3
黒い革靴が砕けた青い小瓶と丸薬を何度も踏みつけるのを、ただ眺めるしかできない。
ぐらぐらと揺れる視界の中で、バルトの笑顔がいびつに歪んでいく。それとともに、頭を内側から刺されたみたいな激しい痛みが走った。
「どうして……」
この男は何故、こんなにも非道な真似ができるのだろう。
「……ぁ」
喉が……。呼吸ができない。苦しい。
助けて先生。
酸素を求めて震える喉元に手を伸ばす。けれども次第に遠ざかる意識にその手は、力なく地面へと落ちた。
――その時、ザッザッと激しく砂利を蹴る足音が響いた。
「シェリル!」
私の名を呼ぶ声。同時に崩れ落ちる体を誰かに抱き留められた。鼻腔をくすぐるのは、薬草の匂い。優しいあの人の、匂い。
「シェリルさん、しっかりしてください! 目を開けて!」
「……せ、ん、せい」
重たい瞼をなんとか開いた。私の視界を埋め尽くすのは、今にも泣き出しそうな先生の顔だった。
「すみませんでした。卑劣な罠であなたを危険に晒してしまった」
先生のせいじゃないと弱々しく首を振ってみせる。そんな私の口元に先生が懐から出した青い小瓶の中身を一粒そっと押し付けた。
「水がないので苦いと思いますが、噛み砕いてください」
うっすらと開けた口の中に滑り込んだ丸薬を奥歯で何度か噛むと、舌の上で強烈な薬草の苦味が弾けた。その苦味はひきつる喉の奥へと流れ落ちていく。
「呼吸を整えて、ゆっくり、ゆっくり……そうです」
ウォーレン先生の手に支えられ、私は深く息を吸い込んだ。吸って吐いてを間近で聞こえる声に合わせて繰り返す。
「……おい。いつまでその茶番を続けるつもりだ」
背後から響いたバルトの不快な声に、私を支えていた先生の体が強張ったのがわかった。先生の胸元に顔を埋めていた私の耳に、聞いたこともないほどの先生の冷徹な声が届く。
「貴様、自分が何をしたか理解しているのか?」
「は? 出来損ないの仮病に付き合うわけがなかろう。くだらない真似はいい加減に――」
「そこまでだ、バルト」
声だけで人を威圧する、重厚な怒声。
顔を上げて声のする方を向くと、屋敷の入り口にラスマン様が立っていた。さながら戦場の真っ只中にいるかのような鋭い視線が、まっすぐバルトへと向けられている。
「……ぁ、あの、違う。これは――」
青ざめたバルトは言葉を紡ごうとしているけれど、意味を成さない。
先生の抑制剤が効いてきたのか、引きつるような息苦しさが少しずつ鎮まっていく。周囲を見る余裕が生まれて、使用人たちが何事かと集まってくるのが見える。
「貴様はいったい何をしているのだ、バルト……!」
ラスマン様が砂利を踏みしめて一歩前へ出た。その視線は、バルトの足元に転がる青い小瓶の破片に釘付けになっている。
「丁重に、と言ったはずだ。病を患う令嬢を地に這わせ、その挙げ句に彼女の薬を踏みにじることがおまえの『丁重』だというのか?」
「騙されてはなりません、ラスマン様! この女は仮病なのです……!」
「……仮病、だと?」
バルトの言葉にウォーレン先生が低く呟いた。
「貴様には仮病に見えたのか? 目眩や頭痛に苛まれ、呼吸すらままならないこの姿がすべて芝居だというのか……!」
私を抱く先生の手に力がこもって強張っている。私のために怒ってくださっているのが背中から伝わってきた。
「バルトさんから仮病だと聞かされてたけど、あの子ほんとに病気だったの?」
「あの顔色、芝居じゃあそこまでは……。ねえ、私たち酷いことをしていたんじゃ?」
