団子
「泥団子みたい…… 」
そこに横になる子供はそう思った。
ここは魔力が溢れた日前に勇者に討伐されるまで魔王が使用していた城の地下……
薄暗い漆喰で壁や地面を固めた大広間に氷属性の魔物が魔法を付与した『冷蔵庫』
――― 転送
声に表せないような不気味な発音でリッチが魔法を発動すると人族の女と子供が転送されてくる。
今までは神の加護とバランスが働いていたので魔物が使える転送の魔法は制限があった。
触りながら……
範囲に居ること……
魔道具を使用して限定的に行う……
それでしか転送は出来ず成功率確は20%しかなかった。
「キヤーーッ! 」
「なんだ! なんなのだ!! 」
「おかぁさーん! 」
いきなり魔物の巣に転送された女性と子供が騒ぎ、女騎士は魔物に飛びかかる。
「ぐっ……――― 」
しかし飛びかかったところでどうしようもない
《おいたをするこはー 》
と強大な力を得た巨人の親指で足を潰されててしまう。
もう、転送の枷はない。
人が住む方角へ手を向け[人族の女と子供をここへ]とリッチが魔法を唱えると簡単に集められてしまうのだ。
女はプチプチと手足を巨人が指で捻り潰し他の場所に運び出される。
子供はトロルが丹念に包丁で団子にして部屋の端に丁寧に積み上げていく……
ここは魔物の冷蔵庫であり調理室なのだ。
血で固まり異臭を放つ団子は薄暗いこの部屋では泥団子に見えるだろう。
横たわる子供の眼の端に包丁が迫る
「こんど…… おかあしゃんと泥団子を作って遊ぼ…… 」
もう…… どうしようもなかった。
転送で集められた女は外に急拵えした厩舎に集められた。
なにせ方々から集めたのだ。
その人数は多く数えるのが嫌な程だ。
その女性達の階級は色々で一般人の女性だけではなく今回の転送には近隣の王国の姫と王妃、それを守る女性の騎士もいた。
人間の世は終わる……
もう人質の価値は無い。
交渉する必要がないのだ。
「お母様! 怖いです! 」
「これ魔物め! 私と娘に何かしたらどうなるか…… な…… な…… 」
ゴブリンとオーガが数百匹モソモソと裸になる
そこで女性達は理解をした
いや、違うと思いたい事がそうだったのだ。
四肢を潰されて動けない女性たちは絶叫する。
ビリビリと建物を振動させる声は魔物にとって喜びだったようでニヤニヤと笑顔を浮かべる。
サディスティックな性質をもつゴブリンは国賓をまず取り囲む
女騎士は王妃様を守ろうと蓑虫のように体を捩り四肢を潰された痛みに耐えながら這って向かう。
「王妃様! …… クソっファイアー! 」
女性達は転送と同時に魔力除去の魔法を付与されているので魔法が使えない。
「あ…… あ…… 」
目の前で叫び嫌々とする王妃と姫にゴブリンのものがゆっくりと差し込まれていく……
歯を噛み締め己の不甲斐なさを悔いていると自分にもオーガが……
「う…… や…… やめてよぉ…… そんな大きなもの入るわけない…… 」
自分の股を強引に開けオーガのそそり立つモノが近づくと女性騎士は観念して自らの舌を噛み切った。
口の中に猛烈に広がる血の味を感じながら王妃を見ると目が合う。
王妃は女性騎士が自決をすると分かると自分もと舌を出し歯で噛もうとするが……
「できない…… 」
生を謳歌していた人生だった為か噛み切る勇気が出なかった
舌を出した王妃にゴブリンが舌を絡める
臭いのか吐瀉物が王妃の胃から溢れるが構わずゴブリンは犯していく……
姫はもう心を壊したのか薄ら笑いさえしている。
「ああ…… 人の世が本当に終わるのだな…… 」
女性騎士は深い水に沈むような感覚のなか心でそう呟き命をゆっくりと何処かに手放していく……
下半身に入り込むモノの痛みももう感じない
ああ……
なんて終わり方なのだろうか……
昼夜を問わず女性達は犯され続けていく
魔物の精子は微量な魔石を含みすぐに受胎し子を産む
産まれた子はゴブリンやオーガ
魔物が増えていく
転送で女性がさらに捕らえられてくる……
――― この星の女性の人生はここで終わる ―――……