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真美子に相談しよ

 泰子の激しい腹痛の原因は盲腸炎で化膿した膿が腹膜に噴出する前に手術が行なえたので、大事には至らなかった。しかし手術したため一週間の入院生活を余儀なくされた。


 「あーあ、せっかく部活にまともに参加させてもらえるようになったのに、残念だわ」と泰子はテレビを見て暇をもてあそんでいた。泰子は高校では新体操部に所属していた。もっとも高校新体操界のなかでも強豪でも名門でもないのでレベルはあまり高くはなかったが、それでも泰子からすれば中学でもやっていたし将来何かの役にたつと思ったので入部していた。


 「泰子、ご機嫌いかが? 残念よね秋村先輩に折角素質を認めてもらって練習に参加させてもらえるようになったのに。今はゆっくり休めば良いわよ」と同級生で同じ部活をしている真美子が見舞いに来てくれた。


 「まあ、先輩らのようにレオタードではなく体操着で練習していたけど、大会に出れなくても、せめてレオタードを着て練習させてもらえるレベルにはなりたいね。でも本当暇だわ。昼のワイド番組を見ても昼ドラマをみても興味わかないし」と泰子は愚痴をこぼしていた。


 それよりもあの晩見た両親の姿の方が今は気になっていた。そう全身レオタードを纏ったような姿だ。いままで両親には夜は夫婦二人だけの時間が要るなんて、いわれて夜中に寝室に絶対入るなんていわれていたから、寝室に入るのは掃除を手伝う時ぐらいだったけど、あの晩はその扉を開けさせてしまった。でもあの姿は一体何を意味していたのか判らなかった。


 ふと真美子に相談したくなった。「真美子、身体全体をレオタードのような生地で覆うような衣装ってあるのかな? そうテレビ番組ででてくるモジモジ君とちがって眼も鼻も口も全くでないような感じで? 」といった。真美子はしばらく考えた後こういった。


 「ああ、それって全身タイツのことかしら? 略してゼンタイというのよ。それがどうしたというわけなの?」

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