい・・・」






「だから気にしなくていいって」






「うん、あと、野上さんじゃなくて、晴奈って呼んでよ、歳、1つしか変わんないだしさぁ。それに、健君達の方が大人っぽいし(笑)」






「OK!じゃあ、よろしく!晴奈!」





「よろしく」


健治、誠、晴奈の3人は京介が戻るまで、小屋の中で待つことにした。








そして、数十分たった、時だった。








「・・・晴姉~!・・・晴姉~!」







小屋のすぐ近くで、晴奈にとっては、聞き覚えのある声が聞こえた。







「翔太?!」






「えっ?」






「・・・痛ッ・・・」





晴奈は立ち上がろうとしたが、また足に激痛が走った。






「俺が、呼んでくる!今の俺達には翔太君の武器を持つ役が助かる。それに翔太君、結構近くにいるみたいだしな・・・誠!お前は晴奈と一緒にここにいろ!」






「わかった」






「ごめん・・・本当だったら私が行くのに・・・」






「まぁ早くその足を、治すんだな(笑)」






「うん・・・」






「じゃあ誠、頼んだぞ。そんなに遠くないから、すぐ戻ってくる」






「おう!」






“ガラガラガラガラッ”






健治は、翔太を呼びに小屋を離れた。



「翔太くーん!」






俺は、晴奈に言われて翔太君を探しに森の中を歩いていた。






「翔太くーん!・・・!?」






すると、遠くの方で翔太君らしき人影ともう1人誰かがいるのが見えた。






“ザクッザクッザクッザクッ”






俺はその2人に近づく







そこには、翔太君らしき子供と、腰に刀をつけている男がいた。






「君、翔太君だよね?」






「そうだけど。お兄ちゃん誰?なんで僕のこと知ってるの?」







「あぁ、ごめんっごめん。俺は、城戸 健治。晴奈に頼まれて、君を迎えにきたんだ」






「そうだったんだ。ってことは晴姉は無事だったんだ!」






翔太の顔は、晴奈が生きていたとわかると、安堵の表情を浮かべた。だがすぐに、その場から晴奈を置いて逃げた事による罪悪感からその表情は、自責の念で曇っていった。


「どうした?翔太君?」






「ううん、なんでもない・・・」





「ところで、そっちの人は?」







健治は、翔太の横にいた人物を見た。







初めは、どこか見覚えのある顔で、誰なのか引っ掛かっていたが、腰につけている黒い刀を見た瞬間、その疑問は吹き飛んだ。






そう・・・その男は、俺と誠が森の中で、遭遇した男だった。






「え、え~と、私は、金森(かなもり) 和也(かずや)です。え、え~よろしく」






「・・・よろしく」






その人の容姿は、やせ型で眼鏡をかけていて、どこか挙動不審だった。







それもそのはず、俺の推理じゃ、こいつは人を殺しているのだから・・・







「さっき知り合ったんだ。ほら、仲間は多い方が心強いし。それにこの人、悪い人じゃないし」






「そうか・・・じゃあ、早いとこ、晴奈のところに戻ろう」






「うん!」


“ザザッザザッザザッ”






俺達は、あのボロ小屋に向っていた。







「あ、あの・・・城戸さんはどうしてこのゲームに?」







「(ゲーム?この男、やっぱり何か知っているのか?よし、少しかまをかけてみるか・・・)・・・いや、俺も俺の仲間も、目が覚めたら、既にこの島に・・・ほとんど強制的ですよ」






「そうですかぁ」






「(やっぱりだ・・・こいつ何か知ってる!)」






「えっ?・・・ここって島なの?」






「ッ!?」



翔太と和也は驚いた。



「あぁ、森の中でこの地図を拾ったんだ」







“ファサッ・・・”






健治は、地図を広げて見せた。






“サッ・・・”






「ここが、俺の目覚めた場所・・・」







健治は、自分達が目覚めた高台を指さした。






「へぇ~、じゃあ僕は多分・・・この建物かな。」







翔太も、同じように指をさした。


「ねぇ、和兄は、どこで起きたの?」







「ぼ、僕?・・・ん~、森の中だったし、どこで目が覚めたのかは、分らないなぁ。それに、翔太君と会うまでは、その場から動かなかったからねぇ。周りがどんなところなんて、わからないよ」






「(ッ?!・##なぜだ?なぜこいつ・・・)本当にその場から移動しなかったんですか?」






「は、はぃ・・・」






“スッ・・・”






