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エッセイ

おまわりさんって、必要なの?

 以前、コンビニエンスストアの駐車場に車を停めて、その中で寝ていたら(仕事でくたびれていました)、トラックに当て逃げされたことがありました。


 地震でも起きたかのように車が激しく揺れ、もちろん目を覚ましましたが、疲れていたこともあり、アホな私は『あぁ……、夢か?』と思って再び眠りの中へ入ってしまいました。


 朝になって目が覚め、コンビニに朝食を買いに入ろうと、車から出たところでようやくそれが夢ではなかったことに気づきました。

 愛車マツダ初代アクセラスポーツくんのリアがぐしゃぐしゃに潰れていました。リアガラスも割れて、車内にスースー風が差し込んでいました。12月だったのに、あんなところで私、よく熟睡してたな……。


 おまわりさんを呼びました。

 ブルドッグみたいなおじさんと、メガネ白カマキリみたいなお兄さんがペアでやって来ました。

 コンビニの防犯カメラを見るとその時の状況がはっきり映っているといいました。白い中型トラックが私の車にバックでぶつけ、そのまま走り去っていたと──


 その時のことを聞かれ、私が『疲れていて、眠たかったので、夢かと思って、また寝ました』と答えると、「じゃっ」とだけ言い残して二人は帰って行きました。担当警察署の連絡先を記した、事故だか事件だかを取り扱った証明みたいな紙一枚を残して。



 後日、その連絡先に電話をし、当て逃げ犯人は見つかったかどうか、問い合わせてみると──


『白いトラックなのははっきり映っていましたけどねー、何しろナンバープレートがわからないと……』


 これ以上捜査をする気がないことを遠回しに言われました。


 会社名でも映ってはなかったのかとか、コンビニの店員さんから何か聞けなかったのかとか、私が食い下がると──


『ナンバープレート、見たんですかあ?』


 笑いを含んだような、バカにするような言い方で、面倒くさそうに、そう言われました。



 確かに、『夢か……』と思って寝てしまった私が悪いんです。

 地震のように揺れた時、一瞬目を覚まして辺りを見回した記憶はあります。なんだか赤い光がぐるぐるしてて、後ろを見ると白いトラックの観音扉がそこにありました。あそこで私がナンバープレートを確認していれば、警察もそれを手掛かりに捜査できたことでしょう。


 私が悪いんです。


 でも、私が腹が立ったのは、おまわりさんたちの、全員の、その態度でした。


『めんどくせーなー』

『でも仕事だからなー』

『バカ被害者はこれだから』

『警察の手を煩わせようとすんなよ』


 白いトラックはぶつけた後、しばらくその場でじっとしていたように覚えています。私が運転席から出てくるかどうか、待っていたのでしょう。でも誰も出てこないから逃げたんでしょうね、きっと。逃げるが勝ち。実際、その通りになりました。「よかったぁー、ぶつけた車の運転手がバカで」と、胸を撫で下ろしたかもしれません。


 おまわりさんはそのトラックの運転手と一緒に、私のことを笑ったのでした。


「よかったぁー、面倒な仕事しなくて。よかったぁー、ぶつけられた車の運転手がバカで」


 私の印象としては、そんなふうに言われたような思いでした。





 おまわりさんって、この世に必要かな?

 そんなことをしばしば思わされてしまいます。


 新東名高速道路の120km/h区間で大型トラックが真ん中車線を延々と走るのは『通行帯違反』というれっきとした違反です。片側二車線区間で追越車線を延々と走るのと同じ違反なのに、それを知らないのか、真ん中車線を延々と走行する大型トラックはとても多いです。

 道路を混雑させる元凶となりますし、100km/h以上で走行する乗用車さんが急ハンドルで避けたりしていて、迷惑かつ危険を作り出しています。

 K運輸さんの大型トラックはいつ見ても真ん中車線を走ってらっしゃいます。

 この前、その後ろからパトカーが走ってきました。

 K運輸のトラックの後ろにぴったりとくっついて走りはじめました。

 しばらくそうしているので、私が『捕まえるかな?』と思っていたら、やがてその後ろを離れて車線変更し、前へと消えていきました。

 どうやらトラックの後ろに隠れてスピード違反の乗用車を見張っていたようです。


 パトカーが無謀運転の車やほんとうに迷惑な車を捕まえるところを私は見たことがありません。たまたま出くわした速度超過している車や誰もいないのが明らかなところで一時停止無視してしまった車を罠のように捕まえるだけです。

 ひどい運転をしている車を見て、私が『あれを捕まえろよ』と思っても、そういう車は大抵、重大事故を起こしてしまってから反省するとか、あと1点で免停になるからと点数を気にして運転が大人しくなるとか、そんな話を聞くばかりです。


 横断歩道で歩行者が『どうぞ』と譲り、『じゃ、失礼して……』と車がぺこりと頭を下げながら先に行ったら捕まったなんて話もありましたね。

 それでいて歩行者を轢き殺す勢いで通過する車は捕まえません。速い車より遅い車のほうが捕まえやすいからなのか? とか思ってしまいます。


 大阪府警のパトカーがなぜか京都を走っていて、急な車線変更で観光バスを事故らせかけた動画を見たことがあります。


 赤色灯を点けずに高速道路を推定180km/hぐらいでぶっ飛ばすパトカーを見たことがあります。


 一般人のドライバーさんも、何も悪いことしてないのにパトカーを見たら必要以上に速度を落としてしまって迷惑です。対向車線のパトカーを見て制限速度マイナス20km/hぐらいまでスピードを落とす人もたまによくいらっしゃいます。よっぽどパトカー=怖いものという印象があるんでしょうか。




 治安を図るために、もちろんおまわりさんは必要なのでしょう。


 でも、少なくとも私は、おまわりさんに対して悪い印象しかもったことがありません。

 みんなに親しまれ、「お疲れ様です」とか地域住人に声をかけられ、ニコニコしているおまわりさんなんて、ドラマの中にしかいないと思っています。


 高圧的、プライドのかたまり、面倒くさそう──そんな印象しかおまわりさんに対してありません。


 日本は治安大国とかいいますが……


 日本のおまわりさんが犯罪大国にもし行ったら太刀打ちできるのか? 


 そんなふうに思ってしまいます。


 私が間違ってるんでしょうか?





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― 新着の感想 ―
まあ、パトカーなんて抑止力以外の何者でもないし、大した期待はしませんな。 実際この辺りの国道は各車両の平均速度が制限速度+20km/hくらいで走っている。 そんなところなのに、捕まるのはシートベルトし…
[一言] しいなさんのお気持ちよくわかります。 私も「は? そこ?」と言いたくなった経験があって、お話ししてもいいですか? →伺っておきながら勝手に話します 笑 信号があるけれど長さは2メートルくら…
[一言]  完全に同感。  強者(ヤーサン)やら金持ち、在日とかの面倒な連中には尻尾を振る一方で、ホームレスや老人のように声を上げられない社会的弱者には無視や、時には牙をむき、己の利益のためには(点数…
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