「で、でも罪人なのよ?」
使用人たちも私の姿を目の当たりにし、バルトを疑い始めたのか動揺が顔に出ている。
「そもそも、シェリル嬢は冤罪の可能性があると伝えたはずだ。バルト、貴様のやったことは修道院からの拉致、屋敷での虐待……いや、もはや殺人未遂というべきか」
ラスマン様の口から発せられた事実に使用人たちが息を呑んで静まり返った。
「殺人、未遂……?」
視線を落としたバルトは、足元でキラリと輝く青い硝子の欠片からおそるおそる後ずさった。『殺人未遂』という言葉の重みに冷静さを取り戻したのか、ただ力なく立ち尽くす。
「――道を開けよ!」
一瞬の静寂を切り裂く怒声と馬の蹄の音。
砂利を撒き散らしながら数騎の馬がなだれ込んできた。
「シェリル!」
馬から飛び降りこちらへ駆けてくるのは、ずっとずっと会いたかったお兄様だった。
「――お兄様、会いたかった」
「すまない、シェリル。助けに来るのが遅くなって……」
私はウォーレン先生の腕に支えられながら、震える手をお兄様へと伸ばした。
崩れ落ちるように目の前で膝をついたお兄様は、私を抱き抱える先生の腕ごと私を抱きしめた。
力強い腕が、震えている。
「先ほど、抑制剤を与えました。まもなく症状も治まるでしょう」
「……そうか、貴殿は医師か? 感謝する」
お兄様は先生に短い礼を告げると、私の頭を何度か撫でた。
「よく耐えたな」
優しく囁くと立ち上がりバルトへと視線を向ける。
「第二騎士団第一分隊長リアム・マリーニだ。おまえがバルト・ヒューズだな。……読め。貴様が『罪人』と呼び虐げた我が妹は、正式に無罪であると証明された。これは陛下が署名なされた親書だ。王子は今頃王都で偽証と殺人未遂により裁きを受けている最中だろう」
お兄様に突きつけられた親書に目を通したバルトは、頭を抱えながらその場にへたり込んだ。
「は、ははは。そんな馬鹿な……。私は、シェリルがほんとうに罪を犯したものだと信じて……。王都から追放された罪人に罰を与えてやろうと。善意……そうだ、善意で!」
「善意、だと?」
これまでに聞いたことのないすべてを凍りつかせるようなお兄様の声が、静かに響く。
「私は悪くない! 騙されただけだ……! 王子の嘘に騙されていただけだ! 悪いのは私ではない、私では……」
バルトは地面を這ってお兄様から遠ざかりながら必死に声を絞り出す。
「捕えよ!」
これ以上言葉を交わす価値はないとばかりに冷たく見下ろし、お兄様は後ろに控えていた部下に指示を出した。
「モルナ辺境伯のチェスター・ラスマンでございます。この度は使用人の管理不足によりシェリル嬢の身を危険に晒し、申し開きの言葉もありません。……我が家の地下牢をお使いください」
「……感謝する」
深く頭を下げるラスマン様を一瞥し、お兄様はバルトを捕縛した部下たちと共に屋敷へと足を踏み入れた。
「シェリルさんを休ませる場所もお願いします」
先生がラスマン様に声をかける。同時に体がふわりと浮いて、驚いた私はウォーレン先生の首に両腕を回し抱きついてしまった。
抑制剤で症状も落ち着いてきたはずなのに、早鐘のような鼓動が全身に響いて、先生に聞こえてしまいそう。
「……妹を頼む。先生」
ちらりとこちらを振り返ったお兄様は、何故か不機嫌そうな表情をしていた。
*
客間に通されると私は先生の手を借りて寝台の上で身体を起こすように背中に枕を当ててもらった。
