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1話.ストレス解消法

今、日本中が熱中している対戦型VRゲームがある。

そのゲームの名は


「SOUL DESTRUCTION」


1ヶ月の間、プレイヤーと戦い勝利することで得られるポイントを競うランキング型のゲームだ。このゲームには様々な職業があり、それらを自由に選び戦うことができる。自由度の高さや、グラフィックの良さが評価され日本を代表するゲームとなっている。


このゲームはポイントによってクラスが変動し、上から


S級(上位100名)

A級(上位1000名)

B級(上位5000名)

C級(上位10000名)

D級(上位50000名)

ランク外


となっている。


日々プレイヤーはランキングの上位を目指し競い合っている。


そんなSOUL DESTRUCTIONも10周年を迎えたが、業界は更なる盛り上がりを見せていた。

「そろそろ始めますか、ランカー狩り!」


俺の名前は三剣(みつるぎ) (らん)

SOUL DESTRUCTIONでのゲーム名は「ツルギ」

名の知れた荒らしプレイヤーである。


俺が荒らしプレイヤーと呼ばれたのはこのゲームのマッチングシステムにある。

このゲームには2つのマッチング方法があり、1つ目は


「ランダムマッチング」


同じレートのプレイヤーで戦うことが出来る方法だ。通常のプレイヤーは皆このマッチングしか使用しないが、俺に快感を与えてくれたのは2つ目。


「下克上マッチング」


このマッチングは名前の通り下克上。

自分より高いクラスを指定しマッチングができる、勝利時に貰えるポイントはクラスが離れれば離れるほど何倍にも増加するメリットがあるが、負けた場合貯めていたポイントは即0。振り出しに戻される。

ポイントは負け続けるとマイナスになるが、下克上で負けた場合マイナスポイントのプレイヤーは現ポイントのままとなる。


デメリットが大きすぎるため使用されることは少ないが、俺は2つ目の下克上マッチングを使い、害悪下克上プレイヤーとしてSOUL DESTRUCTIONに名を残したのだ。


ランキング最終日、俺のクラスはランク外、それもランク外の中でも最下層レベルにいる。

ランダムマッチングでランク外プレイヤーにわざと負けまくり現在ポイントは-5000

普通にプレイしていたらこんな数値にはならない。ランク外の最下層は言わばルールも知らない初心者のバトルだ、それに負け続けているのだから初心者以下のプレイヤーという扱いになるだろう。


ここで問題、こんな最下層の俺がS級に勝ったらどうなると思う?

答えは簡単、何倍にも膨れ上がったポイントを奪いS級ランクのプレイヤーを一気にC級くらいにまでは落とせるだろう。

ランキング上位のプレイヤーを一気に蹴落とす快楽が、いつの間にか日々のストレス解消法になっていたのだ。


「日付が変わりランキング集計が入る直前に蹴落とすのがやっぱ1番だよな」


時刻が23時50分になった瞬間に俺は慣れた手つきで下克上マッチングを押した。


マッチングを確認

現在ランキング6位 プレイヤー名「テト」


バトルを開始します


「うっひょー!!!! ランキング6位!?!? しかもテトって超人気配信者じゃねえか!!!」


〜配信者テト〜

フォロワーは200万を超える超人気配信者であり、SOUL DESTRUCTIONの上位ランカーである。


「これは堪んねえ! 配信のアーカイブで悔しがる顔見れるとか最高か!?」




自分のニヤけた顔が絶望へと変わることをこの時の俺はまだ知らなかった。




「お前配信者のテトだろ、最終日の残り10分。素直に6位で妥協しとけば良かったな、これでお前はS級どころかC級? D級? ランク外?? どこまでランキングが下がるだろうなぁ!! 」


俺はテトを憐れむように煽った。俺は下克上プレイヤーとして、ある程度名が知れ渡っている。相手も俺の「ツルギ」という名前をみて色々と察しがついたようだった。


「ツルギ、、高レート狩りか。君の下克上動画は何度か見させて貰った。なぜ君は普通にプレイしないんだ? 実力もある、普通にプレイしていたらS級上位クラスだろ。」


彼は下克上に執着している。過去に被害にあったS級プレイヤーがSNS上にツルギとの試合を載せ悪い意味でバズっていた。それでも彼はランキング終盤での下克上をし続けている。


「理由があるのか?」


理由...テトからそんな事を聞かれるとは思ってもいなかったが、理由なら俺の中で答えはもう出ていた。ランキングを上げS級になった奴を蹴落とし、努力と時間を無駄にすることへの快楽、今思えばどうして俺はこんな意地悪をし続けているんだ。

俺はまだあの時のことを引きづっているのか...?


