8話 ナオエとコボルト
この物語には、人によっては嫌悪感を抱く可能性のある人外娘が登場する可能性があります。
自己責任においてお読みください。
※昆虫類など
また、お使いの作者は年末?年始?仕事ですが?組です。
ご安心してお読みください。
鉄串に刺した肉を焚き火で炙ると、香ばしい香りとじゅうじゅうという美味しそうな音がする。
先程仕留めたイノシシを丸々一頭捌き焼いた豪華串焼きだ。
内臓や血などは離れた場所に埋めたため、肉食の魔物が近寄ってくる可能性は半々だ。
寄ってきたら食える肉が増えるだけだが。
塩をかけて、焼けた肉からドンドンと口へ運んでいく。
噛み締めた肉から肉汁があふれ出し、じゅわっと口内に溢れる。
久しぶりの大雑把な食事は美味い。
アント族が作る繊細な味付けの料理も良いが、たまには豪快で大雑把な料理も食べたくなる。
半分ほどを平らげたときに、違和感を感じた。
何かが近づいてくる?
ガサガサと草を掻き分ける音に、複数の足音。
足音を聞く限り、2本足でそれほど体重のある生物ではないのが解る。
剣を引き寄せると、それに構うことなく食事を続ける。
まだこの辺りの山には、俺の敵になるような相手は居ない。
足音はいよいよ近くなってくる。
「食イ物、ヨコセ!」
現れたのは身長1m20cm程の小さな身体に、小さな角を2本生やし無造作に伸ばされた髪を粗末な布でまとめた生き物だ。
目は大きくつぶらな瞳をしており、耳はエルフのように横に伸びているが茶色の毛に覆われ、その毛は首から肩を経由して尾てい骨まで伸びている。
その尾てい骨部分からは、犬のように毛が生えた尻尾が生えていた。
小さな身体はその小ささに不釣合いなほどに筋肉の鎧を纏っており、腹筋が綺麗に割れ腕も足も脂肪など一切無く引き締まっている。
胸は小ぶりながらも女性特有の柔らかさを感じさせる程よい大きさだ。
その小さな生き物は、腰に獣の皮で出来た粗末な腰巻のみを身につけ、手にボロボロの鉈と棍棒で武装していた。
コボルトだ。
メスばかり5人も現れたコボルトは、こちらを発見すると襲い掛かってくる。
「う~ん、素手で良いか」
走りよってくるコボルトの1人をリーチ差を生かして、その頭にデコピンをブチ当てる。
デコピンをされたコボルトは、頭を中心に綺麗に一回転するとそのまま頭を押さえてゴロゴロと転がる。
まず1人。
ボロボロの鉈で切りかかってきた2人には、手甲で鉈を弾き飛ばした後同じようにデコピンで吹き飛ばす。
棍棒はさすがに素手で受け止めると痛いので、棍棒を足で蹴り飛ばしてからデコピンをお見舞いした。
退治完了だ。
「ふぅ、で、いきなり襲い掛かってくるとはどういう理由だ?」
「ウ、ウウ。食イ物ヲ持ッテ行カナイト殺サレテシマウンダ」
「殺される?それは穏やかじゃないな。何に脅されてるんだ?」
「オーガダ。最近コノ辺リニ来タ。食イ物ヲ持ッテ行カナイト殺サレテシマウンダ」
「何故2回言った・・・。事情は解った。だが、襲い掛かってまでとは感心しないな。今回は俺だったから良いようなものの、人間だったり他の魔物だったりしたらこのまま殺されていたぞ?」
その言葉にコボルト達は身を寄せ合って震えだす。
そもそもコボルトは、普通の人間より強いとはいえ魔物の中では弱い部類に入る。
その上頭も余り良くなく、格上の相手に喧嘩を売って殺されることも多い。
「今日はこの猪をやるから、それで見逃してもらえ。さすがに明日以降までは面倒見切れないが」
「アリガトウ!人間!」
「俺の名前はナオエだ」
そう言いつつコボルト達は焼いてある猪を手に取ると、そのまま齧り付いた。
「おい!何でお前等が食ってるんだよ!」
「ハ!シマッタ!美味シソウダッタカラ、ツイ」
「はぁ、もう一頭捕まえてやるよ。それは全部食ってしまえ。あまり食えて無いんだろう?」
そう言うと、コボルト達は満面の笑みを浮かべ肉に噛り付いた。
・・・かわいい。
しばらく肉に噛り付いていたコボルト達は、満足したのかキャイキャイと話し出した。
焚き火に薪を投げ込むために近づくと、鼻を突く臭いがする。
コボルトか・・・。
コボルトはあまり身体を洗わない事でも有名だ。
常に薄汚れている。
さすがにこのまま近くで寝るのは勘弁願いたい。
「おい、腰布を取ってこっちに来い」
「エ!エエ!ソンナ出会ッテイキナリナンテ!」
「デモ、強イオスダシ、食イ物クレタヨ?」
「強イ子供作レル!」
「「「「「ヨロシク頼ムゾ!!!」」」」」
「違う!」
両手を広げると、その間にコボルト達を包み込めるくらいのお湯の塊を浮かべる。
コボルトの1人をその水塊で包み込むと、水を回転させコボルトを洗う。
洗濯機をイメージした俺のオリジナル魔法だ。
身体の汚れをあっという間に落とせるので、アレの後などにとても適している。
・・・まぁ、話はそれたがコボルトを全員洗い終えると寝床の準備をした。
テントを張り、中に布団を敷く。
携帯式のテントは普段は掌に収まるほどの小ささだが、広げると8人以上収容可能な大きさとなる便利品だ。
「さて、じゃあ寝るか。毛布は自由に使ってくれ」
「アリガトウ!コンナニアッタカイ毛皮初メテダ」
「じゃ、おやすみ」
布団の上で休んでいると、案の定というか、何というかモゾモゾと俺の周りに気配が集まる。
「何だ?何か用か?」
「ナオエ、私達強イ子供欲シイ。オーガニモ負ケナイ様ナ。ナオエ私達抱イテ」
俺は彼女達の小さく、筋肉質な身体を楽しんだ。
多少獣臭くはあったが、5人それぞれ反応が違い随分楽しめたので言う事も無い。
強気に舐めさせようとする者、キスをせがむ者、俺の手を勝手に使い楽しむ者、俺のモノをシャブりまくる者、強気なくせに『優シクダゾ!?』と何度も念を押す者など素敵な一夜を過ごせた。
この山に入って2日目、まだ目的の強者の勧誘は出来ていない。
明日は強者に会えるよう期待しよう。
前書きにも書いたとおり、年末年始と仕事なため投稿が遅れがちになるかと思います。
今年中にあと1話は更新したい所です。
また、累計PVが1万を超えておりました。
こんな趣味前回の小説を読んでくださりありがとうございます。
また、活動報告にて来年出して欲しい『人外』のリクエストを受け付けております。
こんな拙い小説でも『こんな人外を出して欲しい』などありましたら、ドンドンリクエストください。
・・・無かった場合は私の趣味全開で書いていきますw