創造
誰にも語ることの出来ないすべての始まり
語るものもおらず
語るべき相手もおらず
それでも物語は始まりを告げる
存在という概念すら無い空間
そこへ突然一つの"意思"が現れた
意思はまるで先から決められていたかのように創り始める
創ったのは八つの異なる姿形を持つ存在
後に"神"と呼ばれるもの達
創られた神達は
まるで決められていたことをなぞるかのように創りだす
――世界を
創りだされた世界は果てしない広がりを見せ続ける
始まりの意思はそれを見届けると眠りについた
神は眠りについた意思を守るかのように
覆い隠すかのように世界を創り続ける
それは決して壊されてはならない箱庭
壊れてはならない揺り籠
巡り巡るがゆえの世界
始まりを知る者はおらず
終わりを知るものもまた然り
始まりの目覚めは終焉と同義
始まりあるがゆえに終わりが存在する
終わりは新たなる始まりを示唆する
だからこそ神は創りだす
終わることのない世界を
永遠に創りつづける
終わりを迎えないために
どれほどの時が過ぎたか
やがて神たちは自らの作り出したる世界を見つめ
あるものは眠りにつき
あるものは静観し
あるものは新たなる世界を創るために立ち去った
あとに残されたのは
永遠に広がり続ける揺り籠
ここに神はもう存在しない
あるのは創りだされた大地に立つ生き物たち
そして――
終わりを迎える時まで目覚めることのない意思
世界は再び動き始めた