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【配信】 中級ダンジョン攻略

【《特別枠の3期生》中級ダンジョン攻略!】

 斎藤 レイ/Saitou Rei

 チャンネル登録者68万人

1 ,424,753人が視聴中

 #ダンジョン配信 #ソロ攻略



「画面の前のみんなー!! こんにちはー!!」


〝こんにちはー!!〟

〝こんにちはー!!〟

〝こんにちはー!!〟


「特別枠の三期生のレイです! 今日は中級ダンジョンを攻略していきたいと思います!」


〝やっぱ、見間違いじゃなかったか……〟

〝本当にソロ?〟

〝まぁじでヤバいよ? 中級は〟

〝ブラッドミノタウロスをソロで討伐してるからまだマシかもだけど……〟

〝大丈夫かぁ……?〟


「うーん……まぁ、大丈夫じゃないかなぁ? ちなみにどんな魔物が出てくるかとか分かる人いる?」


〝俺に任せとけ! まずは浅い階層では主にミノタウロス、ケルベロスが出現するぜ。次にそこそこな深さの階層では、オーガや鬼がスポーンするぜ。深い階層では五大属性それぞれの竜がスポーンするぜ。 こんな感じだ!〟

〝うん。やっぱり強いよねぇ〟

〝初級ダンジョンのボスであるケルベロスが通常スポーンしてくる恐怖よ〟


(うーん……こう言っちゃみんなに申し訳なくなるけど……そんなに強く無いな。どれも魔法が通用する相手だし)


「とりあえず、いきますか!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



ダンジョンの中をレイは全力で走る。


〝早え……〟

〝画面が……グワングワンしてる……酔う……〟


(なんもいない……)


