勇者は何処に?
青い空が広がるある島にある城内で2人が睨みあっている。1人は世界の救世主の【勇者】のランサー・リューション。身体のラインは細いが数多くの戦いにより肌は傷がつき鎧の下には戦う為の筋肉が隠されている。もう1人は世界を破滅へと導く者【魔王】のスネーク。頭からは黒い2本の角が生え筋肉がみずから主張するかのように、黒い肌が光っている。今ここに、勇者と魔王の戦いが始まろうとしていた。
「【魔王】スネーク!!今日この日を持って貴様は、敗北を知ることになるだろう!何故なら私が貴様という悪を斬り正義が勝つのだから!」
「フハハハ!小僧が夢を見るんじゃない、我が力を存分に見せてやろう!」
「『いくぞ!!』」
戦いは激しさを増し、剣での攻防を初めとし剣が折れると魔法、次に己の拳と変わっていった。そして、最後に立っていた勇者が勝利した。
「クククク、アッハハハハ!」
「気でも狂ったか魔王。最後はこの聖剣でその命を刎ねてやる…折れてるがまぁ問題なかろう」
「見事なり勇者。やりたいことをやりつくしたのだ。悔いは無い、煮るなり焼くなり好きにしろ。そして、儂の首を持って国へ胸を張って帰るがいい。姫との結婚が待ってるのだろう?」
スネークの命を刎ねたランサーは王都に戻る…はずだったがその後の、足取りは不明とされている。ただ、魔王討伐の成功として黒い2本の角と手紙が王都の国王陛下の下に届けられた。王はこの角をみて無事に魔王が倒されたと確信し添えられていた手紙を読んだ。そこには勇者からで『魔物の残党狩りの旅に出る』と書いてあった。英雄は縛り付けてはいけないのかもしれない、自分の愛する姫に娘に勇者の意思を伝える為に王は彼女の私室へと足を運んだ。
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「助けてくれぇ!!!!!!」
「ハァハァ、スネークゥまってぇv」
肌の黒い筋肉質な戦士がドレスコードを着た女性に追われているという、なんとも信じがたい光景がある国で見られた。戦士はみっともなく涙と鼻水を垂れ流しながら走っている、その速さは天下一だろう。また、彼を追う彼女も普通は走り辛いドレスコードでその速さに追いつけるのだからかなり速いだろう。
紹介しなくてはならない、2人はあの勇者と魔王なのだ。あの時、ランサーはスネークの角を聖剣で叩き折り結婚を迫ったのだ。煮るなり焼くなり好きにしろと言った魔王だが、男色の趣味は無い。慌てて立ち上がり逃亡を図るが角が無い為、魔法が使えない。さらに勇者は女だったのだ。鎧の性で分からなかったが、その下には戦う為の筋肉だけでなく男を虜にするお山も隠されていたのだ。
なぜ、彼女が魔王に求婚するのか?それは自分と同等の力があるからだ。彼女はその力ゆえ幼い頃から、男として育てられた。だが、女として恋もしたい。そんなときに自分に勇者の証がでたのだ。最初は乗り気ではなかったし、魔王討伐報酬が姫との結婚でさらにげんなりとさせた。しかし魔王を倒す為に、彼の配下を倒していくたびに彼らの口から魔王の素晴らしさを語られたのだ。悪魔らしく黒い煌びやかな肌、美しい筋肉、優しい笑顔…実際にあって一目惚れした。『煮るなり焼くなり好きにしろ』としっかりと言質もとった。だから彼を追っているのだ。彼と添い遂げる為に永遠に~
FIN
登場人物~
スネーク
その正体は、蛇沼影利。神さま見習い研修としてまたもや異世界転移させられた。今回は、魔王である。童貞歴が遂に550年になったため、上に立つ者の練習として魔王を演じることになる。自分がいた日本のいいとこ取りした政策で国を繁栄させたが、勇者に台無しにされる。引継ぎをちゃんとしていた為、のちの国は安泰している。勇者から逃げている理由は童貞だから。
ランサー・リューション
勇者の証が出たことにより魔王討伐を国より命令された。最初はやる気が無かったが、魔王の配下がスネークの素晴らしさを語った為に興味を持ち一目惚れする。右手に首輪、左手に聖剣を持ちスネークを追い掛け回している。一種のヤンデレである。
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名前は車をモチーフにしています。