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短編集『ニアリーイコール』

宝石のような 言葉と内臓

作者: ふとんねこ

 貴方が期待してくれるので


 綺麗なものだけ見せたくて


 宝石のような 煌めく言葉



 貴方が期待してくれるので


 全てを分かってほしくって


 宝石のような 私の内臓



 いつだって貴方は


 きらきら煌めくほうき星


 気まぐれ 夕暮れ 秋の溜め息



 いつだって貴方は


 瑟々(しつしつ)溶けゆく願い星


 さよなら それなら 春は終焉



 貴方が期待してくれるので


 もう会えないと いつも思う


 宝石のように 脆い言の葉



 貴方が期待してくれるので


 やっぱりどうぞと 差し出すの


 宝石のように 柔い内臓



 そう 貴方が期待してくれるから


 綴り 紡いで 祈り 織り上げ


 それは 宝石のような 言葉と内臓


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― 新着の感想 ―
[良い点] 『気まぐれ 夕暮れ 秋の溜め息』 『さよなら それなら 春は終焉』 韻を踏んで繰り返される語感と言葉が 綺麗にマッチしていて好きです [一言] 宝石も塊なら硬く思えて 傷つきやすかったり…
[良い点] 綺麗だけど、何だか切なくなる詩ですね。「内臓」は、抱いたけれど外側には出さなかった気持ちの比喩かなと思いました。 宝石というと硬質なイメージがありましたが、そこに脆くて柔らかい印象を付与…
[一言] はじめてコメント失礼いたします。 言葉の選び方が突き刺さり、とても好きです。 個人的に、読み手としては内臓も見せてほしいなあと思っているタイプです。ふだん宝石のような言葉を見せてくださる方の…
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