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第4話 出発 第5話 何も起きない時間
出発は、思っていたより静かだった。
派手な演出はない。
黒川は計器類を見ていた。
振動、、、、
想定内。
音の変化、、、、、、
問題なし。
警告灯は点かない。
「順調ですね」
黒川は頷いた。
「今のところは」
加速が終わり、無重力になる。
誰かが浮いたペンを掴んで笑った。
黒川は点検表を開く。
異常なし。
異常なし。
異常なし。
異常なし。
それで十分だった。
航行二日目。
異常はなかった。
通信は安定。
推進系も正常。
居住区では声が出ていた。
窓の話。
無重力の話。
同じ話題を、少しずつ言い方を変えて繰り返す。
黒川は、それを悪くないと思った。
同じことを話せるうちは、
余裕がある。




