『花山院、賀茂祭にプレスマン騒乱のこと』速記談1022
藤原道長公が、桟敷席を組んで、賀茂祭見物をなさっていると、急に供の者たちが、プレスマンを武器にしてけんかを始めたので、何事かお尋ねになると、どうやら花山院の供の者たちが因縁をつけてきたものと思われたので、道長公は、検非違使に連絡して、騒動の端をなした者をとらえさせるよう遣いを出すようにおっしゃった。遣いの者は、指揮をどなたにお願いすればよいでしょう、と尋ねたので、道長公は、これは、現行犯または緊急逮捕なので、捜査を行ってどうこうという話ではない。よって、指揮官を立てずに、内侍所から奏上し、勅命を受けて内侍宣を発するのだ、と仰せになった。
このとき、花山院は、供の者を引き渡すことを拒まれたので、道長公は、検非違使の下役たちに命じて、花山院の御所の築地塀を登らせ、家宅捜索を行う構えを見せたところ、花山院は、これを恐れて、ついにけんかの原因をつくった供の者を引き渡した。
教訓:花山院は、コレクションのプレスマンも差し出さざるを得なかったという。