【配信】戦力強化訓練
【《ボスポラス配信事務所》戦力強化訓練】
村上 仁/Murakami Zin
チャンネル登録者48万人
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#会議 #訓練
「さて、会議を始めようか」
「はい」
「やりましょう」
「魔族の対処についての会議ですよね?」
社長の華蓮の言葉に陽菜、雪奈、諒の順番で答える
「そうだ。今回は事務所内で片付く問題ではないため、配信をすることにした。異論は?」
「「「ありません」」」
全員が口を揃えて答える。それに華蓮は満足げに頷く。
「視聴者のみんなも思ったことや意見は是非ともコメントしてくれ」
〝よし、任せろ〟
〝配信してるのはここだけだけど、多分他の事務所も会議してそうだよな〟
〝ていうか、してないわけなくね?〟
〝魔族がいつ来るか分からないからな〟
「配信タイトルにもある通り、戦力強化訓練をするつもりだ。先生は決めてある」
「先生、ですか?」
和樹が疑問を口にする
「ああ、戦いに詳しい人に聞き、教えてもらった方がいいだろう?」
「確かにそうですね。」
和樹と仁が納得したように頷く
「それで、先生は誰なんですか?」
明梨が華蓮に問いかける
「先生はレイだ」
「「「え?」」」
全員の声が重なる。まさかレイが先生とは誰も思っていなかったからだ
「ちょっと待ってください! レイ君が先生なんですか!?」
莉緒が立ち上がりながら大声を出す
「そうだが何か問題でも?」
「大有りですよ! あんな小さい子を先生にするなんて!」
「ふむ。それなら、君はレイに勝てるのか?」
「それ……は……」
莉緒は最初の勢いがなくなり、ゆっくりと座り、黙り込んでしまう
「君たちもだ。不満そうだが、この中の誰か1人でもレイに勝てるのか? 無理だと思うぞ?」
「「「……」」」
その言葉に全員が黙り込む。その言葉が図星だったからだ。
「あの……質問いいですか……?」
沈黙を破り雫が問いかける
「いいとも、なんだ?」
「レイは先生になることを知っているのですか?」
「いや、まだ言ってない」
「「「!?」」」
〝!?〟
〝!?〟
視聴者を含め全員が、驚愕する
「ちょ、ちょっと待ってくれ! つまりなんだ? レイには、なにも言ってないってことか!?」
「そうだが?」
「おかしいだろうよ!」
諒がみんなの気持ちを代弁する
「レイなら受けてくると思うがな……」
「まぁ、良い。そろそろレイが帰ってくる頃だ。配信を終えたからな」
「はあ……」
この場にいる者や見ている者の気持ちは一つだ。何言ってんだこの人?、だろう
「すみません! 今着きました」
走ってきたからか、汗だくだが、息切れ一つしていないレイが到着した
「良いところに来てくれた。」
「えっと、なんの会議でしょうか」
「魔族に対する会議だ」
レイの質問に華蓮が大幅に省略して一言で片付ける
「そうですか。えっと……なんの話をしていたんです?」
「戦力強化のためにレイに先生をしてほしくてね。頼めるかい?」
「………え?」
レイの目が驚愕で見開かれる
「先生?」
「うん」
「誰が?」
「君が」
「誰に?」
「ボスポラス事務所のみんなに」
「なんで?」
「1番強いから」
「いやいやいや、無理だし先輩に教えるなんて失礼でできないですよ」
「でも君は魔族と戦って生き延びたじゃ無いか」
「あれは! 手加減されていたからですぅ!!」
レイが、勘違いを正そうと叫ぶ
「あはは、そうかい? じゃあ、先生を頼めるかい?」
「それって断れなく無いですか?」
「無理だね」
「わかりました。引き受けますよ……」
レイは渋々といった様子で引き受けた。しかし、その一瞬後には、みんなのことを獲物を見るかのような目で1人づつ眺め始めた。
みんなの背筋に悪寒がはしる。目の前に野生のライオンがいるかのような錯覚に襲われた
「なるほど……それじゃあ、今からやりましょうか。9人全員でかかってきてください。自分はアイスショットしか使いません」
レイは提案をする。この言葉は暗に弱いと言っているようなものだった
「へぇ……やれるの? 1人で?」
仁が起こったかのように聞く
「舐められてるわね」
雪奈が静かにキレる
一期生は明梨以外、二期生は全員が怒っているが、明梨と三期生はレイの態度に納得してるし、みんなに戸惑っている。レイの実力を間近で見て尊敬しているし、一目おいているからだ
「まあ、やってみたら分かるだろう。それじゃあ、冒険者ギルドの訓練場を貸してもらうか」
「そうですね。ここでやったら事務所を壊すかもしれないですし」
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レイたちは冒険者ギルドの訓練場に到着した。広さは東京ドームより少し狭いぐらい。
さらに、周りには結界が張られており、被害を心配する必要もない
「あの、華蓮さん。」
「なんだい?」
「なんでこんなに人がいるんですか?」
レイ達が到着するとたくさんの人がいた。
「配信してるからな。おそらく、見てる人たちがSNSなどでつぶやいた結果だろう」
「いいからやるぞ。ビビってるわけじゃないよな?」
「そんなわけないじゃないですか! 逆にわくわくしてますよ!」
「ふむ、それじゃあ……はじめ!!」
開始と同時に様々な魔法が飛び交う。フレイムアロー、サンダーバレット、ストーンランス、ジェットストリームだ。さらに
「ふっ!!」
仁が肉薄する。その両手には短剣が握られており、体と短剣は疾風がまとっている。かすっただけでも大ダメージを負うだろう。だが、
「遅い」
レイは軽々と回避する。魔法によって逃げ道が塞がれていたというのに、わずかな隙間を縫って抜け出した
「というか。全部喰らっても僕にはダメージが無いよ?」
「「「え?」」」
全員が思わず声を上げる。
「ほら、仁さん斬ってみて?」
「あ、ああ」
仁がレイに斬りかかると、ガチンという音がした
「ほらね?」
「ほ、本当だな」
仁は本気で斬ったんだが、簡単に無力化されて意気消沈していた
「これは魔力をまとってるんだ。簡単だよ?」
「簡単じゃねぇよ?」
「じゃあ、まずはこれから教えようかな。まずは僕の魔力を突破できるようにならないとね!」
レイによる授業が開始された




