有刺鉄線について
なんだか眠れないので、エッセイを書きたいと思います。
有刺鉄線について。
私は、有刺鉄線が大嫌いです。
小さい頃から、その存在を知ったときから、大嫌いでした。
有刺鉄線を見かけるたび、そこに悲劇の物語を妄想せずにはいられなかったのです。
それは何故か?
改めて分析して思ったのは、そこには『愛がない』からだと思いました。
親の暴力にも、ダイナマイトにも、戦争にも、愛の物語は付き物です。
でも、有刺鉄線からは愛の物語は生まれない、そう思ったんです。
でも、今日ふと思いました。
有刺鉄線とは、『危険な場所から人を遠ざける』という愛によって創られたのではないか、と。
人を遠ざけるという行為にも、愛があるのではないかと、思ったんです。
まぁ、人を遠ざけることが目的なら、有刺鉄線じゃなくてもいいわけで、近づくヤツは無条件で傷つけるというスタンスは、やっぱり大嫌いなんですが……そこに愛の物語を描ける気がして……今日はよく眠れそうです。