【配信】 配信者たちによる配信
配信があるときは【配信】これがつくんで
「わぁ〜! ここが冒険者ギルドかぁ~!」
(この世界のギルドは初だし……異世界よりもきれいだな! うれしいね!)
周りからは微笑ましそうな視線が向けられているが、僕ははしゃいでいて気づくことはなかった
「登録お願いします!」
「あら、一人? 親御さんはいるかしら?」
「一人です!」
「えっとね。坊や。未成年は親の許可が必要なの。許可とかサインとかあるかしら?」
「あ、えっとね。ちょっとまってて!」
(え、なんか……どっかに……!? なんかない!?)
「あ、これ」
僕のポケットには二枚の紙が入っていた。そのうちの一枚は許可証で、もう一枚は……
【困ると思って許可証入れておいたよ☆ 存分に使ってね☆】
(神様ぁぁぁぁ!! ああ! 初めて感謝した! こんなに神様はありがたいものだったとは……あ、やばい。感動で涙で出そう)
「あ、こ、これ……」
「うん。許可証ね。ちゃんとやっとくわ! あら?なんか泣いてる?」
「な、泣いてません!」
「そう? なら良いけど……少し時間がかかるから、そこら辺のベンチに座って待っててね! 遊びに行ってもいいけど30分ぐらいで帰ってくるのよ?あ、登録名はどうする?」
「う~ん……」
(僕は勇だから……英語にするとブレイブ……)
「レイでお願いします」
「うん、わかったわ」
(さて、クエストでも見て時間つぶそうかねぇ)
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そして、画面は変わり誰かの配信画面へ
【《ボスポラス配信事務所》新たなダンジョン配信者を紹介するよ~!!】
天野 明梨/Amano Akari
チャンネル登録者69万人
45,435人が視聴中
#ダンジョン配信
「みんな! こんちゃー! ボスポラス事務所所属! 天野 明梨だーー!」
¥50,000
〝始まったーーー!〟
¥10,000
〝今回、新たなメンバーが入るんだよね!? 楽しみ!!〟
¥40,000
〝これでなんかうまいもんでも食ってください〟
「お! みんなありがとー! そんなことは置いといて、新たなメンバーを紹介します!! はいみんな!カモン!!」
「みんな初めまして!! 21歳の山本 美結だ!!」
「同じく21歳の神宮 莉緒よ」
「俺は21歳の照内 諒だ! よろしくな!」
最初に画面に現れたのは茶髪でポニーテールの女性。そして、その人の合図で出てきたのは順に、黒のショートヘアーで元気な小学生のようなテンションの女性、次に黒髪ロングの清楚っぽく、おとなしそうな女性。最後は金髪でヤンキーのような見た目をした男性である。ちなみに全員、美男美女。普通に映える
「これら3名が新たな仲間だよ☆ まぁ、まだふえるかもだけどね☆」
〝どゆこと?〟
〝こっから増やすの? どうやって?〟
「良い質問だねぇ……これから、この4人でダンジョン潜るんだけどね~。 いい人材いたら勧誘してこいっていう社長命令☆」
〝さらっとまだメンバー増やそうとしてるの草www〟
〝さすがに無理っしょ〟
〝どこのダンジョン? わんちゃん自分居るかも〟
「冒険者になったばかりの人たちが皆行く初心者ダンジョンだよ! そこだったら、事故もイレギュラーも少ないしね! というか一回も起きてないし」
〝初心者ダンジョンでそんなことがあったら発狂ものだしな〟
〝うん。普通に初心者狩り。〟
「ということで、れっつごー!!」
「「ごー!!」」
「あー……ごー?」
女性陣二人はかなりノリノリだが、唯一の男性である諒はかなり戸惑っていたものの、最終的には流れに乗り、ダンジョンに出発した。
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「はいはーい! こちらがみんなご存じ、初心者ダンジョンでーす!」
〝うん、知ってる〟
〝まぁ、流石に下層行くんじゃない?下層にはCランクの魔物ぐらいはいるんだし〟
「察しがいい人がいるねー。そう! 今回は、41階層から出発しまーす!」
〝時間かかりそうだけど?〟
〝それだけで配信終わらないっすか?〟
「それに関しては大丈夫! 転移魔石を設置しておいたからさ! まぁ、私じゃなくて別のメンバーが、だけどね」
〝用意周到だな……さすがボスポラス事務所ってところか……〟
「よし、行きます!準備はいいかな?」
「「大丈夫です!」」
「俺もいつでもいいぞ」
「転移!!」
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「ここが41階層です! ここでね連携の練習をします。その前に、なんか質問ある人いるかな?」
〝新たなメンバーの実力はどれくらいなんですか?〟
「私は、日本最強ランキング127位だな!」
「私は日本最強ランキング116位よ」
「俺は91だな」
「こんな感じ! ちなみに私は24位だよ!」
〝みんなレベル高いなwww〟
〝あれ? 日本って冒険者何人いたっけ?〟
〝大体100万ぐらい?〟
〝やばすぎwww〟
〝全員3桁超えてんのはバケモンすぎるwww〟
「よし! それじゃあ出発!!」
「よっしゃ、いくぜぇ!!」
「私たちも!!」
「うん、行きましょう」
「いいね! 気合い入ってる!」
4人は走り出す。諒が先頭を走り、その後ろに美結と莉緒が続く。その後ろから明梨が全方位を警戒しながら着いていく。しばらく走った後、巨大な魔力を感知する
「総員! 止まれ!!」
