レイの自主練 (9人側からの視点)
レイの自主練が始まってから1週間が経った。周りの仲間もだんだんと強くなりつつあり、レイでも魔法無しでは苦戦を強いられるようになった
「くっ……!」
仁の短剣を受け流し損ねたレイの首元に短剣が突きつけられる
「……僕の負けだよ」
レイは遂に負けを認めた。これにより、事務所のみんなは初めてレイに勝つことができたのだった。
だが、700敗しているわけだが……
「やった! 遂に勝てた!」
「ふふふ やっとね!」
「今ならブラッドミノタウロスも余裕で勝てるんじゃねぇか?」
仁、陽菜、諒の順に喜びの声をあげる。事務所のみんなは嬉しそうに頬を緩ませている……明梨ただ1人を除いて。
「今ってレイ君はさ。魔法使ってた?」
「!? ど、どうしてそう思うの!?」
明梨の言葉にレイは狼狽える
「だって、いつもより動きが悪いし、魔力を全然感じないし」
(う〜ん……可能ならまだ見せたくないんだよなぁ……まだ使おうとすると吐血しちゃうし、良く動けなくなるし……身体能力が上がったのは実感できるんだけども。いやー……身体強化なしで挑むのは流石に無理があったか……やっちゃったな)
「気のせいじゃない? ちょっと手を抜きすぎただけだよ」
「そう……?」
「うん!」
そして、訓練は続く。だが、次の模擬戦から、レイの動きが良くなり、微量ながら魔力を検知できるようになったため、魔力を使ってないことが普通にバレたのであった
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「はい! 今日の訓練は終わり!」
「「「「ありがとうございました」」」」
そして、みんな部屋に戻った……かのように思えた。だが、レイ以外は一つの大部屋へと集っていた
「今日のレイのことどう思う?」
「うーん。身体強化無しでどこまでいけるか試しただけじゃない?」
「レイのことだからそうかもしれないな。だけどな、体の動かし方が剣術の動かし方に限りなく近いんだわ。これは最近からだぜ?」
「それは思ったわ。無駄はないし、完璧に動いていて達人みたいだった」
和樹の問いかけに仁、諒、雪奈の順に答える
「そう。だから、俺はレイがこっそり自主練していると踏んでいる」
「でも、レイ君は魔法が得意だし、剣術を練習する必要なく無い?」
和樹が同意し、雫が疑問を口にする
「まぁ、その疑問も分かるぜ。だから、レイが移動したら追いかけるぞ。レイのおかげで魔力の検知も容易になったしな」
そして9人はレイが動き出すまで、対レイの作戦を練り始める。そして……
「よし、動き始めたぞ」
レイが移動した先は事務所の裏だった。そしてレイは慣れた手つきで木刀を手に取る
「やっぱりか」
「え? レイ君が剣?」
レイはオリハルコンでできた的の前に立ち、技を放つ
「白虚零式・一氷閃!!」
「白虚零式・二連霜牙斬!!」
「白虚零式・三晶乱舞斬!!」
「白虚零式・四方凍刃陣!!」
「白虚零式・五層氷嵐斬!!」
「白虚零式・六霜葬刀!!」
「白虚零式・七星氷輪斬!!」
「白虚零式・八刃凍風裂!!」
「白虚零式・九界氷刃断!!」
「白虚零式・十絶零天剣!!」
次から次へと技が繰り出される。手数は1から2へ、2から3へ、3から4へとどんどん増えていく。一つ一つの技の間は1秒未満。高速で繰り出される剣技は既に達人の領域へと達していた。
「嘘だろ……」
「これが……レイ君の本気……?」
みんなの目には原型をとどめず、砂のようにさらさらになったオリハルコンが映っていた。
再びレイが動き出し、みんなの注目を集める。
「やっぱり、ここまでならできる……だけど……あれを使えるか……?」
レイは悩んでいるようだが、意を決したかのように移動する。移動した先は、ダンジョン最深部。ボス部屋だった。すでにボスは倒されている
「ここでレイは何をする気だ?」
「白虚零式・氷穿終界剣」
レイが放ったのは11個目の剣技だった
あ、白虚零式の11個目の剣技の効果書いときますね
11. 氷穿終界剣
■ 効果
・一瞬だけ“絶対零度のその先”の温度を刀身に宿す
・斬りつけた対象の時間・空間・物質が同時に凍結する
・斬撃そのものが「色」を持たず透明な線として走る
・発動した瞬間に周囲の空気が悲鳴のような音を立てて結晶化
■ 副作用
・発動と同時に体温が急激に奪われる
・体力、魔力の大半を消費する




