出雲八重書
3世紀の中ごろ、一度は日の巫女(ひのみこ)によって邪馬台(ヤマト)を追放され、魏の帯方郡(現・韓国)に渡ったスサの王ソミンは、再度渡来して上陸した地点で、夜中にすすり泣く老夫婦と若い娘を見つける。娘の姉たちは次々に大蛇によって蛇聟(へびむこ)にさせられ、今度はこの娘の番だという。話を聞くと、ここはスサの王を追放した日の巫女の邪馬台の宿敵である狗奴(クナト)の国であることが判明する。そして大蛇というのも、製鉄の利権をほしいままにしようとする邪馬台の軍勢であることを知ったソミン王は、この国に味方して邪馬台と戦うことを決意……。