表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類保全  作者: wwaabb
34/49

第35話 動き出した機械

リング装置は、安定している。


0.02Hz。


五十秒。


完全な周期。


さっきまでのわずかな遅れは消えている。


氷室が内部から言う。


「落ち着きました」


理央がログを見る。


「振動誤差、ゼロ」


充が言う。


「エネルギー流束、安定」


棚橋が小さく言う。


「ちゃんと直ったんですね」


氷室が笑う。


「たぶんな」


そのとき。


理央が言う。


「第二周期」


全員が画面を見る。


180秒。


新しい波形。


ゆっくり。


大きな波。


黒川が聞く。


「どこです」


理央が窓の外を指す。


巨大な壁。


その奥。


さっきまで動いていなかった構造。


巨大なリング。


直径、数キロ。


それが。


ゆっくり。


回転している。


航田が言う。


「回り始めました」


氷室が内部から言う。


「こっちも振動増えました」


理央が言う。


「第二装置です」


充が言う。


「連動してる」


黒川は窓の外を見る。


巨大構造体。


歯車のような配置。


今まで静止していた部分が。


順番に。


動き始める。


氷室が言う。


「工場みたいですね」


棚橋が言う。


「ライン起動」


充が言う。


「それに近い」


理央がログを見ながら言う。


「停止状態からの再始動」


航田が小さく言う。


「電源入れた?」


黒川が答える。


「部品を入れました」


遠くのリングが回る。


その奥。


さらに大きな構造。


ゆっくり。


角度が変わる。


理央が言う。


「第三構造」


航田が言う。


「まだありますね」


理央が答える。


「はい」


少し間。


「この設備」


そして言う。


「一つじゃありません」


氷室が内部構造を見る。


流路。


リング。


螺旋。


それぞれが。


少しずつ動いている。


氷室が言う。


「黒川さん」


「はい」


「これ」


少し考える。


「全部つながってます」


黒川が頷く。


「でしょうね」


巨大機械はゆっくり目を覚ます。


歯車のように。


一つ。


また一つ。


順番に。


動き始める。


宇宙の片隅。


人類は今。


巨大文明の設備の中で。


起動の瞬間を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