6話 女騎士とデュラハン
この物語には、人によっては嫌悪感を抱く可能性のある人外娘が登場する可能性があります。
自己責任においてお読みください。
※昆虫類など
また、お使いの作者はクリスマス中止のお知らせ委員会所属です。
ご安心してお読みください。
ながく、つらい、たたかいだった。
だが、おれは、かったのだ。
正直に言えば結構キツかった。
通常の行為と比べて、精気を吸収されつつの行為はかなりの疲労をもたらす。
これは確かに、普通の人間では一回で行動不能になりそうだ。
パメラさんの誤算は、俺を見たのがシアとの最終日だけだった事だ。
その日だけの回数・・・20数回ほどで打ち止めと踏んでいたため、まさか俺がそれ以前に2日間ヤッテいるとは思えなかったのだろう。
その有り余る精力で俺は2人を満腹にして、更に『もう無理です』とパメラさんに言わせるまでに頑張った。
アラマユは吸精行為自体が初めてだったためか、5回目でダウンした。
残りの欲望をパメラさんへブツけまくったのだ。
人間と蜘蛛との間にある女性部分は勿論、蜘蛛の胴体から出糸突起に至るまで俺が触れていない部分は無い。
特に出糸突起内部は素晴らしかった。
まだ糸になる前のぐちゃぐちゃとした液体が絡まりあって、まるで半個体のローションのようだった。
今まで味わった事の無い快楽につい張り切りすぎてパメラさんに負担をかけすぎた。
パメラさんもその部分を使われた事など無かったらしく、初めてのようなタドタドしさが堪らなかった。
いや、これはまたお見舞いにいきt
突如頭に衝撃を感じ、俺は現実に引き戻された。
「聞いてた?私の話し。ナオエ?」
「ああ、いや、すまない。聞いて無かったよ。もう一度頼めるかな?」
全身に黒い甲冑を着込み、『頭を左手に抱えた』女性がため息をつきながら冷たい目で俺を見た。
デュラハンのホロウだ。
彼女はストレートの黒髪を腰まで伸ばし、前髪は眉の上で横一直線に切り揃えている。
その顔立ちは人形のようだが、これは彼女が表情を作るのを苦手としているためだ。
肌はアンデッドであることもあってか、青く見えるほどに白い。
「交渉終わった、商人と冒険者。でも、交渉決裂、女騎士」
「女騎士が決裂?理由は何だ」
「解らない、理由。調べてる、メリザンド」
上級騎士とは、王国全土でも100名前後しか存在しないエリートだ。
俺がこの世界に召喚されるまでは、上級騎士1名に前衛を担当する兵士7名、後衛を担当する兵士4名で構成された部隊を編成し魔王軍に対処していた。
その上級騎士の返還を断るというのはおかしい。
「メリザンドからの連絡はあったか?」
「無い、連絡は。ある、定期連絡、2時間。会う?それまでに、女騎士」
彼女が乗る首無し馬は、影から影へ飛ぶことが出来る。
そのため、今は身代金交渉を迅速に行う運び屋として働かせている。
連絡方法はマジックアイテムがあるため、遠距離でも問題ない。
「そうするか、今後の身の振り方も聞いておかないといけないしな」
そのままホロウを連れて捕虜収容所へと向かう。
逃げ難いよう地下へ作成している牢獄は、周辺を鉄製の壁で覆い、その内側へ木の板を嵌め込んでいるだけの簡単な造りだ。
簡単に出来る石造りじゃ無いのは、石程度ではある程度以上の実力があると簡単に抜け出せるからだ。
女騎士を捕らえている牢屋は鉄製のドアに覗き窓を付けた個室になっており、簡易ベッドに流水式トイレも完備されている。
身体を拭くための水とタオルも1日2回交換しているため、捕虜の扱いとしては破格だろう。
すでに交渉が終わっている冒険者と商人はホロウが連れ出したため、残っているのは女騎士1人だ。
地下牢内にはマジックアイテムによる明かりをつけているため、就寝時間まではそこそこ明るい。
ドアをノックすると無造作に開いた。
女騎士はすぐに立ち上がり、こちらをバッと振り返ると微かに安堵の表情を浮かべた。
恐らくシアがいないことを確認したからだ。
「騎士殿、今日は悪い知らせを持ってきたよ」
「ふん、私が貴様に捕らわれている事より悪い事などあるのか?」
「捕虜の扱いとしては破格の待遇だと思うがね。まぁ、それも今日までだ」
その言葉に、女騎士は俺が何を伝えようとしているか悟ったのだろう。
表情に暗い影が落ちる。
「王国は君の身代金を払うことを拒否した。」
「う、嘘だ!私は上級騎士の1人、直剣のオルストニアだぞ!その私を王国が見捨てることなどあるものか!分かった、貴様が法外な身代金を吹っ掛けたに違いない!」
認めたくないのだろう。
あらんかぎりの声で叫び否定する。
