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河崎爆発ッ!その3

期末テストが終わった後の解放感ってなんでこんなにすがすがしいんだろうね?でも、数学のテスト受けてないから補習確実なんだけどね…。

「そういえば楓って俺と同じ青山学園の中等部だよな?今中等部もテスト期間だろ?」

ウチで一緒に暮らしている楓は暇そうに部屋でゴロゴロしていた。

「私は転入してきたばかりだ。期末テストは免除されてる」

…。

会話が続かねえ。

「そういえば、今朝横濱連合から連絡があった。やはりあの攻撃は私の姉だそうだ。河崎でさっそく攻撃の威力を確かめたそうだ」

不意をついた発言だった。いつ楓は横濱連合と接触を!?

「なんだ?楓、お前横濱連合から逃げて来たんじゃ」

「言っただろ?私達は兵器として育てられた、いや、作り上げられたと。しかし、だ。横濱連合の中にも私の味方がいてな、そいつが今朝私に連絡をよこしたのだ」

「スパイって訳か」

「まあ、そういうことだ。気を付けた方が良いぞ?横濱連合は過激集団だ。今は私のような兵器を何体も作り上げたのだから」

「まさか、お前と姉以外にもいるのか?」

「当然だ!横濱連合は本気だからな。日本征服のために私と姉以外にも兵器がいるはずだ」

「はずだって…姉以外にお前は何も知らないのか?」

「別々に育てられたからな。他にも数人、いや数十人、、百人くらいいるのかもしれない」

なんちゅうことだ。あの河崎の破壊ですら凄まじいのに、そんな奴が100人もいるのかよ。

「本当なんだな?じゃあ、もし全国各地で同時多発に攻撃されたら一瞬で終わりじゃねえか」

「それは無い。私が逃げ出した以上、横濱連合は手出し出来ないハズだ。なんたって私は最強の兵器なのだから!」

「え、今なんと?」

「私は世界最強の兵器なのだ!」

本当かよ。

「マジで?もしかして、その兵器100人を相手にしても?」

「もちろん秒殺だ」

「じゃあ、試しに俺と勝負してみるか?」

「ふふふ、望むところだ!」


ってな訳で、俺達は名護屋から離れた太平洋に浮かぶ無人島にやってきた。修誠の力で。

「酷いっすよ会長!河崎の調査に当たれだの、今度は無人島まで飛ばせなんて!」

「悪い悪い!いやあ、修誠の飛行能力には助かるわ!」

「ところで、隣の少女は誰っすか?」

「気にすんな!」

「遥の彼女です!キャハッ!」

つくづく楓のキャラ作りには感心するわ。でもちょっとこっちの方が可愛いかも。

「(おい、今私のこと変な風に思っただろ)」

「いや、別に?楓可愛いなって思っただけさ」

「(…殺すぞ)」

「ははは、そうこなくっちゃ!」


「んじゃ、修誠君、俺と彼女は今からバトルするんで、遠くに離れてて。それと、船とか巻き込んじゃうといけないから見張りもよろしく!」

「え?会長、バトルって…だって会長の強さは…」

「さあ!いくぞ!」

「望むところだ!」

修誠があたふたしてるのを横目に俺はぴょんと1000メートル飛び跳ねた。

「別に修誠の飛行能力使わなくても俺の力でこの無人島まで行けたかも…」

「ふん!独り言いう余裕なんてあるのかなッ!?」

楓が地面をけり上げて俺を追いかけてきた。

「おいおい、嘘だろ?ここ1000メートルくらいの高さだぜ?しかも空中に浮遊出来るなんて!今まで見たことねえわ!」

「貴様だって浮いているではないか!」

「ハハハ!面白い。マジで修誠要らなかったかも。あ、そうだ。お前闇タイプだったよな。修誠に見られると色々誤解とかされそうだから、どうだ?俺の用意するフィールドで戦わないか?」

