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進軍



勇者百恵が人の顔がある椅子に座り神輿(みこし)のように魔物に(かつ)がれ進軍する。



人種族の女に産ませた魔物は数を増やし続ける


一匹ずつがリミッターが外れた強さ



それが万の数で進軍する。








★☆★☆


この星には二つの大国がある。

一つは宗教的国

もう一つは軍事国


宗教国チバーカは神聖魔法を扱う者が建国し

軍事国アメカは戦士が建国した国だ。


住み分けがしっかりしているのでお互いを水面下では経済的な対立等があるが関係は良好だった。




軍事国アメカでは混乱と悲しみに陥っていた。

全ての女性と子供がいきなり現れた魔法陣と共に行方不明になったのだ。


国王は家臣に吼える

「王妃と娘はどこに行ったのだ! 」

目の前で消えた妻と娘を思い憤怒を隠せない。


この国に王妃には魔法で併存(へいそん)させている(きん)がある。

仏具の鐘に似ているといえば分かりやすいだろうか?


その魔法の鏧は王妃の不貞がないように後宮に()えられ子を(はら)む行為をする度に低い音が響く。




コォーン

コォーン……

それが絶え間無く鳴り響き続けている。


今も何かに抱かれている……

そう考えるだけで国王は気が狂いそうな程の怒りが満ちる


拳を握りしめて怒りを(こら)える国王に近衛騎士長から声がかかる。

「国王様…… 宗教国チバーカの人々が…… 」

「うむ…… そうか 」



この度の異変は異常だ


人類の危機だろう事は明白である


ここで団結しなければ……




そういう国家間でやりとりを魔法で行い宗教国チバーカの人民全てが軍事国アメカに集結した。


魔力が溢れた日(ゼロディ)から(もたら)された力は人々の移動を楽にし、女性と子供が居なくなった国家同士の人口数は一つの国で合わさても問題が無かった



「…… ようこそ」

「ああ…… 久しぶりだな 」


アメカの国王とチバーカの教皇は若い頃に一緒に旅をした事もある旧友だ。

トップが分かり合う仲だった事も幸いした。



「嫁さんは? 」

教皇の問いに国王は首を横に振る。

その疲れた顔と目の(くま)が国王の辛さを語っている。

教皇は「そうか 」 というと他に何も言わずに目を伏せた。






城の外ではチバーカの人間が神聖魔法で結界を張り巡らせていく。

まるで透明な鉄のような結界が城と街を覆いつくすと神聖な輝きが結界(それ)の外をコーティングした。


あまりにも強固で美しい結界は人々に安堵(あんど)を与え、アメカの国民は人の最終局面だと判断し物資や回復用の薬を国に譲渡した。





その2日後の夜……

後宮の王妃の(きん)が鳴り止んで数時間後に地面が揺れる。



伝令があった通りに魔物がアメカの近くにまで進軍をしてきたのだ。




見張り塔の兵士が水魔法でレンズを作り身体強化魔法を目にして数キロ離れた魔物の大群を見て状況確認していると不意に動きが止まる



「どうした!? 」

「勇者だ…… 」

「え? 」

「勇者…… モモエが…… 」

もう1人の見張り番がそちらにレンズを向けると裸に剥かれ所々を食われた勇者が椅子に座り魔物に担がれている姿を確認したのだった。



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