だが、そんなことでは事実は何も変わらない。
「こちらが請求したのは、騎士殿の装備一式も含めて金貨120枚だ。これは君という存在に対して法外な身代金かな?」
「そ、んな。その金額なら私も持っている!私の実家に連絡すればすぐにでも支払える!」
「ホロウ、どうだったんだ?」
「無し、娘。魔物に捕まるような。切ったと言われた、縁」
「そういう事か。しかし薄情な実家だな。魔物に捕まるような娘は縁を切るとはね」
オルストニアは崩れ落ちると、そのまま泣き出した。
声こそ上げなかったものの、その肩が震えていた。
だが、俺は残酷な選択を突きつけに来たのだ。
泣いたからと言ってそれが変わるわけではない。
「上級騎士オルストニア。君には今後の身の振り方を決めてもらう」
よろよろと身体を起こしながら、オルストニアがこちらを見る。
「まず1つ目、この国の奴隷として誰かに奉公する。2つ目、こちらを裏切らないよう処置をした上でスパイとして王都へ帰還する。3つ目、王国への忠誠を曲げずにここで殺される。」
こちらの問いに、顔を青くさせて聞き入るオルストニア。
それも仕方ない。
何せ救いのある案が1つも無いのだから。
「ああ、忘れてた。まだ1つ残ってたな。・・・4つ目、アンデッドになって俺達の兵士として戦う」
一瞬輝きかけたオルストニアの目が、深い絶望に染まる。
このまま遊んでいたいが、さすがに可哀想になるな。
「まぁ、遊ぶのはここまでにしよう。そちらが王国が召喚しようとしている勇者の情報を渡すなら、解放しても構わない」
「・・・負けたとは言え、私は王国の上級騎士だ。国は裏切れない」
最後の抵抗なのだろう。
言葉に力が全く無い。
国と家に見捨てられても、そう言える心の強さは好ましい。
「そうか、ではしばらくは奴隷として働いてもらおう。死ぬよりはマシだろう?」
「くっ!」
そのまま話さなくなったオルストニアをそのままにドアを閉める。
誰の元に付けるかを決めなくてはならない。
万が一にもあの女騎士が逆らう事の無いように考えれば、シアが適任だろう。
「連絡、メリザンド。行ってくる、ナオエ」
「頼んだぞホロウ。メリザンドが何かを掴んでいるといいんだが」
そう言うと、ホロウは何故か俺に自分の『頭』を渡してくる。
「持ってて、頭。話す、すぐに情報」
「なるほど。身体だけでメリザンドを迎えに行くのか。そして、分かったことを頭が伝える、と」
彼女達デュラハンは『頭』と『身体』に、意識を共有するがそれぞれが自立して考える事のできる特性を持っている。
それを考えると、こうして連絡と移動に分けるのは良い考えだ。
「良い考え、身体は自分で動く、疲れる、影渡り。補給する、頭が。」
ん?
嫌な予感と良い予感が半々くらいの割合で、俺の脳裏に走った。
俺は自分の執務室に戻ると、椅子に腰掛けズボンを下げた。
半立ちのモノへ『ホロウの頭』を両手に持ちながら近づける。
何の躊躇も無くホロウはそれに吸い付くと、舌を使って丹念に舐め上げ啜る。
さすがにこれだけでは刺激が足りないと感じていると、ホロウの長い髪がまるで手のように持ち上がり俺のモノに絡まりついた。
その他の髪は椅子や俺の太ももに絡まることで、自らの頭を維持する。
これにより俺はホロウの頭を持つ必要が無くなり、両手を自由に使えるようになった。
その手でホロウの頬を撫でながら続きを促す。
絶妙な動きで刺激を繰り返すホロウ。
頭だけのホロウを見ていると、何とも言えない背徳感を感じる。
まるでそういう大人向け玩具のようだ。
デュラハンにとって、頭を他人に預けるということは絶対的な信頼を意味する。
その信頼の証にこのような行為をしているというのも、興奮する大きな要素だ。
そして、俺はそのまま2回ほど楽しんだ。
「良かった?気持ち、ナオエ」
「ああ、ありがとうな。って、ホロウの回復も兼ねていたんだったな。メリザンドの迎えは順調か?」
「着く、もうすぐ。大変なことに、少し」
執務用のテーブルに載っているホロウが状況を報告してくる。
さて、オルストニアの返還を断ったのはどういう理由なのか・・・。
バン、と扉が開かれるとメリザンドとその肩を支えるホロウがいた。
「どうした!その怪我は!?」
「ゆうしゃに、やられた。ゆうしゃは、もう『しょうかん』されていた」
・・・考えていた中で、最も最悪な展開だった。
ようやく風邪が治りました。
まだ喉が痛いです・・・。
皆さんも風邪にはお気をつけてくださいね。
次回は少し変わったことをしてみます。
・・・うまくいかなかったらいつもどおりです(棒)