ウォーレン先生は寝台のすぐ脇に、お兄様とラスマン様は部屋の中央に置かれたソファーに向かい合い腰を下ろした。
先生は「医師のウォーレン」と名乗ると二人に静かに語り始めた。
国中どこにでも植えられているあの瑠璃木犀が、毒素を撒き散らす悪魔の木であることを。その毒素こそが私の病の原因だったこと。そして、琥珀星花という隣国の花が治療薬になること。
先生がすべてを説明し終えるまで、お兄様とラスマン様はずっと無言だった。
「……実は、マリーニ伯爵家に事態を知らせる手紙を出したところだったのです」
「我が家に手紙を……。そうか、それならば父上が受け取り陛下へと伝わるだろう」
「治療薬も隣国の知人に手配を頼みました。数日以内に届くでしょう」
その言葉にお兄様が勢いよく立ち上がった。
「そ、その薬で妹は長年の苦しみから解放されるのか?」
「はい。どうか僕を信じてください」
「心から感謝する。ありがとう、ウォーレン先生」
深く、深く頭を下げるお兄様の姿に思わず涙が溢れる。
私の病のせいで、お兄様にもお父様にもずっと心配をかけてしまっていた。それも、まもなく終わるのだ。
「辺境伯殿。バルトの監視の為、しばらくこちらに滞在する。それから屋敷の使用人の名簿を。妹に何をしてきたか、ひとり残らず聞き出させてもらう。」
顔を上げたお兄様は、騎士の顔に戻っていた。鋭い視線でラスマン様を射抜く。
「……心得ました。未熟な領主ではありますが、領主として立ち会わせてください」
ラスマン様の言葉は、実直で己の過ちから逃げない強さがある。
「……よかろう」
お兄様は鋭い視線のまま、しばらく考え込むと短く返し、視線を和らげた。
「あ……お兄様。ゾーイさんと庭師のおじいさんは私を助けてくれたの。だから、二人のことは責めないで」
「わかったよ、シェリル。心配いらないからな」
お兄様の言葉に私が小さく微笑むと、ウォーレン先生が私に横になって休むように促す。
「さあ、少し眠ってください」
先生の落ち着いた声と薬草の匂い。
安心したからなのか、先生の薬が効いてきたからなのか、瞼が重くなり私はそのまま眠りに落ちてしまった。
*
あの後、目覚めた私は辺境伯邸ではなくウォーレン先生の診療所に戻りたいと伝えた。
庭に瑠璃木犀が植えられているし、このお屋敷には辛い記憶が多く残るから。
私の願いにお兄様は、辛そうに顔を歪めて力強く頷いてくれた。
「ああ。そうだな、シェリル。忌々しい場所にはいたくないよな。すぐに移動の準備をさせよう。ウォーレン先生、妹の願いを聞いてくれるか?」
「ええ。シェリルさんは僕の大切な患者ですから」
お兄様と先生は診療所について少し話し合う。そして、お兄様の指示で部下の方々が迅速に動き出した。彼らはラスマン様に許可を得てお屋敷の寝台や寝具を、先生の診療所へと運び込んでくれたのだ。
あっという間に室内は整えられていく。診療所の奥にある寝室に運び込んだ寝台が据えられ、手前の居間に元々あった寝台が移された。
「これで長椅子で寝なくてもよくなりました。マリーニ分隊長には感謝しないといけませんね」
先生が嬉しそうに微笑んだ。先生が無理せず身体を休めることができて私もホッと胸を撫で下ろす。
「ウォーレン先生の診療所が、私には一番安心できる場所です」
私の言葉に側にいたお兄様の顔がまた不機嫌になり、ウォーレン先生は片手で顔を覆い隠した。ちらりと覗く耳が赤くなっている。
……私、おかしなことを言ってしまったかしら?
