神の意向
なぜこうなったか?
これは神の気持ちだった。
神に背いた?
いや違う。
本当に神の気持ちの問題だった。
男神は長い長い日々を過ごしていた。
宇宙が出来る時…… インフレーションの時に神は誕生した。
その後にビッグバンが起こり宇宙の広がりと共に生きてきたのだ。
暇というものを永遠無限に続けている。
その中の暇つぶしに星を作り遊ぶ事を覚えた
異世界は神の今の楽しみの一つだったのだが少し気に入らない事があり創造の気を削がれた。
そこで[止めるならどこまで滅茶苦茶になるか見てみよう]と新しい遊びを思いついたのが惨劇の始まりだった。
神の考えをゲームに例えると……
『レースゲームならコースアウトした後、リセットするなら逆走してみて楽しんでみよう』
『RPGならセーブポイントに戻るならレアアイテムを使い尽くして味方へ試しに攻撃して殺してみよう』
『FPSなら味方をヘッドショットして武器を使い尽くす』
――― そんな程度の遊びになった。
とりあえず魔力のバランス抑制を解放し全てにチートを与えた…… これが魔力が溢れた日だ。
人種族はそれにスグに気がついた
傍若無人に振る舞い魔物を駆逐する人種族に神はニヤリと笑う。
「どうせ潰すならプレイヤーに一回チートを付与したいじゃん」
神は笑うように独り言を零す
ある程度プレイヤーである人種族の活躍を楽しんだ後、飽きたのか魔物の魔力リミッターを解除した……
………… これが全てだった。
「ふふふ…… 次はどんな箱庭ゲームにしようかな? 」
神は異世界を既に見捨て次の星に興味を移す。
「…… あのぅ…… すみません? 」
「あ! あぁ!きたのか! 」
そこに現れたのは異世界に転生させていた女勇者だった
笑顔で神は女勇者を迎える。
「私…… 死んだんですか? 」
「うん! 見てみる? 」
神の言葉に女勇者は頷いたのを確認すると今まで見ていた異世界を覗く事が出来るテレビが現れる
「ちょい巻き戻して勇者が死ぬ前から見せてあげよう」
そう朗かに笑いテレビを操作するリモコンを女勇者に渡した。
――― そこに映されたものは……