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第6話 最初の判断
航路データを表示したまま、
船内は少し静かになっていた。
黒川は画面を見ていたが、
数値を読んでいるわけではない。
意味は分からない。
専門外だ。
だが、説明文は目に入る。
「……丁寧だな」
「何がです?」
「この天体。
危険かどうかじゃなくて、
壊れた場合の話まである」
「降りる前提ですね」
黒川はうなずいた。
「想定外じゃない」
「安全ですか?」
「分かりません」
一瞬、空気が止まる。
黒川は続けた。
「ただ、
致命的にはならないと思います」
「根拠は?」
「逃げ道が書いてある」
沈黙。
数秒後、操船担当が言った。
「降りよう」
船は進路を変えた。