「別に構わん!」

そうこなくっちゃ。俺は両手を広げ、手のひらからシールドを展開した。

「よし、この世界で良いかな?」

「ここはどこだ?」

「俺が作り出した世界だ。あたり一面の草原、バトルにふさわしいだろ?」

「これほどのフィールドを作り出すとは、お前の魔力は大丈夫なのか?」

「悪いけど俺、世界最強の異能力者なんでね!」

最初からこのフィールドに転送して戦えば良かったな。わざわざ修誠を呼ばなくても良かったな…。


「ではいくぞッ!」

さっそく楓の左手から閃光が放たれた。瞬時に上へ数百メートルジャンプした俺は右手に光の剣を具現化した。痛いんだよね、これ。右手熱くなるし。

「へえ、すごいじゃん。俺の作り出した草原の境界線まで届くとはな。数十キロくらいあるんだぜ?もっと広いフィールド作った方が良かったかな??」

「この広さで良い!フィールドが広くなる分、お前の魔力も擦り減るだろ?フェアでは無いだろ!?」

「遠慮しなくったっていいんだぜッ?」

右手に顕れた光の剣を大きく振りかざした。楓に向かって容赦ない光の裁きが降り注ぐ。楓は避けることもせず、光の裁きを直撃した。

「おいおい?大丈夫か…?ちとやりすぎちゃったかな」

心配して高度を下げて近寄った瞬間、背後から大きな衝撃が走る。と同時に俺は地面に叩きつけられた。

「勝負ありか?最強さんよ?これでは私の姉よりも弱いな!」

「ははは!そうだよな!そうこなくっちゃ!」

体制を整え今度は楓のいる空へ向かって光の剣を振りかざした。

「何度やっても無駄だぞ?」


「それはどうかな?」

光の剣を空へ投げ、左手で光線を地面の放出した。光線は地面に反射して八方へ広がり、身体がその弾みで空中へ投げ出された。

「こういう使い方もあるんだぜ?光線ってなッ!」

空中へ再び舞い戻った俺は光の剣をつかみ取ると同時に、今度は上へ向かって振りかざした。

「ふん!なんど同じ手を使っても無駄だ!!ッなっ!?」

楓の身体を光線が貫き、そして倒れた。

「勝負ありのようだな?」

「なぜ…だッ!?」

「地面で反射した光線は方々へ飛び散った。そして俺は上に剣を振りかざし、上空にも波動を起こした。結果、地面に放った光線は数十キロ先の境界で跳ね返りこちらへ向かい、上空の波動も境界でこっちへ跳ね返る。つまり俺のいるところ以外は光の攻撃の対象内になるんだ。で、俺の方向へ向かってきた光は俺のいる数センチ手前の距離で消滅する。光線の力を調整したからね。簡単なことさ!」

「この私が負けるなんて!」

「実践不足だ。経験の差さ」

草原に降り、両手を広げフィールドを解除した。と同時に楓が真っ逆さまに落ちていく。

「おいおい、アイツ魔力使い果たしたのかよ…」

俺は楓を抱っこして無人島に着地した。

気付いた修誠が駆け寄ってきた。

「会長!どこでバトルしてたんすか!?いきなり2人とも消えちゃってビックリしましたよ!!」

どうやら修誠には俺達がジャンプして上へ行った姿すら見えなかったらしい。まあ、そりゃ当然か。1秒たらずで上空1000メートルにジャンプしたら、そりゃあどっかへ消えたってなるか。

「悪い悪い!で、どうだった?何もなかった?」

「向こう300メートルくらいの海の上に人影みたいのが見えたんですけど、見間違いっすかね…。飛んで行ってみたんすけど、行った時には誰もいなくて。でも海の上に人なんて、異能力者でないかぎり無理っすもんね!」

「ああ、そうだな。ハハハ!修誠によくある、ドジだな!」

「酷いっすよ会長!」

そうして、俺は楓を抱いたまま跳びはね、家に帰った。修誠が後を追いかけながら。


…「さすが遥!ひとっとびでこんな太平洋のど真ん中に飛んでいけるなんて、すごすぎやろ!」

「大丈夫なのか?アイツ、かなり強い、、いや、強すぎるぞ?」

「さあねぇ?でも、遥があんなに楽しそうな表情したんは初めてや!アイツ、学校では大人しいからなぁ」


「ところで裕也くん、データは取れたかね?」

「いいや、まったくや。異世界で戦ってもうたら、観測なんて出来ませんがな」

「そうか、いやしかし大変なことになったな。最強の異能力者と最強の兵器がペアになった。これでは横濱連合は、、。」

「横濱連合なんて、最初から勝ち目なんてあらへんよ。遥君、強すぎるもん。見たやろ?あの最強兵器がぼっこぼこやで(笑)」

「協会としては、どうしたらいいんだ…」

「んなん僕らの知ったことでは無いでしょ(笑)。でもま、最強兵器がいなくなった以上横濱は何も身動き取れへんやろうし、僕ら『協会』側としても、このまま中立でいいやろ?」

「ま、それもそうだな。では私は戻ろうとしよう。このまま太平洋のど真ん中にいてもなんなんでな」

「そうでっかー、ほな、僕は遥君達がいた無人島調べてから戻りますわ」




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