「理由? そんなもん時間と努力を無駄にできるのが楽しいからに決まってんだろ!!」


ツルギから良い答えが聞けるとは思っていなかったが、ここまで酷いのか。視聴者もツルギに対して怒りが込み上げてきている。そして奴は毒使いだ、ここは素早く片をつける!


「ツルギ、最初から本気で行くぞ。」


テトのやつが仕掛けてきた。奴の職業は双剣使い、素早い動きと殺傷性が持ち味のスピードアタッカーって感じだな。

対して俺は毒使い、ジワジワと確実にHPを減らし殺せるのが俺の煽りとマッチしてて気に入った職業だ。

ネットでの評価は火力が全く出ないハズレの職業らしい。

ただ俺はゲーマーだ。どんな職業でも勝ち方は山ほどある。


「そんな焦ってどうした? ゆっくりバトル楽しもうぜェ!!」


毒使いとの持久戦は死を意味する。テトはそれがわかって短期決戦に出たのだろう。

攻撃をしないと倒せない。ただ早く終わらせたく沢山攻撃をしてくるということは、その分攻撃モーションの後隙が多くなる。俺は攻撃出来るタイミングで毒をばらまくだけで勝ててしまう。

相手が焦れば焦るだけ攻撃チャンスが生まれるわけだ。


「何故攻撃が当たらないんだ!」


おかしい、双剣使いは素早いスピードと火力を備えた最強の職業だ。何故このスピードに毒使いがついていけるんだ? 僕の動きを予知していないとこんな動きは... このままだと体力が持たない。


「辛そうな顔してるなテト、 攻撃が当たらない経験なんて初めてか? 早く攻撃当てないとタイムリミットだぜ?」


わかりやすい挑発だがこれでいい。

事実このまま攻撃が当たらなければやられるのはテトだ。あとはずっと回避してればいい。相手の思考を読み取れ、次の攻撃を予測しろ。


「チャンスはもう数回しかない、、ツルギ! 次の一撃で終わらせる」


煽られながら減らさらていく体力、精神的にも限界が近い。噂には聞いていたが彼は僕が思っていたより凄腕の様だ、まるで1位と対戦した時と同じ緊迫感だな。


次の一撃必ず回避される。回避先を予測して攻撃を放つしかないな。頼む運よ味方してくれ!!


「喰らえツルギ!!」


........


「最後の一撃くらい喰らおうと思ってたんだが何してんの? テ・ト さん☆」



「クソがァァァァァァァァァアアア!!!」




勝者「ツルギ」


バトルを終了します。



貰えたポイントは50000ポイント。上出来だな、最下層の俺はDランクに滑り込むくらいか? まぁ自分のランキングに興味はない。重要なのはテトが50000ポイントを失ったことだ。最後の叫び声相当悔しかったようだな。まあ奴のランキングは集計が終わったら全て分かるだろう。少なくともC級までは落ちてるポイントだ。


「ふぅ、気持ちよかったな。そういやテトはまだ配信してるのか?面白そうだし見に行ってみるか。」


こりゃ酷いな、俺への殺害予告とも受け取れるコメントで溢れてる。推しが無様にやられて悔しかったんだろう。


そんな中、素早く流れるコメントの中でこんなコメントを見つけた。


「特定した」


VRゲームの試合で特定なんてできる訳が無い。

バカバカしいコメントだと思っていたが、ひとつ気になる点があったのだ。コメントを書いた奴の名前..それを俺は鮮明に覚えていた。





読んで下さりありがとうございます。

小説書くのは初めてなのでおかしい所も多いと思いますが温かい目で見てください!

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