「ねぇ?健兄、晴姉がいる小屋ってあれ?」






「え?・・・あぁ、そうだよ。あそこに晴奈と俺の仲間がいるんだ」






小屋を目の前にして、翔太の足が早まる。






“ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・・”







そして小屋の前で立ち止まる。






そっと、扉に手をかけ、扉を開ける。






“ガラガラガラガラッ”


「翔太!!」






「晴姉!」






間髪入れず、晴奈が叫んだ。





「アンタどこまで逃てたのよ!心配したじゃない!」






翔太の顔が、悲しい表情になった。






「ごめんなさい。助けを呼びに、行ってたんだ」





翔太の顔を見た晴奈からは、いつの間にかその怒りは消えていた。





「・・・・・」






「本当にごめんなさい!」






「ふぅー、まぁいいわ。でも、本当に無事で良かったわね」






「晴姉・・・」






晴奈は、健治の方を向いた






「健、ありがと。私の代わりに翔太を迎えに行ってくれて」






「いやぁ、別に俺は感謝されるような事は何もやってねぇけどな(笑)」







「そんな事ないわよ。あれっ?そっちの人は?」






「あぁ、和兄は森の中で知り合ったんだ」






「こ、こいつって・・・」




誠が気付いた。




「シィッ!(俺達が森でこいつを見た時の事は、黙ってろ)」






健治は誠にしか聞こえない声で話す。






「(なんでだよ!こいつ、人を殺してるかもしんねぇだぞ)」





「(いいから!今は、知らないふりだ!)」






「(わかった。その代わり、後でちゃんと教えろよ)」





「(あぁ、わかってるって!)」




「あ、あの、どうかしましたか?」





そんな小さな会話の中、和也が鋭くつっこんできた







「えっ?!いや、あの・・・その・・・・(汗)」






「あぁ、誠もやっぱそう思うか?

ほらっ、俺達の友達の・・・」






「・・・友達・・・そうそう友達!」



そう言って二人で会話を合わす、



「友達ですか?」






「えぇ、俺達の学校に、金森さんに似てる人がいるんですよ(汗)だから、なんか懐かしいなぁ~なんて・・・」






「そうなんですかぁ」






「(ククッ・・・)」






健治は、誠をうまくフォローしたのと、それに見事に乗った誠に対して下を向いて薄く微笑を浮かべてた。







「え~と自己紹介が遅れましたね、俺、鬼村 誠っていいます」







「私、野上 晴奈っていいます」







「え、あ、あの・・・金森 和也です・・・、よ、よろしく・・・」








こうして、また1人このゲームのプレイヤーが集った。





“ドゴォォオオオン!!”






突然、小屋の外から とてつもない爆発音がした。





「ッ!!?」



5人は驚いた。


「何?今の音」






「爆発・・・だよな?」






「近いぞ」






“ガラガラッ”






健治は、外に出て周りを確認するが






辺りは既に、夜が来ていた。





「くそっ・・・!周りが暗くて、どうなってるのか わかんねぇ」






そこはただ、夜になって周りが暗くなっただけじゃなく、森の中だった為でもあった。





「なんだったんですかね?今の音・・・」






「さぁ・・・」






「ねぇ、確かめに行こうよ」





「いや、今日はもうやめておいた方がいいだろう」






「そうよね、京も帰って来る事だし、明日の朝の方がいいんじゃない?」






「わかった」






「(だけど本当になんだったんだろう。やっぱ、このゲームに関係あんのか?一体何なんだ?俺達が参加させられてるゲームって・・))」







健治は考えていた。このゲームの事を・・・



同刻・・・~森の中~






「しかし、なんやったんや?さっきのものごっつい音は・・・しかも、晴奈ちゃんがおる小屋の方から聞こえて来たな

こら、はよ戻ったらんと、あの子1人やからきっと寂しがっとるやろなぁ」







俺は、仁の血の跡を追っとったんやけど、途中で見失ってしもた・・・どないしよ・・・もう暗なって来て、探す事も出来んようなってもた。

ほんま、どないしよ・・・」






手掛かりを無くした京は、八方塞がりだった。






だが、もう諦めて、晴奈のところに戻ろうとした京に、またチャンスが訪れた。






「ん?なんやあれ?」






京のいる場所から、300mぐらい先に、かすかに光が見えた。






京は、その光の方へ向った。





片手の銃を握り締めて。



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