二人の様子に首を傾げながら、私の心はどこまでも穏やかで温かく満たされていく。
隣国グリフィスから治療薬が届いたのは、翌日のことだった。
透明な硝子瓶の中で透明な液体が揺れる。
これが私の命を救う治療薬。
知らせを受けたお兄様も駆けつけてくれた。
「体内の毒素を中和する為に一日に一滴ずつ、瓶の中身が空になるまで一ヶ月間、毎日欠かさず飲んでください。一度に大量に飲むと身体が拒絶反応を起こす場合がありますから、分量を守るのを忘れないで……。でも、僕がずっと側にいるから大丈夫ですよ」
説明の後、銀のスプーンに最初の一滴がポタリと垂らされる。先生の手でそっと口元へと運ばれたそれを、私は静かに口に含んだ。
うっすらと甘い蜂蜜に似た風味が広がる。
あの辛く苦しかった日々が終わるのだと思うと、視界がじわりと滲み涙が溢れてしまう。
「……ありがとうございます、先生。お兄様も、ずっと支えてくれてありがとう」
謂れのない罪で王都から辺境伯領へと追放されてしまった。けれど、そのお陰でこうして先生と出会えて私の命は救われた。
――先生との出会いは、私にとってまさに奇跡だわ。
*
お父様が王都でのさまざまな処理を終えてモルナ領にやって来たのは、治療薬の中身が半分になった頃だった。あんなに苦しんだ症状もほとんどなくなった私を強く抱きしめお父様は、涙を流し喜んでくれた。
国王陛下から今回の出来事の処遇を一任されたお父様によって、お屋敷の使用人たちはゾーイさんと庭師のおじいさん以外全員解雇された。
そして、すべての元凶となった第一王子オズワルドは正式に廃嫡が決定。その身分を剥奪された。オズワルドとドリス、歪んだ正義感を振りかざしたバルト三人に下されたのは、この国のすべての瑠璃木犀の下に琥珀星花を植え続けるという強制労働の刑だった。まずはここ南の辺境伯領から『植栽部隊』が組織され国内全土を巡るそうだ。
「今回の件は執事の独断であり、領主チェスター・ラスマンは欺かれていたと判断する。よって、貴殿を罪に問うことはない。……だが、その無関心と管理不足が我が娘の命を奪いかけた事実を胸に刻むのだ」
お父様の言葉を真っ向から受け止めたラスマン様は深く頭を垂れ、拳を握りしめた。
「マリーニ伯爵、おっしゃる通りです。使用人の暴走を見過ごし、大切なシェリル嬢の命を危険に晒したのは自分の力不足、領主としての無能さ故。辺境伯の爵位は、本日を以て返上させていただきたい。――そして、許されるなら『植栽部隊』の隊長に志願いたします」
国を挙げて進められることとなった『植栽部隊』は、重罪人たちで編成される。彼らを力でねじ伏せ従わせる役目をラスマン様は望まれた。
ラスマン様の並々ならぬ覚悟に、お父様はしばらく無言で彼を見つめていた。やがて一度大きく頷いた。
「……その覚悟、確かに受け取った。早速だがこの後、隣国グリフィスに琥珀星花の輸入手続きに向かう。ラスマン殿、私と同行してくれないか」
「はい、喜んでお供いたします。マリーニ伯爵」
そう答えたラスマン様は、最後に私と傍らに立つウォーレン先生の方へとまっすぐに向き直り深く頭を下げた。
「シェリル嬢、ほんとうに申し訳なかった。……ウォーレン先生、彼女を頼む。俺はもう誰も苦しまずに暮らせる地を、必ずや作り上げてみせる」
ラスマン様が退いたモルナ領は一時的にマリーニ家が管理することとなり、お兄様が治安維持と領地引き継ぎのために残ることになった。王都からマリーニ家に仕える家令や侍従、お父様やお兄様の部下の方々を呼び新たな領主を迎える準備が進められる。
程なくして、新しく領主に任命されたのは、かつて王子の暴挙から侯爵家を守るため勘当を選んだ、『ミラー』の家名を陛下によって回復されたウォーレン先生だった。
