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私はなにも悪くない  作者: 蠱毒児導
2章 羽ばたき
14/16

続き

 人を信頼しきれない私は自分しか信頼していない、私は嘘も付かないし否定もしない。きっと無意識のうちにもう一人の「主人公」を演じているのかもしれない。

 この栞に向けた笑顔もきっと‥。

「やっぱりさ、愛は私に無い物をいっぱい持っていて‥」

「愛と出会えて良かった!愛と一緒に居ると楽しいもん」

「私と出会えて良かった、ねぇ‥」

 何処かで聞いた台詞、物語の何処で綴られたのかは思い出せない。夏木愛の狂った歯車が記憶を呼び起こす事から逃げているのだ。

「‥痛っ」

 幾ら考えても思い出せない、この時から私のモノは都合の悪い事は語られないよう騙られたのかもしれない。視界から見たくないモノを背ける性格は手術をしたあの日から、夏木愛の人生における大切な物語を抜き取られたのかもしれない。

 そう思ってしまうほどに栞の言葉が私には届かず、響かない。

「ズキッと」

 ‥モノが悲鳴を上げる、弁論の声は誰にも届かない。

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