「おかしい……なんで……? 何もいない……?」


すでにダンジョンに入ってから30分が経過している。それなのに、モンスターとの遭遇は0。

明らかにおかしい。


「モンスターがいない……? もしくは……何かをするために持ち場を離れてる?」


〝そんなことあるの?〟

〝いや、聞いたことないけどな〟

〝俺もわからん〟


「……!! 戦闘音!!」


〝え? なんも聞こえなかったけど〟

〝同じく〟


気配を消しつつ岩陰からそっと、様子を見る。そこに居たのはミノタウロスやケルベロスと戦っている1人の男。


〝あの数はやべぇ!?〟

〝上級者が集まっているパーティーならどうにかなるか?〟

〝それでもきつそうだな〟

〝助けに行ったほうがいいんじゃない?〟


「いや……これは……逃げたほうがいいかもしれない……」


〝なんで? ブラッドミノタウロスの時はすぐ倒してたのに。〟

〝レイ君の魔法は複数体いても通用しそうだけど〟


「違う。警戒すべきはあの男だ」


「ふむ、どこに行こうというのかね? 青髪の少年よ?」


「!?」


レイが一瞬目を離しただけで、レイの背後にあの男が立っていた。レイは咄嗟に距離を取る。しかし、その距離も一瞬で詰められレイの腹に男の拳がめり込む


「がはっ……!?」


吹っ飛ぶ小さな体。ダンジョンの壁にぶつかり、砂煙が立ち上る。砂煙が晴れたのち、ボロボロになったレイが姿を現す


「まずい……な……これ」


〝あのレイが!?〟

〝この男何者?〟

〝そういえば魔物が全部魔石になってるんだよな〟

〝あの男がやったとしか思えん〟


「ほう? あの威力を食らってなお、生きているのか。なかなか頑丈だな?」


「ぐっ……魔力で……覆ってるからな……!!」


「面白そうな人間ではないか! 俺が少し遊んでやろうぞ!!」


「勘弁してくれよ……マジでさぁ!」


男が拳を振り上げレイの顔を狙って振り下ろす。


「アイスシールド!」


生み出された氷の盾と男の拳がぶつかる。拮抗していたのは、ほんの1秒。その後、氷の盾が砕け散るが、男の拳は空を切る。レイは男の間合いから逃げ出していたのだ


「くははは!! なかなか頭が冴えるようだな?」


〝レイの盾が……〟

〝やばくね? あの盾、ブラッドミノタウロスの攻撃も防いでたんだよ?〟

〝それなのに軽く放たれた男の拳に粉々にされた……と……絶望ですね〟


「ははは……まじか」


レイは乾いた笑みをこぼし、苦笑する。レイの脳によぎるのは『死』という文字


「まだだ! 僕はまだ、死ねないんだ!!」


そういって、両手に膨大な魔力を集める。


「くらえ!! アイスランス!!」


レイの両手から射出された氷の槍は男に向かって一直線に飛んでいく。男は回避できずに直撃する


「どうだ……?」


〝やったか?〟

〝おい、それフラグ!!〟

〝やっちまったな、こりゃ〟


砂煙が晴れ、無傷で立っている男が姿を現す


「噓でしょ……無傷……?」


「ふむ。なかなか良い攻撃だった。ボスモンスターも一撃で倒せるだろうな。だが俺には効かん。」


そう、男は回避できなかったのではない。回避しなかったのだ


「そういえば名乗ってなかったな。俺は四天王の1人のホーウェン。偉大なる魔王、ゼクティルア様の忠実な部下である。」


「魔族……? 嘘……だろ……?」


(今の僕で勝てるか……? いや、厳しいだろうな……)


「今は機嫌がいい、お前のことは殺さないでおいてやろう」


「本当か……? 何か裏があったり?」


〝レイ君!?〟

〝刺激するなよ!?〟


「裏なんかないさ! だってこの星は侵略するのにもってこいなんだからなぁ!」


「!!」


「この星のニンゲンは弱い。しかし、魔物は軍隊に入れても活躍できそうな力を持っている! 侵略しないわけがあるまい?」


「こいつッ!!」


レイは魔力を溜める。しかし警戒は怠らず、ホーウェンの動きをしっかりとみている


「アイスマシンガン!!」


全てがホーウェンに命中するが、傷一つつかない


「なんで……? どうして……?」


「不思議そうだな? なら教えてやろう。俺らは魔法に対する完全耐性を獲得している。生半可な魔法ではダメージは与えることができない、というわけだ」


「なら、生半可じゃない攻撃をすればいいんでしょ!」


ホーウェンはその場で動かず、様子見に徹している


「魔力よ凍れ、世界よ凍れ」


レイは詠唱を始める


〝詠唱!?〟

〝世界系の魔法を使う気か!?〟

〝一人で!? 無茶だろ!!〟


全ての魔法には詠唱がある。詠唱には魔力を制御し威力を高める効果があるが、通常の魔法ではわざわざ時間をかけて詠唱をするメリットがないため、一般的には詠唱をしない。しかし、世界系は別だ。詠唱をすることで威力が2倍になる。さらに必要な魔力が少し減少し、準備時間が短くなるなど、メリットだらけなのだ。だが、それでも必要な魔力は膨大で、1人での発動は不可能とされており、複数人の魔力をつぎ込む必要があった。その一方で、レイは誰にも負けない量の魔力を所有している、だからこそ世界系の魔法を使うことができるのだ


「炎を凍らす極寒の冷気、感情凍らす真冬の吹雪。」


「凍れよ凍れ輪廻すら。凍れよ凍れ万物よ。」


「悪を滅ぼし正義を求む、過去を閉じ込め未来を求む。」


「我が放つは宇宙の真理、森羅万象も知らぬ魔法。」


「我が放つは究極の一手、勝機を見出す一筋の光」


「望むは神々の裁き、破滅が訪れ世界を救う」


「来たれ正義の光、邪悪なものに引導を渡す正義の光」


「来たれ極寒の世界、凍てつく世界」


「悔い改めろ、永遠に溶けぬ氷の中で!!」


「喰らえ! フローズンワールド!!」


レイの詠唱が終わり、魔法を発動しようとしたその時だった


「はぁ、そんなもんか、がっかりだ。」


ホーウェンは手を前にかざした。そうすると、集めていた魔力が霧散した


「え?」


〝消えた?〟

〝ホーウェンの仕業? でも魔法すら使ってなかったけど〟


「何をしたの!?」


「お前の魔力に干渉しただけだが?」


「そんな簡単にできるわけないだろう!?」


「お前は魔力の扱いが雑すぎる。まだ魔力の扱いに慣れていないだろう?」


「…………」


「あたりだな」


〝え? あれで?〟

〝うそでしょ?〟


「俺は今、機嫌がいい。ついでに教えてやろう。お前はまだまだ強くなれる。もっと鍛錬しろ。せいぜい俺の全力を引き出せるように頑張れよ」


「…………」


ホーウェンはその場からパッと消える。そして、辺りに魔力の残滓が広がる


「分身………か……」


〝分身なのかぁ……いやいや、無理でしょ。勝てるわけがねぇ〟

〝あのレイですら赤子を相手にするように翻弄されていたからなぁ〟


「悔しいなぁ……悔しいよう……」


レイは蹲り、両目から大粒の涙をポロポロとこぼす。心の中で燻っていた負の感情をすべて吐き出すように、ひたすらに泣くのであった


前回の投稿が一か月前か……遅れて申し訳ねぇ……

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