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オバケの世界征服  作者: 属-金閣
0章 7年前
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0章 終わりのプロローグ

 

 ドーン! ドゴーーン!! と、響き渡る大きな音。

 そして勢いよく燃え上がる炎。


 周りを見回すと半壊しているビル群に、大きな瓦礫やヒビ割れた地面。

 元は立派な街だった所も、今では廃れた街と化していた。

 そんな中で激しくぶつかり合う2つの影があった。


「うぉおおおおおーー!!」


 1人は大きく叫びながら、拳を握り相手へと殴り掛かる。

 もう1人の拳とぶつかり合った反動で、殴り掛かった1人は地上へ落ちる。


 もう片方は、空中に留まったまま落下したもう1人を見下ろしていた。

 すると、空中の者が地上の者へ言葉を発した。


「なぜ、お前は()の邪魔をするのだ? ただ私は、この世界の為に世界を統べたいだけなのだよ」


 空中にいる者は地上にいる者に問いかけた。

 一方、地上にいる者は、腰にぶら下げていた剣のストラップの紐を勢いよく引っ張った。

 すると、先ほどのストラップが剣へと変わり、地上にいる者が剣を空中にいる者に突き出した。


「今のが、噂のストラップ魔法か……」

「そんなに【神の名を継いだ】奴が偉いのかよ。お前はただ、その力を振りかざしこの世界を支配したいだけだろ!」

「それの何が悪い? 私は〈ゼウス〉の名を継いだのだぞ。神としてこの世界を統べる為に、敵対者に対して力を振りかざすことは、当然のことだろう」


 その言葉に地上の者は顔を歪めた。


「お前は【神の名を継いだ】だけで、本当の神じゃない! それにこの世界は神様のもんでもねぇ!」


 地上の者は空中にいる〈ゼウス〉と名乗る者に反論した。


「ふふふ……ただの人間の弱者が、神の決定に反論するとは身の程をわきまえろ! 今の私は〈ゼウス〉の力と人ごときが創り出した、()()〔4つの力〕を遂に手に入れたのだからな!」


 〈ゼウス〉を名乗る者はこらえきれず高らかに笑う。

 地上の者はそれを聞き小さく呟く。


「それがなんだ……そんなの分かってここに立ってんだ。あいつ等が命かけて繋げた道を、途切れさせるわけにはいかない。俺の命をかけて、お前を引きずり落とす」


 そうして剣を構える地上の者。

 それを見て、〈ゼウス〉を名乗る者は両手を大きく広げた。


「まさか知らない訳ないだろう? 〔4つの力〕〈野性〉・〈破壊〉・〈創造〉・〈復元〉の前では、何をしても無駄だ! 正しく私は、完全なる神になったのだ!」


 〈ゼウス〉を名乗る者は、地上の者に〔4つの力〕を高らかに言うと自らを神と宣言した。

 だが、そんな事に怯むことなく剣を構えたまま〈ゼウス〉を名乗る者を睨みつける地上の者。


「何だ、神に対してその目はッ!!」


 〈ゼウス〉を名乗る者は、片腕を前に出して地上の者目掛けて振り下ろした。

 すると、上空から地上へと雷の雨が降り注いだ。

 だが、地上の者は握った剣で跳ね返し、除けながら、雷を避け〈ゼウス〉を名乗る者へと走り出す。


「うろちょろと」


 そう呟くと〈ゼウス〉を名乗る者は、両手に渦巻いた真っ黒い球体を出現させ、地上の者目掛けて1つずつ投げた。

 その球は、地上に近付くと急激に巨大化すると、一瞬で辺りの物を刈り取って消えた。


「これは、確か〈破壊〉の力……」


 地上の者は、球体から一旦に距離を取るために、後方へ勢いよく飛んで下がった。

 すると、〈ゼウス〉を名乗る者は、片腕を下から上に振り上げた。

 直後、地上の者の足場から地鳴りがし、地面が急に反り上がり、地上の者は宙へと押し上げられてしまう。


「っ!!」

「〈創造〉の力は、一番体との相性がいい」


 〈ゼウス〉を名乗る者は、宙に浮いた地上の者目掛けて、両腕を広げて目の前で、両手で押し潰す動作を行う。


「!?」


 突然、宙に浮いた地上の者目掛け、両端に建っていたビルから瓦礫が塊を作り、押し潰す様に一直線に向かって行った。


「オラッ!!」


 地上の者は、真上目掛けて握っていた剣を何度か振り抜くと、斬撃波が真上に放たれる。

 すると、その反動で落下し、瓦礫に押し潰される事なく地上へ降りる。

 だが、地上に降りた瞬間に次の異変に気付く。


「ッ! ……この感じは!」


 直後、両隣に黒い球体が出現した。


「呑まれろ」


 〈ゼウス〉を名乗る者は、地上の者に被せる様に向けた手を一気に握りつぶした。

 それと同時に、2つの黒い球体が肥大化し合わさると、一瞬で周囲が呑み込まれ地面ごと削り取った。そして地上の者も、それに呑み込まれた。


 と、思われたが呑み込まれた場所に空間の穴が開き、そこから地上の者が現れた。


「備えあれば憂いなしって奴か……まさか、アイツの発明品に救われるとはな」


 そして、地上の者が手に握っていた、ストラップにヒビが入り粉々に壊れた。


「さっきは、〈復元〉の力ってやつか?」


 そして、〈ゼウス〉を名乗る者と対峙し、何かを覚悟し小さく呟いた。


「……一命一封」


 そう呟いた直後に地面を強く蹴ると、一瞬で空中にいる〈ゼウス〉を名乗る者の目の前へ移動した。


「何!? ()が認識できなかっただと!?」


 その言葉の直後、周囲を強い光が覆った。

 その後、大きな戦闘音は消えると夕立が降ると、その場一帯の炎が消え辺りは静寂に包まれていた。


 その日の夜、4つの光が各地へと飛ぶ所が多くの人々に確認された。

 この大きな戦争の結末は後に、違う形で語り継がれることになるのだった。

 そして、その戦争から7年の時が経った。



 ――――――



 時は桜の花が開く、3月末。

 ある少年が急ぎ足で、とある場所へと向かっていた。


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