明梨の命令に瞬時に反応し、3人は止まる。そして、前からゆっくり現れたのはミノタウロス。その手には、60階層の中ボスと思われる頭部が握られている。
「ミノタウロス!? Cランクモンスター!? なんでここに!? 本来ならスポーンしないはずなのに!?」
「不味くねぇか……これ?」
ミノタウロスは嘲笑うように口角をあげ、頭部を一口で食べる。その結果、ミノタウロスは強化され、体が大きく膨れ上がり、体の色は血のように鮮やかな赤色になった
「うそ……でしょ? イレギュラーモンスターが……進化したの!?」
「明梨先輩! こいつってなんて名前だ!?」
「ブラッドミノタウロス……過去にアメリカ大陸に出現した魔物だ……たった一体で、ニューヨークやロサンゼルスが壊滅に追い込まれた。世界中が協力してやっと撃破したが……まさか……こんなところにまで……」
「あいつ……なんか弱点ないのか!?」
「ミノタウロスならば、巨体ゆえに動きが遅いから、素早い動きで翻弄すればいいが……ブラッドミノタウロスは、早い。とてつもなくな………風神 伊織という男を知ってるよな? 日本最強ランキング4位そして、世界最速と呼ばれる男でさえも……あいつには、スピードでは互角だった……そして、1番恐ろしいのは、炎の魔法を使えること……どんだけ離れようが、魔法で攻撃してくる……!」
〝お願い!! 逃げて!?〟
〝無理だって!? あの戦いでどれだけの強者が死んだと思ってるんだよ!?〟
〝たしか、当時の日本最強ランキング1位、2位、3位が死んだんだよな?〟
〝そう。今の日本最強ランキング1位でも当時の2位には勝てないらしい。あくまで推測だけど〟
「みんなは逃げて……私が食い止める……」
「いや、何言ってるんだよ……!?」
「そうです! それなら、あなたが逃げるべきです!!」
「新人を守るのが……先輩の仕事……お願い……逃げて?」
手は震えており、恐怖しているのがわかる
「嫌だね。俺の辞書に逃げると言う言葉はない。仮に先輩だろうが、女性を置いて逃げるのは男としてどうかと思うしな」
「先輩も死にたくないはずです。それにあなたならそんな無謀なことはしません。何か策があるんですよね?」
「うん、逃げない。先輩と一緒にいる」
「あることにはある……けど……地上に被害が出るかも……」
「なんですか? 協力しますよ?」
「策というか……10階層に転移魔石が置いてあるの。そこに転移するだけなんだけど……」
「だけど?」
「こいつは……私たちのことを餌として認識してる。逃げても……追いつかれる」
〝ボスポラス事務所:自衛隊に連絡済み。冒険者ギルドも緊急招集して上位ランク冒険者を集めてる。だから、戻ってきていいよ。少しなら食い止められるし、国連の各国も援軍を派遣してくれてる。〟
〝神の声きたぁぁぁぁ!!〟
〝はやくはやく!! 戻ってきて!!〟
「よかった……転移!!」
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「よかったぁ……俺らは逃げられたのか?」
「本当に怖かったです……」
「ん。休みたい」
「ダメ!! 早く出るよ!!」
その時遠くから、ドゴン、ドゴンという音が近づいてくる。それは下から聞こえてきていた。
「ブラッドミノタウロスは追いかけてくる! 早く逃げるよ!」
「「「は、はい!」」」
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そして、階段を上り、1階層に到達し、出口まで後600メートルというときに、後ろから炎魔法が飛んできた。
「トルネードショット!!」
明梨の風の最上位魔法と、炎魔法がぶつかり合う。あたりは煙に包まれ熱波が荒れ狂う。
「あっつ……!?」
「まさか……ブラッドミノタウロス……?」
「あと……すこしなのに……」
(わたしはどうなってもいいけど……新人ちゃんたちは守らないと……)
「みんなごめんね?」
明梨はみんなに向かって魔法を放とうとする。しかしその瞬間、背後からブラッドミノタウロスが現れ、明梨に向かって両刃斧を振り下ろす。とっさに自分に魔法をぶつけ、新人3人を巻き込みながら後ろに飛ぶ。勢いが収まると明梨は地面に四つん這いになり、血を吐いていた。
「ゴフッ!?」
「大丈夫ですか!?」
明梨の体は左肩から右わき腹にかけて大きく切られており、
立つこともしゃべることもできないようだった
「どうする!? 戦うのか!?」
「む、無理でしょ……こんな化け物……」
「部隊が外にいるはず……なにをしてるの?」
〝ボスポラス事務所:今日冒険者になったばかりの青目青髪の少年がダンジョンに入っているらしく、銃で巻き込む危険性があるため下手に動けないらしい。申し訳ない。頑張ってそこから逃げだしてくれ……!!〟
「いえ、やるしかないわ!」
「うん、死にたくない。戦おう」
「ま、逃げるぐらいはできるだろ」
そして3人は、ブラッドミノタウロスに挑む。そして…………ブラッドミノタウロスが両刃斧を横に一振りする。諒が剣と己の肉体を用いて守ったおかげで、二人は切られることはなかった。しかし、諒は片腕が切断され、美結は壁に強く激突したため、血反吐を吐いてうずくまる。そんななか、打ち身だけで済んだ莉緒はゆっくり進んでくるブラッドミノタウロスに恐怖していた
「あ、あ、ああ…………ここで死ぬの……?」
その時だった、配信画面に角から曲がってくる一人の少年が映ったのは。
「あの………大丈夫ですか?」
青目青髪の少年はそう声をかけてきた