陛下からの打診に当初は『僕はただの医師にすぎません』と強く辞退されたそうだ。それでも、お父様やご実家であるミラー侯爵家からの熱い説得に背中を押され最終的に引き受けたのだ。
毎日一滴ずつ飲み続けた治療薬が空になる頃、私の身体から毒素は完全に消え去っていた――
*
あれから一年の時が経った。
「おはようございます! シェリル様!」
ノックの音と同時に扉が開き、明るい声が響く。
私の一日はこの明るい声から始まる。
「おはよう、ゾーイ」
私は辺境伯邸で暮らしている。ゾーイは私の専属侍女として仕えるようになっていた。
最初の頃は「ゾーイさん」と呼んでいたのだけれど、「さん」を付けると彼女が拗ねるのですっかり今の呼び方に慣れてしまった。
「今日は髪をどうしましょうか?」
「ゾーイとお揃いの三つ編みはどうかしら?」
「三つ編みだなんて、せっかくのシェリル様の綺麗な銀の髪が目立ちません」
「ふふふ、ゾーイにお任せするわ」
ゾーイは嬉しそうに目を輝かせた。私の髪を手際よく梳かすと複雑な編み込みを作り上げる。
このやり取りも毎朝の決まりごと。彼女は私の髪を手入れするのが好きみたいで、鼻歌が聞こえてきそうなほど上機嫌だ。
鏡台の上には透明な硝子の瓶を大切に飾っている。一年前、この中に入っていた治療薬が私の命を救ってくれた。私にとって大切な宝物。
目眩も頭痛もあの息苦しさも、もう私を蝕むことはない。
窓の外に目をやると、瑠璃木犀の小花が風に乗ってひらひらと舞っている。その根元には瑞々しい琥珀色が朝日を浴びて煌めいていた。
チェスター様に率いられ『植栽部隊』として泥にまみれながら琥珀星花を植えていた彼らの姿を思い出す。屈辱に涙を浮かべるドリス。脱け殻のようなオズワルドに王子だった頃の面影は残っていなかった。
そして傲慢だったバルトはある日突然、瑠璃木犀の毒素による症状を発症してしまい、目眩に苦しんでいるそうだ。
「さあ、完成しました。それでは、食堂へ向かいましょう」
過去の光景を思い出していた私を、ゾーイの元気な声が現実に引き戻した。
食堂にはすでに彼が席に着いて私を待ってくれていた。
「おはよう、シェリル。今日も美しいね」
「おはよう……ウォーレン」
彼のことを呼ぶのはなかなか慣れない。
ウォーレンが領主に就任してすぐに私たちは婚約し、辺境伯邸で一緒に暮らすようになった。
私があの苦痛の日々を思い出さないようにと、ウォーレンは使用人たちのお仕着せを黒いものから深緑へと一新させ、屋敷中カーテンも鮮やかな新緑色へと掛け替えてくれた。そして至るところに季節の花々が飾られ、かつての悪意に満ちた空間は今では優しさに満たされている。
「今日の学園は午前だけかな?」
「ええ、この時期は家業のお手伝いで忙しい生徒さんが多いから。ウォーレンは? 今日は診療所の日だったかしら?」
「僕も午前だけだよ。午後からは二人で街に行かない? 最近話題の焼き菓子のお店があるんだ」
新領主となったウォーレンは屋敷の片隅に新しく診療所を造り、執務の合間を縫って医師も両立させている。
彼は、誰よりも私の心と身体を健やかに守ってくれる私の専属医だ。
今やモルナ領は、瑠璃木犀の毒素に苦しむ人々を救う聖地と呼ばれ、多くの医師が集う地となっている。
私は新学期に合わせて王都の学園ではなく、辺境伯領の学園に復学した。専属侍女として教養を学ぶことになったゾーイは、私の学友でもある。
「いってらっしゃい。シェリル」
額にウォーレンの口づけを受けた。
私はお返しに彼の頬へと唇を寄せる。
「いってきます」
扉の向こうには琥珀色のぬくもりがどこまでも広がっている。
最後までお読みいただきありがとうございます。
プロット段階ではラスマンがヒーローだったのに、いつの間にかウォーレンがヒーローになってました。
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